あらすじ兼彼の独白
この話、投稿するか迷いました。数か月。
舞台を王国にしてしまったせいで、わからないことだらけです。
王様って何してる人!?王制って何!?
と、書きながらわけわかんなくなり、結局、リアリティやつじつまなんて非現実的なものは捨ててノリで書きました。(いつも通り)見直しもあんまりしてないから誤字脱字も多いぞきっと!
苦情は一切受け付けません。いつも受け付けてないけどね!!
というわけで、あらすじですが、今回はアグネ以外の視点でいってみました。
兄はすごい人だった。
強くて。
頭が良くて。
頼りになって。
何でも出来る。
俺はそんな、俺とは正反対な兄が、
大嫌いだった。
海に落ちた俺が流れ着いたのは、とある海辺の村だった。
たまたま助かったのか、意識のないまま死に物狂いで泳いだのか。それは覚えてない。
気がついたら海藻まみれになって、女の子に拾われていた。
その子の名前は、アグネ。いや、その子なんて言い方は失礼かな。相手は十九歳。俺よりひとつ年上なんだから。
俺が流れ着いたのは、スズランという村で、アグネはそこの『白の魔道師』だった。
この魔道師につく白とか緑とかの色の意味は俺にもよくわからない。光とか回復の魔法が使える人は白、風や植物の魔法は緑、と、なんとなくイメージでつけているらしい。
魔道師は、色ごとに世界に一人ずつしかいない、貴重な存在だ。
なのに、村でのアグネの扱われ方はひどいものだった。
初めて彼女を見たとき、アグネはとても痩せ細っていた。
ろくに食事も与えられず、魔物が出たときも村人からの助けは一切なく、一人で対処させられていた。白の魔法は回復や防御が主で、攻撃魔法が少ないのに。
けれどアグネはそれでも頑張っていた。俺と出会ったその日も、魔物を相手に一人で戦っていた。
俺は悲しいかな、少し走っただけでも倒れる虚弱体質で、魔物と戦うアグネを助けようとしても、何の役にも立たなかった。
すると、そこに文字通り飛んできて、魔物の頭を直撃したのは、一振の剣。というか、剣の突き刺さった岩だった。
俺の目の前に来たので、思わず岩から抜いてみると、何故かアグネに怒られた。
実はその剣は、村に伝わる伝説の剣だったそうだ。
そこに偶然村にいた緑の魔道師、フェルネラード=フォン=エルデがやって来た。彼は、大国ファームで宮廷魔道師をしているらしい。
彼は言った、伝説の剣を抜くことが出来た俺は、千年前の勇者の生まれ変わりで、次の国王になる資格があるのだ、と。
そんな馬鹿な。
虚弱体質でまともに剣も振れない俺が勇者の生まれ変わり?しかも時期国王?
いや、そんなわけないだろう。自分が誰かの生まれ変わりとか、そんな実感は何もないし。
しかし、フェルネラードは構わず、俺に王都に来るように言った。
正直、勇者云々はともかく、その申し出自体はありがたかった。
俺の目的地は元々王都だったし。俺はこの体質。一人で辿り着けるかは不安だったから。
というわけで、多少気は咎めつつ、俺は、フェルネラードの申し出を受けた。嬉しいことに、アグネも村を出て、魔道師として王都に保護されることになった。
というわけで、今俺たちは王都へ向かう馬車の中にいる。
王都はもう目前。ここまで来るのに、俺の体調不良のせいで何度も足止めしてしまって申し訳なかったけど。
俺は馬車の窓から外に目をやる。
窓の外には、古いけど、歴史を感じられる綺麗な城が見えた。
王都、か。
···少しでも何か掴めれば良いけど。