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また戻る──必ず── 【幼少期挿絵あり】

 俺とミアは一緒のベットで2人存在を確かめながら夜を共にした。


 共にしたって言っても、ニャンニャンしたわけではない。普通に寝ただけだ。


 7歳にそんな事出来るわけがないじゃないか!


 はっはっはっ……はぁ……。


 でも、女の子の寝顔を見る! これ好きなんだよなー。子供だし、これで十分だ。



「んん……」


「起きたかミア? 体調はどうだ?」


「うん、大丈夫みたい!」


「そうか、良かったよ……頑張った甲斐があった」


 そういえば、気になる事が一つあったんだった……。


「ミアを簡易鑑定した時に()()の欄があったんだが……」


「あー、植物成長だね?」


「あれ使ってたら、飢餓なんてどうにでもなったんじゃない?」


 植物を成長させるなら、野菜でも果物でも成長させたら食えるしな。なんでしなかったんだろ?


「私、この恩恵貰った理由が、花が好きだからっていう理由で貰ったの……それでね、一応使ってみたんだけど。凄い疲れた上に、ほんの少ししか育たなかったから村の飢餓を助けるなんて出来ないし、使ってなかったんだ。これが使えてたらまた違った未来があったんだろね……」


 なるほど。俺の超再生と即死回避は使えば使うほど発動速度が早くなった。植物成長は魔力を使う事で発動すると予測できるため魔力量が少ないのと、熟練度の問題だろうか?


 推測ではあるが確信はある……。


 一応、推測を伝えて、これから頑張るように言っておいた。


 その後に両親が部屋に来て、ミアの回復に大層喜んでくれた。


 さて、これからの俺の事を皆んなに話さないとな。




 ◆◇◆◇◆




 今、俺の家の居間にいるのだが、メンバーは、母さん、父さん、ミア、アリスだ。アイリスは寝かしつけている。


 アリスがいるのは────見舞いに来て、そのままミアが引き止めたからだ。


 まず、俺がミアを助けるために北にある洞窟に行った事を伝えた。何度も死にかけたが(実際数え切れないほど死んでいる)なんとか九死に一生を得たとボカして伝えた。


 その時のミアは顔を赤くして「私のために命をかけてくれるなんて」みたいな事を呟きながらモジモジしていた。


 何この可愛い子!


 それを見た、アリスは膨れっ面で「ミアばっかりずるい」と言っていた。


 さて、ここでアリスに確認しなければならない。


「アリス」


「なに?」


「これからする話は他言無用になる。約束出来るか?」


「出来るよ〜! レオンは絶対私の運命の人だから! 絶対、ぜーったい前世からの赤い糸で繋がれてるんだから! 約束なんていくらでも守っちゃうっ!」


 ん? もしかして────こいつもか?


 簡易鑑定をアリスに使う。


 名前:アリス


 恩恵:剣神


 アリスも恩恵持ちかよ……どうなってやがる?


 しかも────これ近接最強っぽくね?



 さっきの発言からすると。俺の前世で会った事がある人物の可能性があるような?


 思い当たる女性だと……。


 大学生の時にヤクザに絡まれていた所を助けた女性がいたな……その後しばらく、俺がストーカー被害に合った記憶がある。その子が、よく思い出せば…こんな軽いノリの子だったような……子供ゆえにスルーしてたわ。


 確か名前は────


「……葵か?」


「ピンポーン! 正解! って事は正君で合ってるよね?」


「あぁ」


 本当にどうなってやがる。俺の近くにいる女の子が2人とも前世繋がりって……。


 しかも、恩恵が1つって事は、ミアと同じ理由なんだろうか? ……そういや────こいつ、ストーカーだったな……。


 どうしてこんなに俺は好かれている?


 ぶっちゃけ、前世の俺は人から都合の良い人扱いしかされてなかったし、基本利用しかされてなかったんだが……人助けも確かにしたけどさ。


 今思えば、もっと自分のために行動しといても良かったなと思うな。


「────今の名前はレオン。お前はアリスだ……わかったな?」


「りょーかいっ!」


 両親は話が着いて行けてないな……。まぁあんまり触れてほしくもないしスルーしよう。


「さて、ミアと──そして父さんと母さんにも関係のある話をする。ここでする話は一切の外部に漏らす事は許さない。もちろんアリスもだ。漏らしたら地獄の痛みを味わう事になるよ? 返事は?」


「うん!」

「はーい」

「わかったわ」

「守ろう」


 ミア、アリス、母さん、父さんの順番で返事をする。


「では、契約は成立した……我は汝達と契約を行う」


 光が全員に行き渡る。見様見真似で出来た事にも驚きを隠せないが────


 ────これって一方的な魔法だな……契約というか強制に近い。酷い魔法だな、これって闇魔法なんだろうな。



「今のなぁに?」


 アリスが聞いてくる。


「契約魔法だな。今は俺達が発言した内容を破ると地獄の苦しみを味わう事になるから破らない方がいい」


「ふーん、破る気なんか無いからいいけどね」


「では、話を始めるよ。先に────俺はここから離れる事になる……すまない」



 ガタッ



 勢い良く椅子から立ち上がったのはミアとアリスの2人。


「まだ話は終わっていない。座ってくれ。続きを言うぞ?」


 俺は洞窟で会った、アナスタシアからアイテムボックスと万能薬(エリクサーとは言わない。トラブルになるからな)を受け取る際に、薬を譲る替わりに婿になれと言われた事を話した。


 そして、断ると、そのまま殺される可能性があった事も話しいている(実際は死にはしないが、その方が都合が良いのでそう言う事にした)


 そして、その約束を履行するために、先程皆んなにかけた契約魔法をかけられていることも伝える。


「そして、その魔女なんだが……絶対に倒す事は考えたらダメだ。不死王と自分で言ってたからね」


「「「「不死王!?」」」」


「うん、でも見た目は俺の好みだったよ? まぁ、嫁になるんだし────役得かな?」


「レオンよ! 父さんより立派になったな……さすが我が息子! 誇らしいぞぉ!」


「レオン、子供はいつ見れるのかしら?」


 両親の反応にはどう答えたものか。スルーだな。


 ミアとアリスはなんか「羨ましい」とか言っている。こちらもスルーだな。


「まぁそんなわけで、俺はしばらく洞窟から出れなくなってしまう。そこで……まず、ミアはここに住んでもらう。そして、父さん、母さんはミアを守ってほしい」



 コクッと首を縦に振り、3人は素直に頷いてくれる。


「そしてアリスには剣術を頑張って練習してもらおう。もし実力行使された時に守れる人がいると安心できる。見た所、既に父さんより強いよね?」


 コクッとアリスと頷いてくれる。


 小声で「ここで恩を売っておけば、いつか嫁になれるかも!」とか聞こえて来た気がしたが気のせいだろう。


「えっ!?マジで!?」


 そして、俺の言葉に驚く父さん。そりゃ、7歳に負けてるなんて思わないもんな。


 父さんの言葉に再度コクコクッと、アリスも頷く。


 アリスさん、少し謙虚に行こうか? 日本人の謙虚さは何処に行ったよ!?


「そうそう、ミアは魔法の練習しといてね? 例の奴を使いこなせるようになったら、きっと役立つからさ! バレない程度にね?」


 コクッとミアも素直に頷く。


「そして────父さん、母さんにはこれを渡しておく。時間停止型のアイテムボックスの袋だ。これさえあれば保存が出来るし、俺が狩った魔物もそっちに入れられる」


 これがあれがあれば食糧不足問題で我が家は悩む事はないだろう。


「本当にいいのかしら? かなり貴重よね?」


「おそらく時間停止も付いてるし、かなり貴重だから絶対に人前で使わないようにしてほしいかな。使うのは家にいる時だけの方がいいかも。食材に関してはミノタウロスが50体分と今まで倒した食べれる魔物も放り込んでおくから。食料に困ったら、アリスの家にも協力してね。ミアの家には絶対渡さないように。父さんにはこの短剣も渡しておくよ。どうやら身体強化の刻印が刻まれてる魔法剣らしいし、役に立つはずだよ」


 何気に短剣の性能が良かったんだよな。魔法剣を見たの初めてだから、これがどれだけの価値があるのかわからないけどね。


 アナスタシアがくれた物って、貴重品ばっかりだし、良い物のはず。


「わかった! 約束は守るぞ。というか────討伐ランクBのミノタウロスがなんで、そんなにあるんだ……」


「……成り行き? 洞窟に大量に現れたんだよね〜やたらタフで苦労したよ」


 本当に成り行きだよ。今なら普通に狩れるんだろうな。


「レオン軽い! 何そのゴブリン見つけたから倒しちゃったみたいなノリ! いつか私も戦ってみたい!」


 アリス、君やっぱり脳筋なの? ストーカーしてたぐらいだし、単純なのか? いつか、恩恵の剣神選んだ理由聞いてみよう。


「私の為に……」


 ミアはミアで赤面して、ニヤニヤしていた。


「どれだけの期間で帰れるかわからない。ミアは親の事をもあるから、気を付けるように。俺にあの洞窟の封印を破れる自信が今の所ない。だから待っててくれ。────俺の希望では成人の15歳までには帰れるようにしたいんだけど……まぁそれまでにミアが自衛出来るようになれば自由に生きてくれ」


「「絶対待ってる!!!」」


 凄く嬉しいんだけど、先は長い……いつか考えが変わるかもしれないしな。素直に気持ちは嬉しいけど。


 俺って恋愛が絡むと時々、何故か、過去の出来事を境に胸痛、息切れ、動悸が強くなったんだけど今は起こらないな……子供が相手だからか?


 まぁ、今は発作が起こらない事に感謝しよう。


「ありがとう。俺も次に会うまでにもっと強くなるよ。お前達を守れるぐらいにな」


 俺の姿に2人とも惚けている。



 両親は、唖然としていた。



「レオン。お前……将来嫁さんもっと増えそうなぐらいの女たらしになりそうだな」


「あらあら…これから刺されないようにね……アナスタシアさんだったかしら? 早く紹介してね」


 失礼な!


 アナスタシアを紹介してあげれるように頑張るよさ! なんせ嫁さんになるんだしな。


 そうそう、最後にアイテムボックスに入っていた絆の指輪を2人に渡しておく事にする。



 簡易鑑定すると。



 絆の指輪:装備している人が危機に陥るとマザーリンクの所持者に知らせる


 ちなみに、これが合計4つも入ってた。


 1つはわかる。少し他の指輪より大きめの石が嵌め込まれているからマザーリンクなのだろう。


 しかし、残り3つもあるぞ? アナスタシアはどういう意図でこれを入れたんだ??


 とりあえず、説明してからミアとアリスの指に嵌めた。この世界でも貴族や所得の多い者は指輪をしているらしいので問題ないだろう……たぶん。


「「ありがとう!!!」」


 嵌められた2人はうっとりした表情で指輪を眺めていた。


 残り1つあるけど……まぁいいか。


「じゃぁ、俺はもう行くよ。皆んな元気で…」


「レオン……無茶するなよ……」


「体には気をつけなさい」


「愛してる。ずっと待ってるから……」


「遅かったら迎えに行くからね!」


 俺の言葉に────父さん、母さん、ミア、アリスの順で声をかけてくれる


 皆んな、ありがとう……。


 そして、俺は家を後にした……。


 絶対にまた戻ってくるから!



 ガチャ



「あら? 忘れ物?」



「母さん! アイリスにお別れ言ってないから起こして!」



 必ず戻ると誓った俺は妹の顔見たさに、一瞬で戻ったよ!



 指輪も渡したよ?


 そして、俺は再度、お別れをして走り出し────呟く……。



「最後は締まらなかったけど、俺の力は俺の大事だと思った事に使う。────爺ちゃん、俺は爺ちゃんの望んだ成長をしたのだろうか?」



(そんなもんわかるか! やりたいようにやれ!)


 そんな声が聞こえた気がした。


 まぁ、あの爺ちゃんならそう言うだろうな……。


 そして、俺は星空を眺めながら駆け抜ける。


 いつか会いに戻ると誓いながら────

挿絵(By みてみん)

幼少期

真ん中:レオン

右:アリス

左:ミア


柴た様より描いて頂きました。



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