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5,いいところには邪魔が入るのがお約束

どうも皆さんおはこんにちばんは!怪物mercuryです!

あらかじめ予告しますが、このお話を最後に、この作品は失踪します!

理由は伸びないからです!

最後までお付き合いくださいませ!

「ん?」


「いや、だから、なんで車を知っているんだ?」


「あはは、よく聞こえなかったなぁ。」


 笑い方、目線、仕草。それでは嘘をついていますと叫んでいるようなものだぞ。


「だから、なんで雪山の中の話をしているときに車が出てきて不審に思わなかったんだと聞いているんだ。」


 その時だった。


 遠くから、大きな咆哮と衝撃が飛んできた。聞こえてきた声的に……こちらの世界に来てからは、知識としても見ていなかった、牛のそれだ。


「こ、これは、山の主だ!」


 カノンが叫ぶ。


「なんだその、山の主ってのは。」


 まさかとは思うが、せいぜい大きい牛だろ。そんなにビビることはないだろうに。というか、この世界には「スキル」がある。俺の「不死鳥(フェニックス)」なんかはレアだが、メジャーな「剣術」「槍術」「弓術」などのメジャーで普通に強いスキル持ちが倒してくれるだろうが。


「聞こえてきた声的に、巨大な牛ってところだろ。そんなのにおびえてごまかそうったって、そうはいかないぞ。」


「違うんだ!あれはそういうレベルじゃない!声が聞こえる範囲に来たら終わりと言われてる巨大サイズなんだ!」


 体の震えはわずかわざと作っているものではない。目線は恐怖を示して下を向いている。


「おそらく、人づてになるにつれてサイズが肥大化していっただけだろう。そこまで心配するな。」


 そんな生物が存在するわけがない。このままじゃらちが明かないので、とりあえず一緒に逃げることにする。


「じゃあ、外に出てサイズを見て、ヤバそうなら逃げよう。それでいいな。」


「う、うん……。」


 まったく、世話の焼ける奴だ。まさかとは思うがこいつが逃げたりはしないよな。牢獄まで戻って、父さんを開放して、逃げる。この一連の作業をこなすには、こいつの、というよりこいつのフェンリルの力が不可欠だ。モンスターに乗れるなんて簡単な才能じゃないしな。


「そういえば、お前のスキルはなんだ?これなら答えられるだろう。」


 一応、「山の主」とやらと戦闘になった時のために聞いておく。こいつのスキルが動物と話ができる、とかなら便利なことこの上ないからな。


「俺のスキル?まあ、お前になら教えてもいいけど……。」


 この世界では、スキルは他人にはなかなか教えない物らしい。俺みたいに危険だから公開される場合や、さっきの「剣術」その他のようにメジャーすぎるものもあるが、たまにとんでもないレア物が混ざっているらしい。


 父さんのスキルも、名前やなんかは詳しく教えてもらってないが、相当レアで強力なモノらしい。


「俺のスキルは、『誤射回避』っていうんだ。自分を味方と認識している相手の攻撃が当たらない地味スキルさ。」


 なるほど。確かに地味スキルになりうるかもしれない。普通なら、味方と認識している相手を攻撃したりしないからだ。


 だがこのスキル、俺と相性がいいぞ。それも尋常じゃなく。


「おい、俺と一緒に行動しないか?」


 つまりこいつを味方と認識している限り俺の不死鳥(フェニックス)が当たらないっていうことじゃないか。他のどんなスキルよりも使えるぞ。


「はぁ?な、何言ってるんだお前は……。……まるでそれじゃカップル……。」


「何ごちゃごちゃ言ってるんだ?それより主だか何だかを見に行くんだろ?」


「はっ!そ、そうだよ、お前が変なこと言うから。」


 俺は何も変なことなど言っていないと思うが、まあいい。


「いくぞ。」


「ま、待って!」


 宿屋から外に出ると、いつの間にか真っ暗になっていた。


「もうこんな時間か。」


 道々を人々が逃げまどっている。


「ほら、暗い時間に女子がこんなところを歩き回ってたら何があるかわからないぞ。早く帰ろう。」


「いや、こんな時間って、まだ昼だよ……。」


 ならどうしてこんなに暗いんだ?異世界の気候条件はあまり詳しくないが、極夜的なものだろうか。


 俺の雑学シリーズも異世界に来ればまだまだ捨てたもんじゃないな。


「ちょっと、おい、あれを見ろよ。」


 カノンが手を引いてくるので、そちらを見ると、図太い塔が立っている。それも、山よりも高く。


「あれ、あんなところに塔なんてあったっけ?地面からせり出してくるタイプか?」


「ちげーよ!あれは足だ、足!牛の足!」


「何言ってるんだカノン、あんなサイズの生物……。」


 いるわけない、と続けようとしたが、目の前にいた。でかすぎるだろ、このサイズ。


「モオオオオオオォ!」


 ちっともかわいくない牛の鳴き声が響き渡る。山間部だからか、やまびこまで帰ってきてうるささ倍増だ。


 めしゃめしゃめしゃっ!


 おそらく、隣町のものであろう家が、一口の干し草のように食べられる。


「なあ、隣町までどのぐらいの距離だ?」


 俺がきくと、


「だいたいフェイルで半時間ぐらいかな。」


 あのフェンリルは、少なくともペーパードライバーの俺が教習所で乗ったバイクより早かった。つまり、5km以上は離れているな。


「そういや、あの村の住人たちはどうなったんだ?」


「あのサイズ見て気が付かない?踏まれたかうっかりで食われたか……。」


 なるほど、肉食獣が草食獣の臓器の中の植物を食べるというのは聞いたことがあるが、その逆は初めてだ。わざと食われるのはごめんだが、腹の中に入る機会があれば内部を観察できるだろうか。


「さて、それじゃあ、あいつに食われずに、隣村まで行くぞ。」


「何言っちゃってるんだ!?頭がやられたか?」


「いや、いたって正常だ。」


 少なくとも、こんなところで自分を起爆しない程度にはな。


「あいつを倒す。手を貸せ。」


「何無茶なこと言ってるんだ。大体お前、こういう厄介ごとは好きじゃないタイプじゃないのか!?」


 ああ好きじゃない。だが、こいつを放置すれば、父さんがやられる可能性がある。サイズ感的に、牢獄なんてこの牛にとっての目と鼻の先だろう。


「仕方ないだろ。それより、あの牛についてわかっていることを教えろ。」


「そんなこと言われても、わかっていることなんてほとんどないぞ?」


「いいから。」


「あの牛はでかい。よく食う。それだけだ。」


 想像を絶する情報の少なさ……。要するに、何もわかっていないんだな。


「なら、まずは食われてみるか。」


「はぁ!?」


「中から爆破すれば、地表への影響も少ない。」


「まさかおまえ……。」


 こんなの、不死鳥(フェニックス)を使わずに倒せる相手じゃないだろう。そして、使うからには絶対に倒してやる。


「時間がない。行くぞ。」


「わ、わかった!」


 俺はカノンの手を借りてフェイルに乗り、ひたすらに走ってもらう。周りに誰もいなければ、自分の周りに囲いを作ってそこで爆発することで爆風を調整して移動、というのも考えたが、現実的ではないのでやめた。


「ああ、行くぞ!」


ここまで読んでいただきありがとうございます!

いや、本当にありがとうございます。

要望があれば再開するつもりなので、「完結」ボタンは押しません!

もし、まだ読みたいよ、と言ってくれる方がいれば、ぜひ、コメントレビューでお願いします!

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