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第79話 魔法実技試験 2

 



 第1関門を突破した私達を待っていたのは、まるで崖崩れが起きたかのように、ザックリと分断された道だった。


「これは……?」


 向こう側へ自力で飛び移るのは、到底不可能な程、距離がかなりあいている。


 近くにある木を倒して、向こうへ立てかけようにも、届かなさそうだ。そもそも届いたとしても、その丸太を渡るのってちょっと怖すぎる。


 高さも流石に断崖絶壁とまではいかないが、もしも下に落ちたとしたら……怪我は免れないだろう。



 さて、どうしたものか……


「……あら? あっちに見えるのって、何かの的じゃないかしら?」


 シェリが指さした方をよく見ると、高さがまちまちな丸い的の様なものが、5個立てられている。


 崖崩れの向こう側に見える、複数の的に魔法を当てて、その的が倒れれば、この罠はクリアなのだろう。恐らく的当てが引き金となって、何らかのアクションが起こり、次に進める仕様になっている……と、考えて良さそうかな。


「ふぅん、的当てって事か? となると、魔法の命中率を試してるのか……」


 サラはそう言いながら、片目をつむって飛距離を確認している。


「なら、私がやってみてもいいかしら。水の攻撃魔法を動いている対象に当てるのは、ちょっと不安だったけれど……止まっている対象物になら、大丈夫だと思うの」


 シェリが、サッと片腕を前に突き出した。



『凍てよ 氷結の矢(フリージン・アロー)



 複数の攻撃魔法を発現させる為、魔力量がそれほど多くはないシェリは、魔法の威力を敢えて少し落としたようである。


 それでも、スピード感のある洗練された氷の矢が、的に向かって真っ直ぐに飛んでいく。


 1つずつ、的確に。そして一度も外す事なく、無事に当て終えたのだった。



 最後の的が倒れると、何処からか魔法が発現される気配がした。クリアしたから危険な魔法ではないと思うけど……


 一応警戒して、魔力を纏って身構える私達である。


「ぇぇ……? は、橋……?」


 その心配は杞憂だったようで、魔法によって向こう側から橋が創造され、渡れるようになったのだった。


「これまた高度な創造魔法だな……」


「ね……あ、でも発動時間に限りがあると思うから、早く渡っちゃった方がいいかもっ」



 渡ってる最中に橋が消えたら、流石に笑えないっ……


 もしも橋が消えたら……と想像して、ゾゾッとした私は、慌てて皆を促したのだった。




 ────────────────




「大分いいペースで進んでいるわよね。この調子でいければ、ゴールまで時間も問題なさそうよ」


 テクテクと歩きながら、ミレーユがそう話す。


「罠っていう話だったから、攻撃的なものが来るのかと思ってたけどな。どちらかと言うと自分たちで考えて対処していく、謎解きみたいな感じだな」


「んん? サラ、ちょっと残念がってない?」


「まぁな。魔獣と戦う事はないと知っていたけど、普通の獣と戦うくらいの事はあるかと思っていたからな」


 ……中々恐ろしい事をボヤくサラである。


「それこそ防御魔法をかけてても、怪我しそうじゃない……? 魔法学園の生徒といえど、ほとんどの生徒は貴族出身だし、自分を含めても皆、咄嗟に動けなさそうだわ……」


 シェリは突然現れた獣を想像したのか、ブルッと身体を少し震わせた。


「そうそう。対処できるのは、騎士目指してる男子か、サラ嬢くらいだと思うよ〜? ……ってあれ、行き止まり?」


「今度はおっきな壁ですか……?」



 目の前に広がるのは、見上げる程高い、巨大な土壁だった。


 土壁は両サイドも防御壁のギリギリまで(そび)え立っており、これじゃあ横の隙間を通り抜ける事は無理そうだ。


 まぁ、これが第3関門なのだから、そんな抜け道があったとしても、そこを通ってしまったら減点だろうけど。


「ん〜、土壁自体をどうにかしないと、試験的にはダメだよね〜?」


「恐らく。ただこれほどの大きさだと、攻撃魔法で砕くのは、かなりの魔力消費だぞ」


 ルネ様とサラが、土壁を見上げながら、そう言葉を交わす。


 ふむ、ならここは魔力量の多い私がやった方がいいかな?


 じゃあ私が……と言おうとしたところで、ラウル君が先に口を開いた。


「あっ、それなら僕にお任せくださいっ!」


 ラウル君は何か(ひらめ)いた様子で、胸に手を当てて、えっへんとした表情を見せる。


「何か秘策があるのかしら?」


「はい、ミレーユ様! 難しいやつなのでちょっと心配ですが、やってみます!」


 ラウル君は土壁の前に立ち、片手を伸ばして、人差し指に魔力を溜めた。



『打ち立てよ 土壁掘削アースウォール・ディディング



 指先から放たれる魔法によって、土壁を扉の様な形に削っていく。


「えっと、後はこれを……よいしょっと」


 ラウル君がえいっと土壁を軽く押すと、削った内側の土壁部分がパカッと抜けて、巨大な土壁には、小さくて綺麗な、扉型の穴が空いたのだった。


「へぇ。建築に便利そうな魔法だな」


「魔法石の1つでもある、砕土石に使われる土の粉砕魔法の、応用魔法です。範囲を上手く絞ると、魔力量を節約しながら使えるんですよ!」


 本当、ラウル君は得意分野の領域に入ると、ずば抜けた頭の良さが滲み出るんだよなぁ。


「3人のおかげで第3関門まで、無事突破だね。先生の説明だと、確かそろそろ折り返しの中間地点になると思うんだけど……」



 残りの罠は3つ。私とサラ、ミレーユが対処していかないとだ。


 うぅ、次は何が待ち構えているんだろう……




いつもありがとうございます(*´꒳`*)

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