2,牢獄というか、VIPルーム?
どうも皆さんおはこんにちばんは!怪物mercuryです!
今作、伸びなさそうな気がするなぁ。
すでに嫌な予感が立ち込めている悲しさですよ。
俺の朝は遅い。いや、こういうのは朝が早い人が自己紹介の時に「俺の朝は早い」って言うからウケるっているのはわかっているんだが、本当に遅い。
転落防止柵の付いた布団に近い高さのベッドから起き上がり、看守さんが運んでくるぬるま湯で顔を洗う。冷たすぎると心臓が止まる可能性がゼロじゃないし、熱すぎてやけどしてもよくないからな。
顔を吹くときは熱々のおしぼり……をお願いしたんだが、相変わらずぬるいおしぼりが運ばれてくる。もちろん、風邪をひかないようにしっかりと拭く。
朝飯は栄養バランスを俺が考えて作らせる。自分で献立とか中学生以来だが、この世界の飯はバランスも栄養素も悪すぎる。うっかり早死にならぬ早爆発したらどうするんだ。
このシベリアモドキでの本来の囚人の作業は鉱山堀り。もちろん俺は不参加。
「なあ、看守さん、俺逃げてもいい?」
「い、いいわけないだろうっ!」
普段からすごいこわもてを相手にしている看守さんたちすらこのキョドり様。いや、すいませんね、ほんと。冗談だから安心して。
一番の苦痛は話し相手がいないこと。俺がメンタル的に病んで早死にしたら一大事なので、俺と対等に話したり、軽い悪口を言ったりすらしてくれない。それで一度、
「暇すぎて死にそうだ……。」
とつぶやいたときは、俺のご機嫌取りのために首都で緊急会議が開かれたんだとか。これはイタズラとしては面白いから、週に一回くらいやっている。いつか議事録もらえないかな。国のお偉いさんがどんなこと話してるのか知りたい。
「看守さん、おやつちょうだい。」
たまに俺におやつを分けてくれる人もいるが、それは俺を怒らせて殺されないようにしたい、とかだろう。逆に、万が一毒が入っていたときに困るから、絶対に渡せないという人もいる。
俺が、元の世界で死んだ18歳になるころには、これらのからかいも全部飽きていた。
いい加減、誰かと話したい。ウサギはさみしいと死ぬというが、本当にそんな気分だ。でもこれ、前に言ったら娼婦が送られてきたんだよな。しかも何を言われたのかめちゃくちゃおびえた状態の。
かわいそうだから看守さんに言って介抱してあげたよ。俺偉い。
冬は薪ストーブが部屋にやってくる。この極寒の中凍死したら大変だかららしいが、一酸化中毒という概念はなかったらしい。危うく爆発しかけたじゃないか。
ちなみに夏は何も来ない。ほとんど四季がないこのなかで夏だからってアイスでも送られちゃたまったもんじゃないが。
そして、19歳の誕生日を迎えようというある日、とんでもないことをやらかしてくれた集団がいた。なんかの宗教がらみらしいよ。さすが文明レベル中世。
別に、さみしいことを除けば、俺は不自由していなかったんだけどなぁ。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
物語は次回からまともに始まります!
そうです、次回からが本番なんで、ぜひ明日までお待ちください!