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肌荒れ

「何よこれ…何よこれ…!なんなのよこれぇぇぇ!!!」


あたしは手鏡を覗き込み、叫んだ。


肌にポツポツと赤や白の発疹が浮かび、血が浮かんでいる所すらある。


「どういうこと!?いったいどういうことなの!?」


あたしは鏡を壁に投げつけた。


「お、落ち着くっぽ、ご主人様…」


ベッドの下の暗がりから声がする。


あたしはそれに向かって、化粧水の瓶を投げつけた。


「あんた、ちゃんとあたしに魔法かけてるんでしょうね!?対価を貰ってるくせに仕事をまともに出来ないなんて、なんて役たたずなの!?」


「そ、そんなことをいわれても、これは…」


「うるさい!いいから早くあたしの肌を治しなさい!!!」


あたしは乱暴に椅子に座り、爪を噛んだ。


「くそ、くそ、くそ…ようやく、王子が手に入ったのに。ようやくあの目障りな女を陥れたのに!こんな…こんな顔じゃ、いったいなんで…」


ベッドの下から、くすんくすんと鳴き声が漏れた。


「早くしなさいこのグズ!!!」


近くにあった香水の瓶を引っ掴む。


投げつけられて割れた小瓶から、噎せ返るような甘い匂いが立ち上った。


「このままじゃ絶対終わらない…あたしはこの国の頂点に立つ女なの…」


薄暗く荒れた部屋には、何かの啜り泣く声と、呪詛のような声が不気味に渦巻いていた。


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