第3話
負のエネルギーというのは、動物には備わっていないエネルギーの一種だった。
このエネルギーの詳細を辿っていけば、その性質としての実態は思考の中に生まれる“熱エネルギー”とみなすことが可能であり、選択をする上で必要となる“自由度”や“可能量“に生じる細胞内の分子運動が、負のエネルギーの核となる部分に密接に関わっているとされる。
…ああ、自分で言っててややこしいな
長々と喋って申し訳ない。
要点を述べろって?
そうは言ってもだな、色々と端折ると逆にややこしいだろ?
「幻獣」っつーのは、人間のように理性を持つ動物特有の「言語」であり、「選択」であり、「思想」であり、「自由度」そのものだ。
単純にそれだけを言ったら、わけわかんなくて頭がパンクすると思ってだな…
俺だってまだ、いまいちよくわかってないんだ。
自分が人間なのか幻獣なのかわかんなくなる時だってあるし、そもそも“幻獣“ってなんだよって話ではある。
人間の分身なら、そのまま「分身」で良くね?ってかんじだよな?
まあ、別に呼び方はなんでも良いんだ。
幻獣って言い出したやつが単に思いついただけだろうし、改名する余地はいくらでもある。
人間だろうが幻獣だろうが、ようするに見分けがつくような言語に置き換えてるってだけで。