激戦とクリア
終わらせるために長めです。
そんな訳でボス部屋っぽいとこの前まで来た。
洞窟の奥の鉄で出来た頑丈そうな扉の前だ。
よく考えたらおかしいことが結構あるな。あのゴブリン共も徘徊してるやつとは違って鉄で出来た綺麗な武器防具をしてた。
こんなゴブリンがいい武器防具してるとかおかしくないか?ゲームだからいいのかな?まぁ考えても分からんからな。
よしっ。回復したし防具の耐久値も大丈夫だった。行くか。
扉を開けたら大きな広場だった。何故か嫌な予感がするが、そこにはさっきの見張りゴブリンがいた。
こちらを確認してすぐに鳴き出す。
「ギャアギャーーー!」
声が響いて耳が痛てー。なんで1匹しかいないんだ?
だが、援軍が来る前に殺さないと厄介だ。
走って見張りゴブリンの傍まで来た。何故か見張りゴブリンは動かない。
見張りゴブリンの毛の1本1本を確認出来る距離になった途端、周りの地面が浮かび上がりさっきのゴブリンパーティーより格段に強そうな短刀ゴブが踊りかかってくる。その穴から盾ゴブがたくさん出てきて俺の周りを大きく囲む。
この行動に違和感が大きくなり、何となく想像出来た。
「これはもう攻略とかじゃねーな、、、知能あるとかの問題じゃない、戦争かよ。」
「「「「「ドンドンドンドンドン!」」」」」
ゴブリン共が足を踏み鳴らす俺の武器より1段階上だろうと分かる装備をガシャガシャ言わせて威嚇する。
盾ゴブの隙間から短刀ゴブが隙を伺い、その後ろで弓ゴブと魔法ゴブが弓と杖を構えている。
パッと見ても何十匹は優にいるだろう。
「こりゃあ流石に、初めての死に戻りかな?」
1匹1匹がLv20はある。何匹かLv30代もいるから無理だろ。
「あ?」
周りを囲んでいたゴブリン共が広場の奥の方の道を開ける。
全身からブワッと鳥肌がたつ。
そこから来たのはLv40の侍ゴブリン2匹と、、、、
他のゴブリンより大きく170cmぐらいあり、真っ黒な髭を生やし妖しく光る装備で身を包んだLv55の化け物だった。
そのゴブリンを見た途端すぐに逃げようとしたがもう侍ゴブが逃げさせないとばかりに囲む。
ゆっくりとゆっくりと髭ゴブが歩いてくる。その上位者と言わんばかりの態度にフツフツと怒りが湧き上がる、髭ゴブが話しかけた。
「人間がなぜここに来た?食われに来たのか?」
「道に迷ってしまいまして。ここのことは誰にも話さないので返してくれませんか?」
「何を言う?俺たちの仲間を殺しといてそんな都合がいいことがあるわけなかろう。残念だが貴様は俺たちに食われるんだ。」
俺は何も言わずにインベントリから仮面を取り出す。
周りのゴブリンは止めようとしたが髭ゴブが止める。
「弱小種族が何をしても意味なんてない。好きにさせて飽きたら殺せばいい。」
他のゴブリン共がギャアギャアと笑う。
仮面を付けた。
「私に勝てると思ってるんですか?ゴブリン」
ほうこうなってんのか、俺が話すと口調が変換されて敬語になった。一応さっきまでの敬語はなんちゃって敬語だからな。こっちの方が傲慢ポイってか。だがこれはいい、傲慢のスキルと我強者也が強力になってやがる。
ガチャガチャなっていると思ったら侍ゴブと髭ゴブ以外のゴブリンが震えていた。
「これが強者の威圧ですか。使えますね。」
「貴様何をした?急に貴様からビリビリした気配を感じる。おいゴブリンザムライ俺たちだけであいつを殺すぞ。」
スキルを発動させてもまだ髭ゴブと侍ゴブの方が速い。
これは圧倒的にステータスが足りない。
だがここには俺の威圧で動けないゴブリンがたくさんいる。
Lv上げだ。
盾ゴブを弾き飛ばし、後衛を狙う。次々と首が飛び、俺の頭の中でLvup音がなり続ける。
その音を無視して首を飛ばし続ける。
髭ゴブと侍ゴブが止めようとするが、ゴブリンが多すぎて武器を振り回せず止めに止められない。
そろそろゴブリンがいなくなってきた。
何故か死体は消えずそのままだ。血の海の中俺は構え直す。
「化け物が、、、貴様はなんなんだ?」
「ただの弱小種族ですよ。」
「、、、先程までの非礼を詫びよう。俺の名はゴブオウ。このゴブリン集落の王ゴブリンキングだ。」
「私の名はマージ。モンク兼傲慢の大罪人です。」
「貴様が今代傲慢の大罪人か。化け物なわけだ。だが、先祖より預かりしこの集落、守らずして何が王だ!お前ら、ゆくぞ!あの化け物を殺せば俺たちの勝ちだ!」
「「ウオゥゥゥ!」」
何っ!速い!チームワークも厄介すぎるほど完璧だ。
ゴブオウが大太刀を抜き放ちそのまま地面に叩き込む。
地面が爆ぜた。その爆風に吹き飛ばされた俺に侍ゴブが刀を突きこむ。
「グワァ!」
1本の刀の切っ先が左肩に突き刺さった。
だがゴブリン達は止まらない。ゴブオウが上段から大太刀を叩き込む。間一髪でそれを避けると、侍ゴブの膝に裏拳を入れる。
侍ゴブは吹っ飛んだが、膝は折れなかった。
硬すぎんだろ。まじでヤバい。動きが速すぎる。
ゴブオウが大太刀を鞘に収める。
居合切りか!
予想は半分当たった。ゴブオウは離れた場所から居合切りをした。
速すぎて刃が見えない!っ!避けろ!
避けきれず大太刀から放たれた真空刃が足にかする。
「グッッ!」
痛みを感じるよりも早く侍ゴブが転がる俺に刀を刺す。
何とか避けれたが、ボロボロだ。
まずは侍ゴブを潰さないと、、、
俺は歩行術を使って滑るように移動すると、侍ゴブに蹴りを食らわす。吹っ飛んだ侍ゴブに追撃しようとするとゴブオウが回り込む。
くそっ!まじで強いなこいつら。
考えていた間に侍ゴブが起き上がり構える。侍ゴブが俺を囲むように動いた。
何とか戦況を変えなければ、、
その後もどんどん俺の切り傷が増え、HPポーションが底を着くと、ゴブオウが決めに来た。
「これで終わりだ!」
やっと来た、大上段の振り下ろし。待っていたぞ。
振り下ろされ俺に当たる直前に左腕を刃に当てる。左腕が切り飛ばされたが、死んでない。驚いているゴブオウに足を掛け、体制を崩すとそのまま右腕をねじ曲げる。
「グァッッッ!」
これでこいつはもう大太刀を持てない。
痛がるゴブオウの首に手を掛け地面に叩きつける。
ゴブオウが悲痛の叫びを出すが気にせず腕を回し、、、
ゴキッ
首が90度回転し、ゴブオウが力無く崩れ落ちる。
呆然としている侍ゴブ達に走り片方の侍ゴブをもう片方の侍ゴブに向かって蹴る。侍ゴブが纏めて壁に叩きつけられよろよろと起き上がろうとする。その前に1匹の胸にテレフォンパンチを打つと胸を貫通し即死した。もう片方の侍ゴブの顔面に蹴りを放ち陥没させ死亡させた。
物音がして見ると見張りゴブリンが茫然とこちらを見ていた。
ゆっくりと近寄り痛みがないように首を折った。
「はぁ、はぁ、やっと、終わった。」
俺は静かに仮面を外すとその場に倒れた。
「きつかった、本当につらかった。体が痛てー。」
チャクラをかけていると、
<レイドクエスト:邪鬼の軍団を達成しました。討伐者に報酬を送ります。>
{初回報酬:邪鬼王の大太刀・邪侍の刀・邪鬼の鉢・邪鬼の羽衣・邪鬼の宝具・火魔石・水魔石・地魔石・風魔石・闇魔石・光魔石・超級ポーション×20・攻撃上昇薬×10を取得しました。}
{初回ソロ報酬:邪気法・体術・剣道・真空刃・縮地を会得しました。}
{傲慢の大罪人クリア報酬:傲慢の大罪人が傲慢を司る者に進化しました。}
「またかよ、、、」
書いてて楽しい回だった。次の次ぐらいで掲示板回挟みます。