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試練の内容

「やってくれたね〜。まさか送還なんて抜け道があるとは……()()()()よ。まぁ、それで2人になっても試練は変わらないよぉ? それが例え従魔であってもね……もう送還も使わせない。さぁ、どちらが生き残る?」


 そんなもの決まっている。


「もちろん2人共だが?」


 送還するには集中する必要がある。この状況ではもう使えないだろうな。


「強欲だねぇ。まぁいいや、君の後ろにある台座があるだろ? 助かりたい方がその上に乗るといい。そして、乗れなかった方が死んだら試練終了だ。台座に乗った方は恩恵もらって、そのまま外に飛ばされる。OK?」


 俺は振り向いて見てみると、微かに見えるそこには石の台座が置いてあった。


 一応、簡単には聞いていたが、再度聞いても悪趣味だとしか言えない。


「ちなみに一つ聞きたいんだけど、もし俺が一人で来てたらどうなったんだ?」


「ん? もちろん普通に台座に乗っておしまいだよ? 此処での試練って、実は単独では非常に簡単な難易度なんだなぁ〜。ただし、複数人の場合は絶望に変わる。この先、もしかしたら君らにはこういう選択肢が訪れるかもしれないだろ? これぞ試練だねぇ」


 こんな二択とか今後もあったら嫌なんだか。


 決断力でも試されているのか? いや、そんな甘い物じゃないのはシーラさんの話からわかっている。


 やはり、一人で来た方が簡単に終わったのか。


 この誰が生き残るか? という選択は人の本性を剥き出しにしそうだな。


「もう一つ、選択肢があるだろ? お前をぶっ飛ばせば終わるんじゃないか?」


「意気がいいねぇ、いつまでそんな調子でいれるかなぁ? ほぉら、周りをよく見てご覧?」


「「「「キシャァッ」」」」


 壁から奇声が聞こえ、そちらに視線を移すと。


 壁から、この世のものでない人型の魔物が這い出ていた。大人ぐらいの背に頭には角が生え、顔は醜悪。俗に言う悪魔(デーモン)とかいう奴だろう。数はどんどん増えていく。


 けっこう広いと思った広間も、四面楚歌状態で大量に囲まれると狭く感じるな。


 デーモンの中にちらほら体格のデカいグレーターデーモンもいるな。


 討伐ランクはA〜S。Aなら俺でも対応可能だが……Sになると複数で来られるとけっこうキツイな。


 こいつらを相手にするなら同士討ちして助かりたいと思う奴もいるだろう……だが俺は2人で必ず打破する。


 俺はフローラに振り向く。


「あ……ぁぁ……」


 フローラは顔面蒼白になっており、微動だにしない。とても戦線復帰出来る状態ではなさそうだった。


 俺一人でやれるとこまでやるしかないか。


「えっと、お前──何て呼べばいい?」


「僕はただの管理人。むかーし、昔は()()と呼ばれたけど、今は亡者の慣れ果てだよ。そうだね、僕の事はデッドと呼べばいい」


 中々皮肉な名前だな。亡者か……。


「デッド、俺はこの絶望を叩きのめしてやるよ。そしてお前の顔に一発ぶん殴る!」


「ふふふっ、楽しみにしてるよ。では、健闘を祈る」


 そのままデッドは後ろに下がって行ったと同時にデーモン共は襲い掛かってきた。


 デッドは高みの見物か……。



 俺はフローラを殺させない。サラとの約束もあるからなっ! 俺が台座に乗るなど論外だっ!


 俺は両手から聖属性を付与した八岐の舞を発動する。悪魔なら多少の効果はあるだろう。


「フローラ!!!」


「きゃっ」


 フローラに鎖を放ち簀巻きにして引き寄せる。


「戦えないならジッとしてろ。俺は殲滅させるっ!」


「うん……」


 震えたフローラは俺を見上げて返事する。


 簀巻きにした鎖以外を全力で攻撃に使う。


 四方に放たれた鎖はデーモン共の胸を貫いたり、動きを阻害させて近寄らせないようにする。


 幸いデーモン共はそんなに早くはないようで攻撃はしっかりと当たる。


 聖属性もちゃんと効果があるようで、倒されてくれている。


 ただ、俺がいつまで戦えるかだ……。シーラさん曰く、台座の上なら攻撃はされないと聞いてる。


 やはり────フローラを台座に乗せよう。


 俺は台座を確認する。


 距離は……約50mか。


 さっさと移動しといたら良かったな。


 俺はデーモン共を薙ぎ倒しながら台座に向かって走り出す。


「おやおやぁ? あれだけの啖呵切って、もう逃げるのかい? どちらが台座に乗るのかなぁ?」


 煩いなっ!


「お兄ちゃん……私のせいでこんな事になったから……台座にはお兄ちゃんが……イタッ……」


 お前も煩いっ!


「お前は俺の従魔だろ? 主を少しは信じろ。俺はお前を見捨てない。それは決定事項だ。だからな……ほっとっ!!!」


「きゃぁぁぁ」 


「そこで、お前も高みの見物決めとけ」


 距離が近くになったきたので、俺は簀巻きにした状態のフローラを台座に放り投げる。女の子に対する扱いじゃないような気がするが、今は緊急事態だからな。地獄にいる爺ちゃんも許してくれるさ。


 台座にフローラが入ると結界が発動し、俺の鎖は木っ端微塵になった。外部の干渉は阻むようだ。


「お兄ちゃんっ!!! これは!? 出れない!? ダメだよぉ……私が死ねばお兄ちゃん助かるんだよぉ?! なんで、こんな事するの?! 私が我儘言ったからなのに……うぅぅ……」


 女の子が泣くと対処に困るっ!


「別に理由なんてないさ。俺が助けたかったから助ける。それだけだよ。それにこれが一番生き残る確率が高い」


「でもぉ……」


「戦場で戦えない者はいらない────そこで見ていろ」


 爺ちゃんが口癖のように言っていた言葉だが、指揮の下がった者がいると状況が悪くなるという意味なんだろう。


 少しキツい言い方で申し訳ないと思うが、俺はこいつら相手に守りながら戦える程自惚れていない。


 俺はフローラには笑顔で返して背を向け、デーモンを見据える。台座の結界があるから背中は無事だろう。これなら敵は前からしか来ない。


 おっと、その前に簡易鑑定使うか。すっかり存在忘れてた。


 デッドに向けて簡易鑑定を使う。


 名前:デッド(仮)

 恩恵:吸魂


 なんか、やばそうな恩恵だな……。


 本当に英雄だったのか?


 今はデッドより、先にこのデーモン共なんとかしなくちゃな!



 さぁ────ひと暴れしますかね。

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