プロット
・山田
高校生の男子。
普通の性格で、特別な特徴はないが、なぜか異性にモテる。
夜美乃に強く好かれているが、彼女の本心が読めず、時折恐怖を感じている。
基本的に常識人で、できるだけ波風を立てずにデートを乗り切ろうとする。
可能なら嫌われたいと考えている。
夜美乃がヤンデレと思っているが、本当にそうなのか確信が持てない。
・夜美乃
山田と同じ高校に通う女子高生。
黒髪ロングで白いワンピースが似合う、清楚な美少女。
口調は柔らかく、時折甘えたり、寂しそうにしたりする。
しかし、その言動にはどこか異常な部分があり、山田に対する執着が強すぎる。
ただし、ふとした瞬間に「普通の女子高生」のような態度を見せることがある。
本当にヤンデレなのか、それとも演技なのか、不明。
※実際は「山田がモテるため、他の女を遠ざけるためにヤンデレを演じている」。
舞台
とある公園(休日の昼~夕方)
遊具やベンチ、売店がある広めの公園。
家族連れや子どもが多く、平和な雰囲気。
だが最近、この公園の近くで女性による刺殺事件が発生しており、まだ犯人が捕まっていない。
その情報がデート中に警察官から語られ、山田をさらに不安にさせる。
《プロット》
休日の昼、公園の入り口で山田は夜美乃を待っている。
山田は、彼女が「普通に」来ることを祈る。
夜美乃が少し遅れて到着。白いワンピースに黒のカーディガン、優しい笑顔。
「待たせちゃった?」と声をかける夜美乃。
山田は「今来たところ」と返し、心の中で安堵する。
だが夜美乃は、ふと「ちゃんと私のことだけ見てくれるよね?」と低く囁く。
不安を覚えながらも、公園へと向かう。
二人で公園を歩く。子供たちが遊ぶ平和な光景。
夜美乃は「なんだか新婚さんみたい」と冗談を言う。
山田は「いや、俺たち付き合ってないし」と流す。
夜美乃は「そうなのかな?」と意味深に笑う。
ベンチに座り、夜美乃は山田の手を握る。
「ねぇ、山田くん、ずっと私のそばにいてくれる?」
その言葉の裏にある「もし裏切ったら?」の意味を考えてしまい、山田は曖昧に返事する。
公園を巡回している警察官が二人に話しかける。
「最近、このあたりで女性による刺殺事件があったんだ。犯人はまだ捕まっていない」
山田はゾッとする。
夜美乃は無表情でそれを聞いている。
「こわいね」とぽつりと呟く夜美乃。
そして「もし私が捕まったら、どうする?」と微笑む。
「……冗談だよ?」と夜美乃は笑うが、山田の背筋が凍る。
夜美乃は山田を見つめ、「私のことだけを見てくれるよね?」と再確認する。
山田は適当に流そうとするが、夜美乃が「もし浮気したら……どうしようかな」と囁く。
しかし、直後に「あ、アイス食べに行こ?」と普通の女子高生のように振る舞う。
山田は「……本当にヤンデレなのか?」と疑問を深める。
アイス売店に到着。山田はソーダ、夜美乃はバニラを選ぶ。
夜美乃は「おそろいになると恥ずかしいから」と違う味にする。
「山田くんの味見したい」とスプーンでアイスを差し出す。
渋々食べる山田。夜美乃は満足げ。
ふと、「もし山田くんが他の子とこんなことしてたら……どうしようかな?」と夜美乃が呟く。
山田は黙るしかない。
夕方が近づき、山田は「そろそろ帰るか」と提案。
夜美乃は「もう帰っちゃうの?」と寂しげに言うが、最終的には笑顔で別れる。
その笑顔が「本物の寂しさ」なのか、それとも「演技」なのか、山田は分からない。
夜美乃の言葉を慎重に受け止めながら、なんとか機嫌を損ねずに会話を続ける。
山田は「夜美乃はヤンデレじゃなく、ただ独占欲が強いだけ」と信じようとする。
夜美乃は最後に「今日、楽しかった?」と微笑む。
山田は「……ああ」と答え、なんとか無事に帰宅する。
エンド①
時は流れ、20年後。
山田と夜美乃は結婚している。
夜美乃は普通の主婦として描かれる。
「ねぇ、山田くん、今でも私だけを見てくれてるよね?」と聞く夜美乃。
以前と違って、山田は迷わず「当たり前だろ」と答える。
実は、夜美乃はヤンデレを演じていただけだった。
山田は他の女性に目移りすることもなく、今では心から夜美乃だけを愛している。
二人は幸せに暮らしている。
そして、物語は静かに幕を閉じる。