深夜コウソク2 深夜拘束
白み始めた空。目の前にはどこまでも続く水。白いラインが不規則に規律を持って描かれる。
「…海だ!」
ついに過酷な旅がその目的地へと辿り着いたのだ。
掬った水は確かに、確かに、塩の味がした。
日が昇る。
初めての海、海岸は身を隠すところは何もないところであった。
初めは遠くからこちらを見ている悪魔が単独でいただけだった。
目的の場所へと辿り着いた安堵が、結界の力が判断力を鈍らせた。
舐めていたのだ悪魔の存在を。以前の弱さを引きづっていたのだ。
すぐに逃げるべきだった。一目散に体力の続く限り。
立ち止まってしまった。それほどまでにこの海への感動は判断を鈍らせた。
気づけば、武装をした、以前の遭遇したのとは明らかに違う精鋭の悪魔の存在達に3人は囲まれていた。
すぐさま矢の雨が降ってきた。恐ろしいことに回避した先を読むような軌道であった。棍棒には既に矢が何本も刺さっている。奪われた体力に鞭を打って可能な限り避けるが、既に体からは血が流れている。
こちらの動きが鈍くなったのを確認したのか、精鋭の悪魔達は近寄ってくる。
リアムが炎を吐こうとしたが、出なかった。結界の力はそんなところも奪ってしまうだ。すでに葉月は魔法を唱えていた。出ないのだ、この領域の中ではやはり魔法は出ないのだ。
出ないハズの魔法だが、悪魔達は魔法を放ってきた。踊るように致命傷を避けるように逃げるしかないのだ。
槍と剣を構え、精鋭の悪魔達は距離を詰めてくる。
分銅のついた鎖が無数に放たれた。
それは石を砕くような攻撃と、獲物を確実に拘束する恐ろしい武器であった。
分銅が当たり、鎖が巻きつき、鈍い音が連続で響く。
3人は完全に取り押さえられた。抵抗する力はもうない。
チラリと敵の顔を見た。
悪魔は悪魔の顔をしていた。




