子供の帰り見守ります編 ちょっといい話
皆さん、こんにちは、紫雀です。
本日のお題
どこの地域でも、子供の登下校の安全には気をつかってますよね。
うちの子が通っていた小学校でも、やっぱりそこは変わらず
地域のお年寄りが家の外に出て、登下校を見守って下さったり
小学校でも「ぶじかえる」のステッカーを
保護者に配って啓発につとめたりしていました。
上の子が私立の中高一貫校に通っていた頃の話です。
私立なので校区は関係ありません。
家から歩いて5分の近い子から、汽車やバスを乗り継いでくる
遠い家の子までさまざまな所から通ってきます。
合唱部に所属していたA先輩の話。
家の遠い近いは関係なく、
部活に所属していれば当然
帰りは遅くなります。
ましてや、大会が近いともなれば
拘束時間は長くなります。
部活が終わり、塾にいってから家に帰り着くのは
夜の10時過ぎ、それが毎日続いていたある日の事です。
田舎に住んでいた先輩
家までの暗くて街灯のない夜道
一人で歩いているのは怖いので
合唱の自分のパートを歌いながら歩いていました。
ところがです。ある角を曲がると、
あかあかと賑やかに店中の電気をつけているお店がありました。
看板をみると果物屋さんのようです。
「?・・・こんな時間に営業?」
時計と見ると夜9時を過ぎています。
こんな時間に果物を買いに来る人いるのだろうか
不思議に思いながら店の前を通りすぎました。
いつもは暗いのに、なんで電気がついてるんだろう。
ほんとに不思議です。
そして夏の大会が終わるまで、
このお店の前だけは、いつもピカピカと明るかったのでした。
合唱大会が終わって帰り時間が早くなり
あの時間帯に全く、果物屋さんの前を通らなくなったある日
知り合いが病気で入院したので果物籠をもって
お見舞いに行くことになった。
「お父さん、あそこの果物屋さんに行こうよ」
父親を説得してお店に入り、果物籠を注文した。
出来上がる間、いつもの癖で大会で歌った歌を口ずさんでいると
「ああっ、君だったのか。その歌すっかり覚えちゃったよ」
出来上がった果物籠を差し出して店主は言った。
「ある夜、店を閉めようと電気を消しかけてたら、
女性の歌声が聞こえてくるじゃないか。びっくりしたよ。
うちの店の前は夜は街灯もないし、ほんとに暗いからね。
夜に女の子が一人歩いているのは、危険だなと思って
歌が聞こえる間は、店中の電気をつけてたんだ。」
そうだったんだ。偶然じゃなかったんだ。
私の事心配して、電気つけてくれてたんだ。
「最近は、歌が聞こえなくなってたから、どうしたかなと思ってたんだけど」
「そうでしたか、ありがとうございました。おかげで夜道がちっとも怖くなかったです。」
自然に笑顔がこぼれた。
素直にお礼を言った。
A先輩は、この話を作文にして表彰された。
「ねぇ、すごいよね。お母さん、これ実話なんだよ~」
「うん、すごい!!」
『その店、どこにあるの?
こんど果物、買いにいきたいな。』と本気でそう思いました。
世の中、こんな美しい話もあるって事で
以上、紫雀のちょっといい話でした。