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増神鴇雅 1

ある日、1人の科学者のもとに電話が掛かってきた。

その科学者はすぐさま電話に応じ、話を終えると満面の笑みを浮かべて喜びに震えていた。

電話は政府のとある役員からのもので、その頭脳を国の為に役立てる気はないか?とのことだった。

宮司の家庭に生まれながらも、神や祈り、宗教……そういったものを一切信じず、周りから反対されながらもただひたすらに"事実"を、"科学"を信じ続けて歩んできた道が、ついに実を結んだ瞬間だった。


 増神(ますがみ)鴇雅(ときまさ)——1000年に一度の大天才、科学の申し子、菅原道真の遣いなど様々な二つ名を付けられた、その鴇の羽の様な美しい髪を持つ男は、またその唯一無二の美貌故に女性人気も高く、当時はなぜアイドルが科学者なんか、なぜ政府関係者にアイドルがいるのだと、政治界隈をザワつかせた。

だが彼は科学を一途に愛しただけの正真正銘の"博士"だった。

それがついに公に実力を認められたというだけのことだった。


後日彼は電話の役員の指示にあった省庁に出向き、その大臣を始め、各官僚に挨拶をして回った。

彼はその幅広い知識を活かし、特定の省庁に限らず、時と場合によって各省庁を転々とする特別指定科学アドバイザーとして任命されたのだった。

こんな仕事は歴代でも彼が最初で最後だろう。

この1人の男が日本を世界一の大国に押し上げてくれる、これで我が国は安泰だ、そんな期待を政府関係者は皆で口にするのだった。

数十年後、世界を混乱させ戦争を引き起こす原因となってしまうとは知りもせず……


その日も太陽が沈み空が黒くなってきた頃、一通り挨拶を終えて帰っていく鴇雅を見送った政治家たちはさっきまでの期待とは真逆に文句を言い始めた。


「なんだよ、あんな若え見た目だけいい奴が入ってきやがって。国の為に働けんのか?政治家舐めてんだろ」

「全くだ。ペコペコ挨拶だけは一丁前ですぐへこたれて使い物にならなくなんのがオチだな」


とっくに還暦を過ぎた政治家たちに、電話をした少し若い役員がなだめるように話す。


「まあまあ。彼はしっかり結果を残してきていますし、その実力も本物。世界でも類を見ないその知識量を使わない手はないでしょう」


政治家たちは不満を漏らしながらもへへへッと適当に笑いをこぼす。


「ま、ああいうのに限ってよく働いてくれるんだろうからなあ」


そんな事を言われているとはつゆ知らず、鴇雅はこれからの仕事に一人胸を高鳴らせながら家へ帰るのだった。

これらはあくまで自分で勝手に作ってるおはなしです。科学的なことは何一つ言ってませんし、そういう仕事も知りませんし、全部作ってるものなのでそういうものだと思っておいてください。ぜーんぶフィクションですし、シロートが面白半分で書いてるモノなので前と後で設定が違ってたり矛盾点があることも増えてくると思いますが、まあシロートだもんな……って思ってください。

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