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5:Cさん、Aを狙うって side ケー

side ケー君


午前授業の中、俺はAやオーと林間学校の女子グループの話題をしていた時の事を思い出す。


ありゃ、明らかにC、見てたよなぁ…


Aは入学して暫くはCとの件で噂が出ていた事がある。

何かとクラス内で2人が仲良さそうに話している姿が見られたからだ。

それも女子生徒以外ではボディータッチは控えめなCがAには腕を掴んだり、手を引いたり…


一時期は仲良くなりたい男子生徒のやっかみで、Aを引き合いに会話をしてCに絡んでた奴も居たくらいだった。


今は余りクラスメイトが居る中でのボディータッチは()()()()()()()()()、モブ君に優しいCさん評価で落ち着いた。


あの時期は席替え直後だったな…

偶々、座席も近いしって話してみたが面白い奴らで他と違って変に裏表隠してスレてねぇんだよな…

他の奴も悪い奴らじゃねぇけど、やっぱ少し気のおけない仲とは違うわな。


と、思考がぶれ始めた事に気付き、改めてAの希望女子グループに考えを向ける。


どうすっかな…Cって確かまだ決まってねぇとは他の(クラスメイト)らから聞いてるし、フリーではあるんだろうが…


授業中だが、目立たずにやり取りするなら今しかねぇわな。


こそこそとリングノートの替え1枚を取り出し、手のひらサイズに切り分けて『林間、Cってフリー?』と書く。


そして丸めたら…

(ボール)を相手のゴールにピンッ!!

超エキサイティンッ!!!


俺の計算によれば、少し猫背で前傾姿勢な隣の彼女の下顎にカーブを描きヒット!

そのまま板書書き取りしてる手元に落ちる寸法よ!


いっけぇええ、青龍(ただのかみ)!!!


綺麗なカーブを描き始め、左上から右下の位置の顎を目掛け…

スポっと音がするかの如く綺麗に上ボタンが開いた制服の胸部分に収まったようだ。


嘘だろ…?

少し巫山戯たテンションで狙ったとはいえ、そんなミラクル起きて、まさかのそこに入る?

しかも気付かれてねぇし…


馬鹿やってねぇで、隣の席だし普通に文通しようか…

『すまん、胸の上、紙』

紙は開いたまま机に置き、シャーペンの背中でコンコンと軽く叩き、隣の女子生徒の四方愛(よもあい)に気付かせる。


少し恥ずかしそうに胸の上から紙を取り出し、自分の顔を指差すアイ。

コクリと頷き、返事を待つ。


3分経過、まぁCと親しいから勝手に言って良いか悩んでるのか?返事を待つ。


5分経過、長文でも書いてるのか?返事を待つ。


10分経過、Cにでも確認取って遅れてるのか?返事を…

いや、長いって…!


もう一度、同じ事を紙に書いて渡す…

今度は直ぐに返ってきた。

『C狙いなら引っ込んでろ、ボケー君?』


「く、このっ…」

思わずその先も声に出して反論しかけそうになるが、Aに関わる事だ…落ち着け…


上手く話し合いの場を設けないと…かと言ってぞろぞろCのグループ行ったら目立つからな…


『そうじゃない、AがCとだったら他の女子よか付き合いあったから聞いてんだ。別に俺等に無理に林間付き合えとか、誰それ狙いだって事じゃねぇよ。あくまでも提案だ、提案。』

『”林間、Cってフリー?”、なんて書かれたら誤解するに決まってんでしょ。で?フリーかどうかなら、フリーよ』


『んじゃ、次の休み時間にお前等集まってる中に話しにいくわ』

『たくっ…林間、男女グループって面倒よねー。こっちはあれから引っ切り無しよ…』

『まぁなー…Cは当然として、お前等もモテるだろうからなぁ…』

『そういうケーだって誘われはしてんでしょ、交友関係は広いんだし』

『俺が良くても…っと休み時間にな…板書書き取らねぇと』


それを最後に文通を終わらせ、いそいそとノートに書き取る。



授業が終わり、Aはオーに連れられてトイレ(つれしょん)へ行くようだ。


Cの友達はCを中心に、イスを寄せて集まり出す。

今ならクラス外からは呼ばれたりもしないし、ぱぱっと提案しちゃいますかね。


「C、悪いんだけどちょっと良い?」

「なにかよう?ケー君」

「林間学校なんだけど、フリーって聞いてさ?どうだろ、一緒に」

「は…?」


やばい、なんか一気にCが嫌そうな顔して周りの温度が下がったな…

やらかしたか?AとC、仲良い姿は時々見かけてたから誘ったんだが…


「え、A、が…他の女子だと気を使っちゃって楽しめないかな、って…その、悪かったな…」

「あ、え、A君…?えっと、ケー君個人と云々の話じゃなくて…?」


「すまん、グループの話…俺、オー、Aのグループだよ。無理なら別に良いんだ、流してくれ」

「そ、そっか…勘違いしてごめん…最近、他クラスの男子からも、その…そういう目的(イベントでハメはずし)で林間のスキマ時間で一緒にーって話が来たりしててさ…」


少し間が空いた所で他から声が上がる。


「でもさー、別にその手の男子だけじゃないし、Aの為にCが付き合う必要もなくねー?そもそも、まだうちらでもどう分かれるか決めてないしー」

そう発言したのはCの友達、六反園茶々(ろくたんぞのちゃちゃ)だ。


改めてCの友人達を見回し提案をする。

「あぁ、俺としても出来ればって話なだけだから、無理なら遠慮なく断ってくれ。オーもAも、もちろん俺も、純粋に友達と気兼ねなく林間楽しみたいだけだからさ」


そう言って席に戻った俺は、手短にノートの切れ端に『女子グループC誘った』と書き、暫くしてAを連れて戻ったオーに手渡した。



その後、午前の授業が終わり、お昼休みに入りAが購買に向かったタイミングでCから声がかかった。


「私以外、まだ決まってないけど…私は、さ、参加決定で!他2人は私達で決まり次第、後で伝えるから!」

少し教室内でざわめきは起きた気がするが、意識をCに戻す。

「おう!サンキュー、C!」


他はCの友達で誰が参加するかは分からないが、少なくともCは参加確定で、Aが喜ぶ顔は見られる、と安堵した俺は笑顔で頷いた。

次回もside予定でA君は間接的にしか出ない予定です。

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