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第9話 家族会議

 



 謁見後、すっかり夕方になっていた為、私は父様と一緒に帰宅させてもらった。今日はとんでもなく濃い1日だったなぁ……


 クリス兄様も夕食前には帰宅し、家族4人で食後の紅茶を飲み、ようやくホッと一息ついた。



「今日は急な謁見になってしまってすまなかったな」


「いえ、父様。シェリとフォルト様も一緒だったから緊張も少し和らいだし、大丈夫だったよ? 私としても言いたい事は言わせてもらえたし、やりきった感があって満足してる」


 私はぽやぽやと笑顔を浮かべながら、両手をグーにして、胸の前でガッツポーズをした。



「話は聞いたわよ? アリスったら王家の皆様の前でまた突拍子もない事を話したのね。もう、普段は泣き虫さんなのに、変な所で男の子顔負けの力を発揮するんだから……」


 母様は一体誰に似たのかしらと呟いているが、この性格は間違いなく父様と母様を足して2で割ったのですよ〜、と私は声を大にして言いたい。



「でもアリスの4属性発現って本当、興味深いよね? うちの家系は遡ってみても4属性持ちはいないし、何より強い火属性持ちのいない家系から火が発現してるのは稀だと思う。研究が更に複雑化するなこれは……」


 クリス兄様は学園卒業後、王宮に併設されているエタリオル魔法研究開発機構で、魔法歴史学と属性の関係性についての研究をしている。その為、私の属性についても興味深々なのだろう。


 かく云う兄様も父様と同じ土と風の2属性持ちで、魔法師としての実力あり優秀なのだが、魔法の研究をしたい気持ちの方がどうやら上回ったようだ。


「キャロルにもアリスの事を知らせたいけれど、隣国への手紙に事の顛末を書くのはちょっと心配よねぇ。下手したら国家機密だものね……」


 そう、私には姉もいるのである。


 キャロル姉様は去年、友好国である水の都市・アヴィニヨン国の公爵家へ嫁いだ。隣国だが中々頻繁には会えない距離の為、ちょっぴり寂しい。でもキャロル姉様は父様寄りの私大好き人間なので、このくらいの距離感が程よいのかもしれないと思い始めている今日この頃である。


 ちなみにキャロル姉様は母様と同じ、強い水属性。見た目も母様に似て、綺麗系美人で密かに羨ましいです。くっ……



「キャロルには夏の長期休暇の時にでも会って、アリスから直接伝えてやってくれ。手紙では3属性だったとひとまず伝えて、詳しくは会った時にと書いておこうじゃないか。キャロルの事だからな、アリスの詳細を知りたくなって、帰省したくて堪らなくなるだろう」


 フフフ、といい笑顔で父様は笑っていた。


 流石父様、よくキャロル姉様の事を分かっているな……



「アリスの護衛について父上はどう考えてます? シェリーナ嬢と一緒にいる時は王宮の護衛に任せられますけど、1人の時が心配で。学園へ侯爵家からも護衛の特例申請をしますか?」


 規則として、学園内で護衛が許可されているのは、王族と公爵家のみなのである。まぁ学園内で滅多な事は起きないだろうし……と能天気な私は、そんなに心配していない。


「いや、陛下は4大属性持ちがいつ漏洩するか分からない事も加味して、アリスが1人の時も影の護衛を付けると明言してくれたからな、そこは安心していい。それに、正式に学園へ侯爵家からの特例申請を出すのは逆にアリスが目立ってしまう。学園長にだけは本当の事を伝えておくから、アリスがどうしても困った時は、こっそり学園長の所へ行くんだよ?」


 アポは取っておくからね! と、ウィンクする父様。


 うぇ……学園長の所なんて、恐れ多くて行けないんですけども。



「いっそ気配を消す魔法を使えるようになりたい……」


「アリス、それ闇魔法だから」


 分かっていたけど、正論を突き付けないで、クリス兄様。




いつもありがとうございます(*´꒳`*)

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