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第27話 水魔法 秘密の特訓 2

ちょっと早めの投稿です。

今日はもう1話、夜にあげる予定です。


 


 殿下がそんな事をボヤいているとは気づかず、私とフォルト様は練習を再開する。



「アリスティアは範囲魔法じゃなくて、攻撃魔法を試してみたか?」


「うっ……こ、攻撃魔法はまだ試してないんです……」



 そうなのだ。


 ただでさえ広範囲に魔法を発動させている私が、攻撃魔法でうっかり暴発でもしたら……と思うと、怖くて避けていたのである。


「恐らくだが、初級の攻撃魔法の方が、お前のコントロール指標に向いていると思う。魔力を微量にする事に集中して、壁を的当てだと思い込んでみろ」


「はい……うぅ、でも暴発したら……」


「大丈夫だ。ユーグは事前に、シェリと自分自身に防御魔法をかけているし、俺は攻撃が来ても弾き返せるから問題ない」



 あ、殿下は下準備バッチリだったんですね……? あの人ほんと抜かりないなぁ……


 私は殿下のおかげでちょっと冷静になれたのだった。


「じゃあ、やってみますっ……」



 意を決して、私は魔法を発動させる為、集中した。


 ごく微量の魔力……ほんとにちょっぴり……絶対3人に迷惑をかけない、何ならダーツの矢くらい小さいサイズ感で…………!



『放て 流水の矢(ストリーム・アロー)



 魔法が発動したと同時に、ダーツの矢のような小さな矢が、ヒュ〜っとゆっくり防御壁に向かって飛んでいった。


 おぉ? もしかして、魔力コントロール出来た?


 私はパァッと表情を明るくし、どうですかっと言わんばかりに、くるっとフォルト様を振り返った。



「……っくく……お前は極端だな……」


 フォルト様は口元に手を当てて、顔を背けて小さく声を出して笑っていた。かなりレアなフォルト様だが、あれ、私すごい笑われてないですかね?


「むぅ……だめでしたか」


 私としてはコツが分かったような、手応えがあったのだが。思わずぶぅ、と唇も尖るものである。


 フォルト様は、ひとしきりクスクスしていたかと思うと、ごめんなと言いながら、私の頭を撫でた。


「いや、それでいい。アリスティアの事だから、絶対に人には当てないとか、そういう強い気持ちを念じたんだろう? お前の発想は本当に素直だなと思って、微笑ましくなっただけだ」


 ふむ、まぁ褒められているのならいいかと、納得した私なのだった。毎度の事ながら、いつも単純な私である。



 その後も私は、初級の攻撃魔法を使って、とにかくコントロールに励む。


 フォルト様の指導のおかげもあって、私は無事、魔力量の調節の感覚を、以前よりも格段に掴むことが出来たのであった。今度は1人で練習室を借りて、こっそり練習をしようと決心する。



「今日はこのくらいにしておこう。だいぶコントロールにも慣れてきたな」


 フォルト様にも成長を認められて、私はニコニコ嬉しくなった。


「ありがとうございました。でも、お忙しいのに結局最後まで付き合わせちゃいましたね」



 付きっきりで1時間もは、さすがに申し訳なかったなぁ……そうだ、と私は思い付く。


「あっ! 今度お礼をしますのでっ」と、私は手をシュピッと挙げて宣言する。


 フォルト様はそう意気込んだ私を見て、「じゃあ期待しないで待っておく」と、微笑んだのだった。



「殿下、シェリ、もうすぐ終わりの時間になりますけど、どうですか?」と、私は少し離れた所で練習をしていた2人に声を掛ける。


 2人も丁度区切りがよかったようで、こちらにやって来た。


「ユーグ殿下のおかげで、だいぶ水魔法に慣れた感じがするわ」


 そう笑顔で話すシェリの腰に手を回し、殿下は

「シェリは頑張り屋だからな。でも頑張りすぎるのは心配だから、絶対に無理は禁物」と、シェリの耳元で囁いた。



 あ、はい、いつもごちそうさまです。


 今日は周りに人がいないからか、いつも以上に距離は近めだし、更にはセリフが甘いの何のその。


「今日は2人の世界が激甘です……」


 私は、チョコレートケーキを1ホール食べた気分で呟いた。



「どちらも知り合いというか、何なら片方は身内だから目に余る」


 フォルト様はそう話しながら、無表情で遠くを見つめていた。


 私たちのそんな様子を見て、殿下は不服なのか「無自覚な君たちに言われたくはないんですけど? 僕はきちんと自覚を持ってやっている事なんでね」と、ジト目でこちらを睨んだ。



 ……?


 なんか殿下、今日やたら好戦的だな……


 私とフォルト様は、そんな殿下の様子が私たちのせいであるとは、思ってもみないのであった。



「ふふ、アリスとフォルト兄様も仲良く練習してたみたいだし、楽しそうで何よりだったわ。フォルト兄様も、時間が空いた時には、またアリスの練習に付き合ってあげてね?」


「っ!? いやいや、もう充分付き合ってもらったから大丈夫だよ!?」



 わ〜っ! と、私は慌ててシェリの言葉にかぶせた。妹の友達ってだけの私なのに、流石にそんな迷惑はかけられないっ……!



「じゃあ次は、アリスティアがどこまでコントロール出来るようになったかテストする事にしよう。それまで自主練しとけよ」


 ふ、と少しだけ笑い、私を見下ろすフォルト様に、私はひぇ……と、気の利いた返事を出来ずにたじろいたのだった。


 このマンツーマン特訓は、次回があるんですね……!?




いつもありがとうございます(*´꒳`*)

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