第2話 神殿にて
ほんのりと説明回です。
魔法が存在する世界。その中に存在するのが、私の生まれた国でもある大国、ここエタリオル王国だ。
魔法は4大基礎属性(火・水・風・土)と特殊属性(光・闇)からなり、貴族に生まれた者はこのいずれかの属性を持つと言われている。
又、持つ属性や魔力量は人によって様々で、1属性持ちもいれば複数持ちとなる者もいる。なお、稀に特殊属性持ち、全属性持ちが現れることもあるのだそうだ。
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……そのようです。
えぇ、そのようですとも。
こんにちは。絶賛混乱中の私、アリスティア・マーク侯爵令嬢、今年15歳になる女の子です。
特に珍しくはない、金色混じりの茶髪は毛先だけがクルッと自然にゆるくウェーブしていて、背中の半分まで伸びている。
少し赤みのあるピンク色のパッチリ目、背はやや小さめの156cm。鼻は高くはないけれど小さめで、控えめな口元はリップを塗らなくても綺麗な桃色だ。
自分で客観的に見て、美人ではないだろうが、顔は一応それなりに整っている方だとは思う。そう、それなり……それなりに見れる程度って事ですよ……!
まぁ、絶世の美女とは言えないけれど、家族は可愛い可愛いと褒めてくれるので、身内の欲目といえどもそれは普通に嬉しい。
クリス兄様は「リスみたいで可愛いよね」って言うけれど。私は「え、それ褒めてます……?」と、いつも疑問に思っている。
侯爵家の3番目の子として生まれた私は、持ち前の人懐こさと末っ子気質もあってか、のんびりふわっと過ごしてきた。前世を思い出す前から、俗に言う侯爵令嬢っぽさがあまりなく、良くも悪くもマイペースだった私は、この貴族社会ではかなり珍しい分類だったと思う。公の場ではきちんと貴族令嬢らしく振る舞っていたので、何ら問題はなかったのだけども。
そんな私も、いよいよ学園入学の年に。
この世界では15歳になる年の春、学園入学前に貴族は神殿で自分の魔法属性を確認する義務がある。ちなみに平民は魔法属性の発現が1割程度と言われていて、めったに現れないのだとか。
そんなこんなで例に漏れず、私も検査にやって来た訳なのだけど……
適性検査の水晶に触れた瞬間、甦ったのは前世の記憶。
さらには魔法発現の色を示す水晶が、4大基礎属性の4色を光らせるから。
「色々ありすぎて……無理ぃぃぃ……!」
私はキャパオーバーで神殿の床に倒れ、神官長の慌てた声を聞きながら、意識を失うのだった。
いつもありがとうございます(*´꒳`*)