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クラスメイト 1

ちゃんとフィクションですよ?エンタメですよ?

「えっ」


レイは思考が完全に停止し、その場でフリーズしてしまった。


「え?」


コースケはなぜその場から動かないのか分からず、人を間違えたかもしれないと冷や汗をかいた。


(私?今私の方見て指さしてた?なんでバレてるのよ……?あっ)


4枚ある紙の3枚目を見て、レイは深く落ち込んだようにため息をついた。

能力を理解していたのに、常時思考を読まれているというところまで考えが至っていなかったようだ。


(あれで実はバカなのか?)


コースケは口角を上げ鼻で笑った。


レイは紙を机にトントンと軽く整えクリアファイルに仕舞うと、4人が集まっているところに歩いてきた。


「どうも。レイって呼んでもらって構わないわ」


「お、おう……」

「え、えっ?」

「あ?」


コースケ以外はいきなり女子が出てきてビビっていた。

とりあえずこちらも名乗るべきかとシュウが話そうとすると、レイは手を顔の前に上げ、その必要はないという。


「色々複雑なんだけど、あなたたちのことはある程度把握しているの。自己紹介の必要はないわ」

「「「えぇ……」」」


コースケはレイにいきなり質問を投げかける。


「まずシンプルに何者なの?俺らのこと知ってるし、何かと関係してるよね」


レイは右斜め上をぼんやり見つめた後、またため息をつく。


「まあ結局こうなるとは思っていたし。何なら思ってたより早かったわね」

「どういう事だよ、何を言ってる?」


コースケは無駄に焦らすレイに少し苛立ちを覚えた。

レイは落ち着いた様子で淡々と話し続ける。


「逆に単刀直入に聞くわ。あなたたちは政府の日本侵略計画については知ってる?」


その言葉に頷いた4人は胸がざわついた。

互いに顔を見合わせた後、ゴクリと唾を飲んだ。


「そうね。あれは8年ぐらい前のことよ――」




――政府の中に無視できない話が飛び込んできた。


それは韓国が社会主義国家となってしまった、という話だった。

右派と左派の過激な争いは留まることを知らず、言論の戦いは、気づけば拳の戦いへと変貌していた。

大統領選挙の際、狡猾な左派の手口により左派の大統領が就任し、情勢は一気に傾いた。

防犯カメラ等の不正選挙の証拠はいくらでもあったが、行政機関の人間が皆左派であったならば、それらは何の抑制力も持たないのは当然のことだった。


大統領選挙が終わってすぐ、韓国は北の国と中国、大陸の隣国同士手を取り合っていくと宣言。

そこから韓国は社会主義国家として日本やアメリカとのやりとりが一気に減っていった。


「どうするんだ?このままでは日本が社会主義になるのも時間の問題だぞ」

「といっても我が国はアメリカやヨーロッパの国々と様々な関係を長きにわたって築き上げてきたんですよ?ここで急に国のあり方そのものを変えるなんて……」

「相手が相手だ、政治家ならば誰よりも現実を見るべきだ!」


まだ完全に染まりきっていない台湾の現状もあり、日本に直接的な大きい打撃はなかったものの、これは見て見ぬふりはできるものではなかった。

そしてこれらの出来事はニュースで報道されることはなかったのだ。


「これは……どこかのタイミングで大きな戦いが起こるぞ……」

「我が国が武力行使を……?」

「あくまで最悪の中の最悪のシナリオだ。武力を使わないに越したことはない。それは世界で我が国が一番よく知っていることだろう……」


新たな戦争の可能性が危惧される中、当時の防衛大臣は物怖じせずこう言い放った。


「結局いつの時代も弱者は淘汰されるか、強者にいいように使われる運命……それに抗い世間に存在を知らしめるなら、力で直接分からせるしかないだろう」


一同は唖然とした。


「では君にはどんな策があるというのかね?我が国は核を持たないんだぞ?」


防衛大臣はニヤリと笑う。


「現在とある人物と交渉し、国防における新たな兵器の開発を進めております。これはまだ完全に手探り状態ですので公式的な発表はおろか、こちらでの公表も今は控えさせていただきます」


その場は凍りついた。

ある議員は冗談だろうと言いたげな表情で口だけ笑いながら少し息を漏らす。


「何を言っているのかイマイチよく分からないな。こちらは具体的な策を聞いて――」

「ですから、新たな兵器の開発です。武力がどうとかボヤいている暇などない」


その議員は感情を爆発させ、手元の書類を放り投げた。


「黙れ!我が国は武力行使はしない!そういうのはアメリカにやらせて、こちらは物資の援助や配給、資金の手当てを中心に――」


これに防衛大臣も黙ってはいなかった。

だがその頭頂部が禿げた議員とは違い、冷静に落ち着いた口調で話す。


「黙るのはそっちだろう。いつも何か事あるたびにアメリカアメリカと……我が国は自分で自分を守ることすらできなくなったのか?」

「守るために敢えて戦うなと言っているんだ!」

「他国に良いように使われる都合の良い先進国がどこにある?敗戦国といえどあまりに滑稽だ……!先人たちはこのような日本の為に散っていったわけではない!」


防衛大臣はそう言い放つと静かに立ち上がって議会を後にした。


(どいつもこいつも何もわかっとらん。そんな奴らには何を言っても無駄、私は国の存続のため計画を断行する)


その去っていく背中を丸メガネの財務大臣が腕を組んでじっと見つめていた。


(新兵器開発……決して安く済むものではないはずだが、予算はどうしているんだ?私のところにはそんな話は届いてないし、目的が分からない予算の項目もなかった……)


財務大臣は目を細めた。


「何を企んでやがるあの野郎……」


その丸メガネに反射する議会の光が嫌味ったらしく机の一部を照らし、財務大臣は眉をしかめ一つ大きな深呼吸をした。

少し回想?続きます

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