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増神鴇雅 4

長くなりますけど書かせてください……

科学的なこと何も知らないけどぽいこと書きたいだけで完全にご都合主義です……

そんな力使えてる時点で科学的じゃないのにね、何を考えてるんでしょうか?

自宅に戻った鴇雅は早速薬の案を考え始めた。


(最強になれる薬……最強ってなんだ?具体的にどんな力が最強になれる?その定義は?)


ノートに思いついた要素をひたすら書き出してみる。

そうすると意外にも要素は少なく、二桁行くか行かないかほどの数しかなかった。


(怪力、不死身、飛行能力、未来予知……洗脳とかか?これらがあれば最強と言えるのだろうか?)


ノートにアイデアをいくつかメモしてみる。

ペン先は進んでは止まり、一旦離れてはまた進み、その場で深く紙を押し付け、また離れてを繰り返した。


(最強。それはいついかなる時であろうとどんな相手にも負けることはなく、ダメージすら負わず、瞬きの間に相手を戦闘不能状態にするもの……と定義したなら?)


独自の定義に則り、必要そうな力を新たに書き出してみる。


「攻撃を受けない力、一瞬で相手を葬れる力……怪力か?仮に攻撃を受けた時にはすぐ治る力とか……?目にも留まらぬ速さで走れたら、それはそれで便利かも。後は、絶対的な権力……服従させる力とか、嘘も何も通じない完全無欠の力……この世のものとは思えない、まるで見えない神のような力……これだ!」


ただし、いくらなんでも科学の限界というものもあり、現実的に実現できそうなものを取捨選択していくつかに候補を絞った。


・透明化の力

・相手を洗脳する力

・超高速移動の力

・再生の力

・超怪力の力


これらの力を目標に、鴇雅は持てる時間全てを薬の開発に注ぎ込んだ。


後日、防衛大臣のもとに企画書を作成し提出すると大臣は満面の笑みで鴇雅を称賛した。


「ほう、これはすごい。こんなの世界中どこの国も持ってないものだぞ、もし実現できたなら日本はもう怖いものなしだなぁ」


そう言われて不覚にも嬉しいと喜んでしまっている自分がいることに鴇雅は何とも言えない申し訳無さのようなものを感じていた。


自宅に戻った鴇雅は地下の研究室に籠もり、後はひたすらに試行錯誤を繰り返した実験をする生活を送った。

基本的に研究室から出ることはなく、食事とトイレ以外ではずっと研究に没頭し、自分の皮膚細胞やマウスを使い、日々研究に明け暮れた。


そこから3ヶ月ほど過ぎた頃、鴇雅はあまりに難しい研究であることを再認識せざるを得なくなった。

既にマウスを数百匹犠牲にして実験を繰り返しても、何も進展はなかったのだ。

このままでは犠牲になった動物たちの命も、自分の時間も無駄になってしまうと早くから危機感を感じていた。


「ダメだ……成功する未来が見えない」


当時まだ28歳だった鴇雅には、背負う責任があまりにも大きく、重すぎた。

これは長い闘いになると覚悟を決めた鴇雅は予め防衛大臣に話をつけておこうと3ヶ月ぶりに外に出た。


「かなり時間は掛かるが成功させてみせる。だから早めに瑠雉を解放してやってくれないか。約束は守る」


防衛大臣は鴇雅の全貌を見渡してから、これを了承した。

鴇雅はこの3ヶ月でかなり痩せ細り、ほぼ骨と皮に近い状態で目元はインクで塗りつぶしたかのように真っ黒、その細くなった手足は常に痙攣しており、声もかすれ、せっかくのその美しい髪もゴワゴワのボサボサで目も当てられない状態だった。

防衛大臣はこの鴇雅に少し心揺さぶられたようだった。


「分かった」


その一言だけ放ち、大臣は帰りの車を手配すると、静かに部屋を出ていった。

車で自宅まで送られた鴇雅は、大臣には意外に優しい一面もあるのかと疑問に思いながらも研究の続きを始めた。

完全に行き詰まった鴇雅は机に伏すと、あっという間に眠りに落ちてしまった。


「はっ…………!」


起きると、帰ってきた時には5を指していた短針がまだ5を指している。

だが日付は1日過ぎていた。


「まあ久しぶりによく寝た……から良しとするか?って、進展がなさすぎる」


起きるや否やまた頭を抱えてブツブツと独り言をこぼし始めた鴇雅は、頭が重く鈍器で殴られたようなズッシリとした痛みを感じた。

その痛む箇所は脈のリズムでキリリと鴇雅の神経を刺激する。


「生活習慣のツケが今回ってくるとは……頭が……割れる…………?!」


ここで鴇雅は閃いた。


「そうだよ……生物は皆基本的に脳の命令に従って動く。つまり脳そのものを変化させることができれば……脳の変化を利用して身体との相関関係をうまく利用できれば身体全体を変化させることだって……」


鴇雅は手始めに細胞の光透過率を変化させる薬に取り掛かることにした。

マウスの入った透明な箱を用意し、麻酔ガスを内側に噴出させ眠らせると、まずは適当な体の部位から細胞を摘出する。

そしてプレパラートに乗せると、電子顕微鏡でじっくり観察しながら実験を始める。


「光を通過させる……ただし実体としては確かにそこに存在する。ただ光の反射をゼロにできれば……」


それだけを考え、ありとあらゆる手段で細胞をイジり続けた。


それから約2年後、ついに実験の成果を目の当たりにした。

プレパラートに乗せている細胞に何千回も作り直した薬品をかけると、かけた箇所から細胞が消えていく。

鴇雅は歓喜の叫びをあげた。

そして後は同じ薬をマウスに注射し、経過を観察することにした。


麻酔から覚めたマウスに鴇雅は色々とちょっかいをかけてみた。

つついたり、大きな音で驚かせたり、机を揺らしたり、などなど……大人としてはみっともない限りだったが、いずれもストレスや恐怖などを感じたときにはマウスはその姿を完全に消した。


「常にではなく、特定の状況に応じて体全体の透過率と屈折率をも変化させている……すごい……」


マウスは半透明になったり、光だけが移動して箱の外で浮いているように見えたりすることもあった。


ついに完成した薬は、"透明化"の薬ではなくなったが、結果としてより多くの機能を有したものとなった。

ついに1つ完成した鴇雅はウキウキだったが、あと4つも違う種類を作るとなると先が思いやられてならなかった。

この時すでに鴇雅は31歳で、前代未聞の薬を作るのに約3年ほどかかったわけだが、これはかなり早い方ではあるにせよ、他の薬は難易度がもっと高いかもしれない。


「一度引き受けたんだ、今更辞めれるか」


だがこの通り鴇雅は諦めることはなかった。

そこから更に約8年という、薬開発にしてはあまりに短い期間で残りを完成させた。

それは計画通りのものではなかったが、結果としてそれ以上の機能を得られるものだった。

鴇雅は急いで支度をし、約11年の成果を防衛大臣に報告しに行くことにした。

ごめんなさい。

残りの薬開発過程のとこ超端折りました。

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