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第36話 初めての魔法薬学1

作中に出てくるハーブの知識は、作者調べなので抜けもあると思います! フワッと読んでもらえたら……!

 



 学園集会があった日から2週間ほど経ち、魔獣出現の話は、あまり話題に上がらなくなった。学園内もようやく少しずつ落ち着き、普段と変わらない雰囲気を取り戻したようだ。


 というのも、あれから殿下が最新の情報を定期的に報告してくれているので、そのおかげなんだよね。


 ほんと殿下って有能な方だな。それか勝手に噂を流されてよっぽどイラッとしたかだな……と、思う私なのだった。




 ────────────────




 今日はついに魔法薬学の授業。


 学園に入学してからは、基礎となる魔法学や歴史学を学ぶ事が優先されていたので、実は魔法薬学の先生として、ローラン先生に会うのは初めてである。


 そんな私達は先生からの事前指示で、ハーブ園に集合していた。始業のチャイムが鳴る少し前に、先生はハーブ園に現れた。



「皆さん、こんにちは。魔法薬学を担当するコルニュ・ローランです。入学してから(しばら)く魔法薬学の授業がなかったもので、皆さんと顔を合わせるのが大分遅れてしまいましたね。どうぞよろしくお願いします」


 眼鏡をクイッとあげている顔は、普段のローラン先生だ。あ、今日は暴走モードじゃない、キリッとモードなんですね。


「さて。皆さんは身近にある物や薬に、ハーブや植物が使われている事を知っていますか?」


 皆は先生の問い掛けに、コクッと頷いた。


「ハーブや植物に魔法や魔力はありませんが、薬草としての効能を持っています。例えばここに生えているペパーミントですが、メントールという成分が喉の炎症を抑えてくれたり、心を落ち着かせてくれる、スッキリとした香りを持つという特徴があります。これらの効能はハーブによって様々で、多岐に渡ります。勿論ペパーミントも、私が説明した以外にも、もっと様々な効能がありますのでね」



 ほほう。となると、前世のハーブのイメージよりも、効能は高い(強い)と思っていた方が良さそうかも。


「図鑑で確認するのもいいですけど、やっぱり1番は現物を、自分の目で観察する事ですね。君達1年生には、ハーブなどの名前や効能を学んでもらった後、比較的製作が簡単なポプリや塗布薬、ハーブティーなどを自作していただきます。これらも、きちんとした手順で作れば、しっかりと効能を持った物が出来ますのでね」


 わぁ、と女子の大半が楽しそうといった表情を浮かべている。サラは……顔をしかめていたから、そういうのは得意じゃないのだろう。いや、そんな気は薄々してましたけどね?


 私はお菓子を自作するという事もあって、割とちまちまとした作業も好きな方なので、結構楽しみである。前世の言葉でいうと、ハンドメイド感もちょっとあるし、自分の好きな香りでハンドクリームとか作ってみたいなぁ……



 私が色々と脳内で想像していたところで、先生が再び話し始めた。


「それから魔法薬学は、2年生からは魔法薬学科として専攻出来ます。2年生では、医師や医療関係に進む方の為に医学の専門分野にも入っていくので、1年生の内に動物の生態を学ぶ事も、魔法薬学の授業のカリキュラムに組まれています」


 先生は今日1番のいい笑顔で、飼育場に目を向けていた。なんだかんだでやっぱりブレないな、先生。


 となると、ラウル君は魔法薬学科に進むのかな……?



「今日の課題は、このハーブ園に生えているハーブを、どれでも好きな物を3種類選択して、観察及びスケッチをしてもらいます。そしてそのハーブについて、特徴や効能、製品化すると何になるのか等、自分なりにレポート用紙にまとめて提出するように。スケッチを終えた人から、各自図書館に向かってそこでレポートを記入してください。私はハーブ園に残りますが、授業が終わる前には図書館に移動するので、完成したレポートはそこで受け取ります」



 私は前から回ってきたレポート用紙を受け取り、さっそくハーブ園を見ながら3種類を選ぶ事にした。


 ……にしてもこのハーブ園、本当に種類が豊富だし、広大な敷地だ。ビニールハウス内でも、季節外のハーブが色々と育っているようだった。


「シェリとサラは、どのハーブにする?」


「そうねぇ……あまりハーブには詳しくないから、分かりやすいものにしようかしら。カモミールやラベンダーは、見た目も可愛らしくて素敵よね」


「私もハーブは全然分からないな……バジルとか料理によく使われるものならまだ分かるが。アリスはどれにするんだ?」


「う〜ん……先生がペパーミントの話をしてて思ったのは、ミントにも色んな種類があるから、その中から3つを選ぼうかなって」


 ミントの見分け方ってちょっと難しいけど、見た目が変わっているものもあるから、まぁ何とかなるだろう。


 私たちは一旦別れる事に。ある程度スケッチが終わったら、お互いに声を掛けて、図書館へは一緒に向かおうと約束したのだった。



 さて、どのミントを調べようかな。


 私はテクテクとミントのゾーンを歩き回る。ひとまず、先生の話していたペパーミントは確定でしょ。それから有名なスペアミントと、もう1つはどうしようかなぁ……と、指折り数えながら考える。


 ワサワサと植っているミントを、しゃがみ込んで眺めていると、特徴的なミントが目にとまった。


「あ、これパイナップルミントかな……?」


 班入りの葉とその独特な香りは、恐らくパイナップルミントだろう。よし、分かりやすい特徴もあるし、これにしよう。


 私はカリカリとペンを走らせ、スケッチをこなしていくのだった。




 ────────────────




 30分程して描き終わった私は、2人を探す事にした。


 近くにシェリが居たので「シェリ、どう? できた?」と、声をかける。


「絵なんて普段描かないから、あんまり自信はないけどひとまず出来たわ」


「大丈夫だよ〜 ちゃんと観察して描いたって伝われば、先生も分かってくれるはず」


 私はそう言いながら、ひょいとシェリのレポート用紙を覗き込んだ。



 ……ん?


 レポート用紙には、何とも言えない独特なタッチの絵が描かれていた。


 ……そういえば小さい頃からシェリって独特な絵を描いてたな。そりゃ人間だもの、不得意な事くらいあるよね。うむ、完璧人間なんていないのだ。


 シェリの可愛いらしい苦手な事を久しぶりに見て、なんだかほんわかとした気分になった私なのであった。



いつもありがとうございます(*´꒳`*)

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