第32話部活の注目
「ね、ねぇ!田中ってまさか田中蓮斗選手!?」
部長が興奮した様子でこちらに来た
「あはは…バレちゃいました?そうです。その田中蓮斗です。」
「えぇぇぇぇ!」
いや…声出しすぎでしょ…そこまでか…?いや、まぁ9秒台で走る少年って言われたし当たり前か…?
「私怪我で引退って聞いたんだけど今はどうなの!?」
「え〜今は…まぁある程度は出場しようと思っています…」
「み、皆!!うちの陸上部は安泰だよ安泰!蓮斗選手が来てくれたらリレーだって個人だって安泰だよ!」
「い、いや…言い過ぎですよ…衰えてますから…」
俺は興奮し過ぎてる部長をなだめる
「す、すみません…つい、陸上のこととなると理性が飛ぶんです。」
「な、なるほど…」
いや、怖えな…
「それと君…」
「あ、はい!」
「蓮斗選手と勝負するならやめておいた方がいいよ…彼は小学生の時点で11.54で走る男だったからね。」
「え…は?小学生の11.54って小学生記録なんじゃ…」
「えぇ、田中蓮斗選手は小学生保持者よ。」
「えぇぇぇぇ!す、すみませんでした!!」
先ほどの先輩は俺に向かってそれはもうとても綺麗なスライディング土下座をしてきた
めっちゃ綺麗だな…これでワンチャン謝罪のチャンピオン取れるんじゃないか?いや、謝罪のチャンピオンってなんだ…?
「ふふふ…やっと蓮斗のことに皆さん気付きましたか〜」
そして後ろから自慢げな声と顔をしながら遥香がやって来た
「いや、お前も最初は分からなかっただろ。分かってたの澪ぐらいだし…」
「そ、それは言わないお約束…」
遥香にツッコミを入れていると
「何はともあれ。蓮斗選手がうちの部活に居ると本当に心強いよ。これからもうちの陸上をよろしくね!」
「はい!」
部長の熱意を俺は正面からしっかり受け取り俺も力強い声で返事をした
それで俺の正体が分かった後…
「蓮斗君?サインとかいいかな…?」
「さ、サイン!?ま、まぁ別にいいですけど…引退した身ですよ…?」
「蓮斗君…あの…走り方とか教えてもらったり…」
「た、多少なら教えられますけど…」
俺は完全に部員に囲まれていた。まぁそりゃあ小学生記録保持者がいたら来たくはなるよな…
「今度の記録は出る予定なの!?」
「は、はい…一応出る予定ですが…」
(む〜あの女子達め…蓮斗の正体が分かったらすぐくっつきに行って…正体分かるまでは知らなかったくせに!!)
そのよそから遥香は謎の嫉妬を感じていた
「す、すみません…今は一応練習中なので…」
「私も走り方を教えてもらいたい!」
「いや、なんで部長も来るんですか!?」
はぁ…だめだ…これでは練習ができない…困ったな…遥香は助けてくれなさそう…ぷく顔してるし…
そう思っていた途端遥香がこちらに近付いてきて
「部長も他の皆さんも今は練習中ですよ!蓮斗だって練習したいのにできないのは辛いでしょ!」
「た、確かに…ごめんね」
「だ、大丈夫です」
「走り方はまた今度お願いね…?」
「は、はい…」
「わ、私も部長なのに…少しまた理性が飛んでいたようだ…」
「そ、そうですか…」
なんか部長が一番怖い気がする…
「蓮斗〜スタートってどこ意識すればいい?」
「ん~そうだな…蹴り出しとかかな…まぁでも男子と女子じゃあ身体が違うから男子の技術が女子が使えるはどうか怪しいけどね…」
「なるほど…まぁとりあえず蹴り出し意識してみる!」
遥香は元気よく声を出してスタートの構えを取った
「合図いるか?」
「あっお願い〜」
「set…ゴー!」
その瞬間遥香はすごいスピードで走り出しその後後半バテて終わった…
前半特化方なのか…?
「う〜後半無理…」
「まぁバテるのは体力の問題もあるからこれから体力付ければ良いだけだよ」
「そうか〜私頑張ってみる!」
いつか遥香の後半も完璧な走りを見てみたいな…
32話を読んでくださりありがとうございます!遥香の後半…蓮斗は違和感があるみたいですね。あと一押しで治りそうです!次回も楽しみにしていてください!




