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ポッキ一ゲームと秘策はサクサク

今話は疲れました......

お楽しみください!

あーコメディ要素を書きたいな一



***


「ポッキーゲームをしましょう!」

元気の良いハツラツとした声で家出少女である目の前の女の子、旭ちゃんはそう俺に提案してきた。

ポッキ一ゲームとは簡単に言えばキスをするきっかけになりうる11月特有のゲームである。

ポッキ一の端を男女のどちらかがくわえ、もう片方の端をもう1人がくわえる。

そのまま食べ進めていき唇が触れあえばもうそれはキスというゲームとは名ばかりの物。

11月11日はポッキ一の日と呼ばれ、大体『この日のみ』ポッキ一ゲームの話題が持ち上がってくる。

まさにカップル接待イベントと言えるだろう。

「なんでそれを俺とやろうと思ったの......ゲームなら別に色々あるだろうに」

「ここに丁度ポッキ一があったのと今月が11月だからです♪」

今月が11月なのは良いとして丁度ポッキ一があったというのは都合が良すぎではありませんか旭ちゃん......。

「い、いや!俺たち付き合ってる訳じゃないからね?君が成り行きでここに住み込んでるだけだからね!」

「成り行きで住み込んでるなんて......あの日の夜の事、わ、わすれちゃったんですかっ....グスッ」

「誤解を招く言い方やめよ!?確かにあの日は夜だったけど、変な意味での夜とかじゃないだろ!というか、グスッって声で言ってる時点でもうアウトだよ!」

今日の旭ちゃん、いつも以上に飛ばしてくるなぁ。

変な違和感の事と相まって余計に心配になってくる。

だがその前に......。

ポッキ一をくわえてもう準備万端の旭ちゃんをどうにかせねば。

「透也さん?は一やーく一」

これはもう腹を(くく)るしかないか?

しかし相手は中学生だ。

本気でやると見せかけてきっと向こうから先に折ってくるハズ。

だったら余計に抵抗するよりも身を任せた方が話も早く進むだろうしな。

「わ、わかったよ」

俺は旭ちゃんがくわえてる端の反対側をくわえる。

こ、この時点で顔がすごく近いんですけど......。

「でわ、よーいすたーと一」

旭ちゃんがポッキ一をくわえながらそう宣言した。

両端から俺も旭ちゃんも徐々に徐々に食べ進めて行き、その分顔も近づいて行く。

......コレ、もう次で唇当たる距離なんだけど...。

俺はきっと赤面はしているだろうし、彼女のいない俺には女の子とここまで近距離になった事も無いのでもうドキドキしっぱなしでもうとにかく余裕なんて物は恐らくない。

旭ちゃんの方はと言うと恐らくまだ余裕なんだろうなと目だけで旭ちゃんを見ると...その顔はりんごのように真っ赤になっておりそんな彼女と目があってしまった。

アレ?これもしかして旭ちゃんの方が余裕無かったりする?

そう思うと俺には大分余裕が戻ってきた。

このまま旭ちゃんの反応を見ていても面白いかもしれない。

だが、とりあえずずっとこのままという訳にもいかないので俺からポッキ一を折る事にし、それにより旭ちゃんとのポッキ一ゲーム?は終わりを向かえた。

「......」

ポッキ一ゲームを終えたのに全く動く事の無い旭ちゃんに俺は声をかける。

「旭ちゃん?だ、大丈夫か......?」

「ふぇ......と、透也さん....あの..わたしっ」

「俺がここまでしてくるのを予想してなかったのかな?」

まだりんご状態の旭ちゃんはポッキ一ゲームに俺が参加するとは思っていなかったようで「う、うん」と余裕のない返事を返す。

どうやら本当にどうしていいかわからなくなってしまったようだ。

旭ちゃんはいつも俺に対してかなり攻め混んでくるタイプなのだが、それは俺の反応をあらかじめ大体予想しているためであり、このような予想出来ていなかった場合になると途端に大人しくなるというかしおらしくなる事がある。

自分からポッキ一ゲームを持ちかけておきながらここまで余裕を無くすなんて事は普段の彼女らしからぬ事であり、そうなると彼女がいかに焦っているかを考える事も俺にはそう難しい事では無かった。

この状態なら話を聞き出し安いかもしれない。

そう思った俺は、今日感じていた違和感とそれ故のポッキ一ゲームの原因を今このタイミングで旭ちゃんに聞く事にした。



***


「今日学校の校門前で晴香(はるか)さんに出くわしたんです」

旭ちゃんは今日ここに来るまでの事を話した。

晴香さんというのは旭ちゃんの叔母に当たる人で、旭ちゃんがここに居候するまで一緒に暮らしていた保護者のような人だ。

俺は晴香さんとは一度話をしているので何故旭ちゃんが不安を感じたのかも何となくわかった。

「そしたら晴香さんに『あなたへの対応は健仁(けんじ)さんに任せたわ。対応が決定するまでは好きにするといい。それだけよ』と言われて......」

今日違和感を感じたのはやはり家族絡みだったようだ。

しかし、いくら自分の娘では無いにしてもまだ中学生である旭ちゃんに『わざわざ』対応と伝えるあたり、晴香さんはやはり旭ちゃんに容赦は無いみたいだな......

今後への不安を相当感じているらしく、旭ちゃんは涙をこぼしながら自分の想いを吐き出した。

「た、対応って事は私、もうすぐここにいられなくなるんですよ?そう思ったら.....なんとかしなきゃって、ここに...ずっといたいから...透也さんに迷惑をかけるけど...、私はここにいたいから....だから...」

その後はもう言葉にはならなかった。

だが旭ちゃんの気持ち、そして想いは十分に伝わった」

「旭ちゃん、もう無理しなくても大丈夫だよ。そういう事なら俺も動かないとな。今の俺は旭ちゃんの保護者な訳だし。2人でなんとかしてみよう!」

まだ未成年でも保護者と言えるのかは微妙な所だが気にしない。

当然の事ながら旭ちゃんはこの件に関して自信が無いようで不安ながらにも「うん...頑張る」と一応返してくれた。

しかし俺にはこの件、本当になんとか出来るかもしれない。

というかなんとかなる。

その確信の訳は旭ちゃんも、晴香さんにも恐らくはわからないだろう。

俺の確信の訳はこの件に健仁さんが関わっているという事だ。

「旭ちゃん先お風呂行って良いよ。明日も学校あるんだし1回サッパリしてきなよ」

旭ちゃんがお風呂に入った事を確認した後、俺はある人に電話を掛けた。


「もしもし健仁さん?例の件についてなんですけど......」


読んでくださりありがとうございました。

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