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第10話 ルルクナイツ魔法学園 1

前半は学園について、ざっくり説明してます。

 



 ルルクナイツ魔法学園はエタリオル王国の首都ポルタットにある、巨大な魔法学園である。


 魔法属性が発現した者は、貴族・平民に関わらずここで3年間学ぶ事が義務化されているのだ。


 クラスは貴族優秀生と平民特待生のみが入ることが出来る「特A」


 その下にB〜Kまでの10クラスがあり、人数は1クラス大体30名前後となっている。クラス分けについては、身分は問わず学力や属性数、魔力量などを加味して、バランスを重視で決定するそうだ。


 尚、平民特待生は施設費や授業料等、学園内の費用が免除対象である。


 学園は全寮制。男子寮と女子寮に分かれており、高位貴族【王族・公爵・侯爵・伯爵】は広い個室の利用を許可されている。更に王族と公爵はメイドや従者の付き添いも可能な為、特別待遇なのだ。【子爵・男爵・平民】はベーシックな1人部屋が用意されている。



 ちなみに学園長のジェルム・クロスフォードは高齢だが、今でも魔力の高い4属性持ちとしてもその界隈では有名だそうだ。学園長に憧れて教師になった者や、目標にする学生も多い。


 学園のカリキュラムは大まかに、1年でまず基本的な科目【魔法学・歴史学・語学・魔法石学・魔法薬学】を学び、実践も行なっていく。その後、2年からは自分の能力や将来に合わせて、4つの科に分かれていくスタイルとなっている。【魔法騎士科・魔法師科・錬金術科・魔法薬学科】






 ───────────────






 そんなこんなで、気がつけば入学式当日に。


 私は正門の前で馬車を降り、ルルクナイツ魔法学園を見上げた。え、ちょ、想像以上に広いんですね……


 迷子の確率が、王宮よりもグンと上がったんですけど……?


 見た目は前世の知識を借りるなら、某魔法学校と現代の有名大学を足して2で割った感じでオシャレである。(語彙力が乏しい)



 建物もオシャレなのだが、制服もこれまた凝っている。白の襟付きフリルシャツを中に着て、上部分がブレザー風になっている紺色のワンピース。ウエストの部分で黒地の光沢のあるラインの切り返しがされていて、後ろにリボンの飾り付きだ。


 ワンピースの裾部分にも白フリルと、ウエスト部分と同じ黒地のラインがあり、全体的に清楚可愛い感じである。ボタンは学園の紋章入りの金色で、胸元と袖に付いている。足元は黒のタイツに焦げ茶色の編み上げショートブーツだ。


 学年で胸元に付ける細い紐リボンの色が変わるのだが、1年生は赤だった。これもまた、サテン生地で光沢があるワインレッド色で気に入っている。


 よーし、まずは入学式の行われる講堂へ向かわねば。迷子にならないように気をつけよう。



 …………あれ、フラグかな?


「講堂はすぐそこなのに、なんで入口に辿り着かないの……?」


 講堂に向かって真っ直ぐ歩いていたはずなのに、気づけば講堂の裏手のような所に出てきてしまっていた。正規ルートは一体どこなんだ。


 講堂であろうこの建物に沿って歩いていけば何処かに扉があるかと思い、角を曲がると、すぐそこに人がしゃがみ込んでいて「ひょっ」と思わず声を上げてしまった。しゃがみ込んだままの男の子はこちらを見つめて、声を掛けてきた。


「あ、新入生の方ですか? 僕も新入生なんです。ラウル・ポトリーといいます。よろしくお願いします」



「え? あ、どうも初めまして……アリスティア・マークと申します。こちらこそよろしくお願いいたします……?」


 思わず返事をしたけど、何でこの方は立ち上がらないんだろう……?


 私が訝しげに見ていたのに気づいたのか、あぁ、と言葉を続けた。


「実は講堂の入口が分からなくて迷っていたんですけど、裏手に来てしまったと思ったら怪我をした小鳥を見つけちゃって……」


「僕、動物大好きなんで見捨てられなくて困ってたんです……」と、くるくるした淡いピンク色の髪に紫眼の、小柄な可愛らしい顔立ちの男の子はシュンとしながら、そう話している。


 可愛い子が可愛いものとセットになるとすごい破壊力だなぁ……天使かな。



 んんん、そんな事考えてる場合じゃなかった。


 私は気を取り直してポトリー君の前に座り込み、小鳥の様子を覗き込む。ふんふん、足に切り傷があってちょっと出血しているのね。急を要する感じではなさそう。


「とりあえず小鳥はハンカチで包んで一緒に連れていきましょう? 先生に事情を話せば、もしかしたら治せる方がいるかもですし! とにかく入学式が始まるまでに講堂の入口を見つけないと、私たち初日から遅刻で、下手したら無断欠席になると思います!」



 この私の言葉を聞いて、ハッとした顔になったポトリー君は、爆弾発言をするのである。


「そうでした! 僕、特待生代表の挨拶しなくちゃなんですっ!」


「いやちょっと待って!? それかなりまずいですよね!?」


 可笑しいな。


 私いつもはボケ要員なのに、ツッコミに回らざるを得ないのは何でだろう。


 この迷子2人と小鳥1羽、誰か助けてください。


 ……と、思っていたら救世主、現れました。




いつもありがとうございます(*´꒳`*)

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