終焉の戦士
短編書いてみました。
授業中に笑
この状況を変える事はできない。
この男は、否、全ての人間がそう悟った。
圧倒的不利。生きるための道は全て閉ざされた。
そしてその男は死を思う。
死を思い、死を慈しみ、死を愛しそしてーー
ーーーーーー死に、愛されたーーーーーー
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辺りに突然の暴風が吹き荒れる。
しかし、ほとんどの人間がその状況を理解する前に首から上を失い、屍と化す。
1000人は居たであろう生きている人間は今はもう、20人いるか居ないか。
「ひぁ…へぁぉぉぁ…?う、うわぁぁぁぁぁ…ッッ!」
運良く生き残った人間は訳も分からぬまま叫び、怯え、そして意識を手放す。
二人の人間以外は。
「何が…起こった…!?おい、答えろ男ッ!!!」
「…を…せよ」
「はぁ?何言っーーー」
「死を、渇望せよッッ…!!!」
その瞬間、あまりにも場違いな美しさを持つ死の妖精が嬉しそうに戦場を蹂躙する。
その時間は刹那のようにも永遠のようにも感じられた。
「さぁ、行こう…。我が身に与えられし使命を果たすためにーー」
そして、全てが無くなった。
文字通り、全てが無くなったのだ。
海も山も風も花も動物も人間も、そして、
その惑星さえも
そして今、新たな地にて''生''が生まれる。
役目を終えた男が新しい''生''となったのだ。
''死''から愛を与えられ、''生''から慈悲を与えられた。
後、人々はその男の事をこう呼んだ
ーーーーーー終焉の戦士ーーーーーー
こういうのもいいですよね。大好きです。覚醒する系。