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第12話 ルルクナイツ魔法学園 3

 



 何とか間に合いました、入学式!


 小鳥は、受付に居た先生に事情を説明すると、どこまで手当できるかは分からないけれど、保健室の先生に受け渡しておくと言ってくれた。よかった。


 私はポトリー君に挨拶頑張ってね!とエールを送り、留学生の2人に道案内のお礼をしてから、友人が待っているのでまた後でと一旦別れた。


 というか今頃になって気づいたけど、他国の人に自国の道案内してもらうって、中々に恥ずかしい事だったのでは。



 うぅ、もう今更遅いけど……さ、さーてシェリはどこかな……


 シェリも私が中々来ないのを心配してくれてたのか、キョロキョロと周囲を見ていたようで、パチっと目が合った。


「アリス!」と口パクしながら手招きしてくれたので、駆け寄りたい気持ちを抑えて、早歩きで側に行き、隣の椅子に腰掛けた。席まで取っていてくれて本当ありがとうございます、なのです。



「ふぃ〜ごめんねシェリ、待たせちゃって。席も取っておいてくれてありがとう」



「もう。アリスの事だから、また迷子にでもなっていたんでしょう? うちの馬車で迎えに行って、そのまま無理やりにでも一緒に来ればよかったわ」


 ふぅ、とため息をつきながらそんな過激な事を言うシェリは、中々に公爵令嬢っぽい。



「でも迷子になったおかげで、特Aクラスの子と知り合いになれたの。私も皆と同じ特Aクラスだったら嬉しいなぁ〜」


 シェリは私を横目で見ると、また、ため息をついた。


「……アリスも特Aクラスに決まってるでしょう? アリスはもう少し、自分の能力の高さを自覚した方がいいと思うわ……」



「え? 私、自分で言うのもなんだけど、絶対上手い魔法戦術とか思いつかないよ? あっ、ほらほら! 式始まるみたい!」



 始まりを告げる音楽が流れ、厳かな雰囲気で入学式が始まった。


 式は滞りなく進行した。平民特待生代表のポトリー君も、先程とは打って変わってキリリとした表情で、しっかりと挨拶をしていた。見た目は子ウサギみたいなのに、きちんとしてて偉い。


 貴族優秀生代表は我らがシェリーナ。儚げ美人の迫力に、男女問わず皆さんやられてしまって、見惚れているようである。うん、気持ちは分かる。


 そして在校生代表は、生徒会長でもある3年のユーグ殿下だった。殿下からのお祝いの言葉が終わった時は、拍手を上回る程の女子の大歓声が混じってました。殿下スーパーアイドル説。



 諸々、今日の流れについての説明が終わった後、最後にジェルム・クロスフォード学園長からのお言葉があった。学園長が登壇すると、会場の空気が一気に変わった気がした。学園長は、講堂内をゆっくりと見渡してから微笑み、こう話し始めた。



「新入生諸君、入学おめでとう。魔法が発現してまだ間もない君達の中には、魔法という存在にいまいちピンと来ていない者もおるかもしれんな。また逆も然り、親御さんの魔法を見た事があったり、魔力を込めた魔法石を使用した事があったりと、既に自分の身近に魔法が馴染んでおる者もいるだろう」


 学園長はホッホ、と朗らかに笑った。


「だが、ここでは生徒たち皆が、初めて自分自身で1から魔法を学んで実践していくのじゃ。是非ともこの3年間を有意義に使って、共に学ぶ友人と成長し合いながら、自分自身の将来に繋げていってほしい。……さて、堅い挨拶はこれ位にしてと。ちと皆に祝いの魔法を贈ろうかの?」



 ニコッと笑う学園長から、これが魔力なのだろうか、独特なオーラが感じられたかと思うと、学園長が言葉を紡いだ。



『舞い上がれ 蝶々の門出(バタフライ・ゲート)



 学園長が前に手をかざすと、ポゥッと手が淡く光る。


 そこから沢山のピンク色の花びらが、蝶のようにヒラヒラと講堂の天井へ高く舞い上がる。花びらはゆっくりと私達の元へ舞い降りてきて、キラキラとした光を残しながら、跡形もなく消えていった。それはとても幻想的であった。


 新入生のほとんどが、感動やら驚きやらで、ポカンとして静まり返っていた時。



「うわぁ、綺麗……!」


 私は思わず感想を口に出していた。


 シェリも同じだったようで、花びらの消えた跡を見つめながら、呟いた。


「これ、多分スイートピーの花びらだったわ。花言葉は『門出』よ。素敵ね……」



 学園長は粋な事をするお方なんですね……!


 ハッと我に返った新入生たちが、ワンテンポ遅れて割れんばかりの拍手を、学園長に送ったのだった。




いつもありがとうございます(*´꒳`*)

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