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不安 2

ここらへんから徐々にSF色強くなっていくと思います。自分でも何書いてるか分かんないぐらい難しくなってくると思うので読んでくれている人いましたら頑張ってください。

(急にどうしたっていうの?)

(コースケ何があったんだ?)

(博士久しぶりだな)

(脳波が暴走してるな。今までは何もなかったのに……テストでも異常はなかったはずだが)


(なんだ?声がめっちゃ聞こえてくる……)


意識はあるのに目が覚めていないという矛盾に戸惑いを隠せないコースケは、異常に肌寒い感覚を覚える。


(どこだここ?博士の声も聞こえるけど……何で?周りが見えない)


真っ暗闇の中、頭に直接響いてくる声を聞いていることしかできなかった。

さっきレイと学校の休み時間に話をしていたところまでは覚えていた。

その先のことは何も覚えていない。


(何の話してたっけ……)


少し心臓の鼓動が早まるのを感じる。

手と足の先端まで神経がヒリつくような感覚。

それに反応するかのようにじわりと汗が滲み出てくるのも感じ取れる。

緊張でも恐怖でもない、形容しがたいなんとも言えぬ不思議な感覚の闇の中、コースケは1人漂っている。


(あ、そうだ)


少しずつ、意識を失う前の事を思い出し始めたコースケの鼓動は少しずつ、またほんの少しずつその拍動を早めていく。


(レイと……ゾンビ化、を、止めないと、って……)


「…………と」


聞き覚えのある声が頭の中に、どの声よりもハッキリと強く聞こえてくる。


「……ねえちょっと」


コースケはその言葉になんとか耳を傾けようとするが、闇の中を漂うだけでどうにもできない。


「聞いてるの?ねえちょっと」

「はっ……?!」


コースケは目を覚ました。

なぜなのか人気の無い公園のベンチに座っている。

辺りには黄色や茶色い落ち葉が少し散っており、公園に生える木々の葉は暖かい赤色や橙色に染まっている。


「え……何これ」

「やっと意識が戻ったのね。うふっ、その顔もかわいい」


そしてベンチで座る隣にはなぜかレイがいた。


(教室じゃない……?てか何で秋……まだ夏のはずだろ?それに何で隣にレイがいるんだ?か、かわいいって何だ?しかもうふっ、て……何がどうなってる?)


「えっ、と、レイ……さん、だよね?」

「もう、今更何言ってるの?私はレイでそっちはコースケじゃない。記憶喪失か何かなの?ここ最近様子がおかしかったけど」


もうコースケには何の話かさっぱり分からなかった。

この世界は夢にしてはあまりにリアルすぎる気がした。

実際に自分の意識があり、体を動かして話すことができる。

現実としか思えないが、こんな記憶は現実にはない。

そもそも、秋の時点でまだ訪れていない時間を過ごせるわけがない。

まだ高校1年生で入学したばかりで、知り合って間もないレイと秋を過ごしたことなどあるはずがないのだ。


「え、どういう……っ、また頭が……」


また激しい頭痛がコースケを襲うが、気を失う前のとは違う、どこか心地良さを感じていた。

頭が脈打つ度にコースケの中に様々な情報が流れ込んでくる。

それは全てありもしない記憶だったが、本当に体験したかのような思い出やその当時の感覚、感触を鮮明に思い出すことができた。


「どうなってる……?」

「どうしたの?また具合悪い?」

「またって?前から悪かったっけ?」


レイはコースケの前髪を上げて少し冷たい手をコースケの額にそっと当てた。

コースケは突然の事に少し頭を退けた。


「何で避けるのよ。前はこんな感じじゃなかったのに、私たち付き合い始めてからコースケ何かおかしいよ」


コースケはその言葉に耳を疑った。


「はい?」

「だーかーらー、私たち付き合い始めてからコースケの様子が変なの!何回も言わせないでよ……」


レイが頬を赤くして少し照れているのを見て、コースケも無意識に頬を赤らめていた。


(え?付き合ってんの?俺とレイが?え?)


そこにまた頭の血管が脈打つのを感じると、ある記憶が蘇ってくるのを感じた。


夏祭りで花火を2人で見ている時、レイが花火を見ながらボソッと何かを呟いた事。

それを聞き返したコースケに、今度は面と向かって何を言ったか説明するレイの顔が、体験したことないはずが、ハッキリと頭の中に浮かんでくる。

徐々に赤らんでくるレイの顔を見て、自分も手を震わせながら勇気を振り絞って告白したあの時の情景が、コースケの頭の中に焼き付いて離れない。


「うん、なんかごめん……」

「悩みがあったらいつでも言ってよ。思いを分かち合うのが付き合うってことでしょ」

「そうだね、確かに」


なぜこんな事になっているのか全く見当もつかなかったが、この状況でも悪い気はしなかったコースケは受け入れる事にした。


(何日かしたら色々わかってくるかもしれないしな)


「じゃあそろそろ行こっか」

「えと、どこ行くんだっけ」

「駅の近くにできたカフェ行くって約束したじゃん、もう、ホントに大丈夫なの?」


コースケは頭の中を整理しながら立ち上がろうとすると、今度は激しい目眩に襲われた。


(立ちくらみにしては、ひど……すぎる、な……)


「コースケ?ちょっと、コースケ?!」



そして目を開けたときにはまた闇の中に1人放り出されていた。


(もう、どうなってんだよ?)


闇の中をフワフワと漂っていると、前から1人誰かがゆっくりと近づいてくる気配を感じた。


(ここ人いるのか?)


その誰かはもっと近づいてきた後、コースケの方をじっと見て通り過ぎようとしたが、コースケはその人の顔を見て開いた口が塞がらなかった。


「ちょっと、待てよ」


通り過ぎようとした人は止まり、ゆっくりと振り返る。


「何だよ、最近変な幻覚とか頭痛とかひどいと思ったら、全部お前のせいだったんだな。で、お前は誰なんだ?」

「そっちこそ誰なんだよ……?なんで――」


コースケは体が震えていた。

その目の前にいる人は、誰が何と言おうと自分と全く同じ姿形をしていた。


「――俺がもう1人いるんだよ?」

「知るかよ。こっちが聞きたいね」

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