出会いの間違い編その1
ラジオにお泊まりにテストにとなかなか多忙で書く時間を作るのが難しかったです(苦笑)番外編の反動か今回は少し短めになっております...
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俺が一人暮らしを始めて丁度一週間を過ぎた日曜日。
最初はあたふたしていた事もあったが一人暮らしに憧れていた頃があり、それなりに家事スキルを磨いていた時期があったので自分一人分の料理や洗濯などにもようやく慣れてきた。
不満があるとすれば上に住んでいる和泉さんの部屋なのだが、2日に1回程怒鳴り声や何かを落としたようなゴンという音がするのだが、多少の騒音くらいは覚悟の上だったのでそれも問題はない。
せっかくの日曜日なのだが外は雨が降っており外出する事も出来ないので今日は1日家でゴロゴロしているとしよう。
幸い買い物などは昨日の内に済ませているので心配する事もなく、荷物もある程度片付いてきた所なので本当にする事が無い。
「こーいう時に、犬猫とか飼いたくなるんだよなー」
犬猫がいたら、遊んであげたり撫でてあげたりと飽きる事なくひたすら癒されるという一日も過ごせたのだろう。
「あ一、可愛いがりたい......癒しが欲しい..」
俺は心の本音を呟いた。
......一人暮らしをして気付いた事だが俺は独り言が多くなった?と少し思う。
一人暮らしと言っても『部屋にだれもいないから一言も喋らない』という訳にもいかないし、コレは一人暮らしあるあるに含まれるのだろうか。
「にしても、コレ雨強過ぎないか....?」
雷まで鳴り始めたので外はかなりの荒れようである。
そんな時、突然部屋のインターホンが鳴った。
「ハーイ、今出ま一す」
こんな日に一体誰だろうと思ったが、思いあたる人もいないので恐らくは実家からの荷物かなと想像し俺は部屋のドアを開けた。
しかし、部屋の前に立っていたのは宅配業者さんではなく、
「こんにちは!一人暮らしのお兄さん、何か困っている事はありませんか?」
と元気よく訳のわからない挨拶をしてくる一人の少女だった。
こんな天気なのに傘もささなかったのか、黒髪や身長より大きめのセーラ一服はずぶ濡れになっていた。
年齢は中学生くらいだろうか。
挨拶の時にチラっと見えた小さな牙と身長の低さから、小犬のような印象を持たせる。
俺は突然の来客に、
「別に困ってる様な事はないしなぁ......それより君大丈夫?」
普通だったら「結構です」の一言で追い返すべきなのだろうが、俺はこの子とはどこかで会っている様な気がしたので一応心配をしてみた。
すると、
「え....、わ、私は大丈夫ですよ!?......本当に何も困ってないんですか....?」
俺の心配が予想外だったのか動揺しながら最初の元気さなど感じないような弱々しい返事をしてきた。
「困ってる事か....そーだな一強いていうなら今かな?」
「ふぇ......?」
「ここじゃ寒いし雨も少し入ってくるからね。正直早くここ閉めたい」
そう言うと少女は「そう、ですよね.....ごめんなさい」と言い残しまた雨の降る外へ向かおうとする。
「おいぃぃ?!どこ行くの!?......雨止むまではここにいて良いよ」
少女は驚いた顔をしながらΓ本当に良いんですか...?本当ですか....?」と聞き返してくるので、
「10秒以内に入らないと、ここのドア閉めちまうぞ一?」
「わぁぁ!?すみません!入ります、入りますからお願いします!」
そう言って部屋の中に入ってきた。
反応からして悪い子ではなさそうだし『何か事情があるのかもしれない』と思ったので問題はないだろう。
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「にしても......本当にずぶ濡れだね」
「すみません....」
俺は苦笑しながらこれからどうするべきか悩んでいた。
「とりあえず、タオルを洗面所まで敷いていくからそのままお風呂入りなよ」
「そ、そこまではさすがに.....、雨宿りさせていただけるなら私玄関だけで十分なので...」
「それで風邪でも引かれたらそれこそ困るっての。その制服も洗濯して乾燥機かけといてやるから」
「....なんで私なんかにそこまでしてくれようと...するんですか...?」
俺はこの少女と最近出会った事があると、ここ数分でようやく気付いたので俺はこの子に話を聞く事にしたからだ。
なんて事を今言うとまた動揺してしまいそうなので俺はもう一つの気がかりを聞く事にした。
「靴も履いていない女の子がそれ言っちゃうのか。.....君、俺に助けて欲しいとかの目的があってここに来たんだよね?」
そう言うと、やはり少女の顔色が変わっていった。
その顔は今にも泣きそうな弱々しく冷たい顔をしている。
「本当に風邪引いちゃう前に早く風呂に入りなよ。その代わり後で話は聞かせてもらうからな」
「..っ.....はい..ありがとう、ございます..」
少女は敷いたタオルの上を歩き、洗面所へと入っていった。
まだ一人暮らしをして1週間だし、毎日掃除もしているので別に女の子が入っても問題はないだろう。
少女がお風呂に入った事を確認した俺は、敷いたタオルを片付け、少女の服を洗濯し、少女が上がるのをリビングで待つことにした。
にしても....一体何があったんだろうな。
「あの女の子、上の和泉さんの所にいた子だよな......」
最初の挨拶の時に一瞬だけ見かけた少女。
その一瞬で目があった事がしばらく忘れられなかったのだが、こんな形で関わる事になろうとは。
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Γ透也さ一ん?何ボーっとしてるの!早くゲームの続きしようよ!!」
今の少女はこんなである。
今の現状は間違いだらけの産物だが、最初に思いきり間違えたのは出会いからして俺の方なのだろう....。
明日から試験とテストの連続だぁぁぁっ!!という事で、更新スピードが疎かになります...。しかし、それを乗り越えれば番外修学旅行編の作業に集中できますので何卒ご容赦ください...。誤字やアドバイスコメント、ブックマークや感想等いただけると作業の励みになります♪よろしければ是非お願い致します。