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Face of the Surface

こんなことして大丈夫か

作者: 悟飯 粒

大丈夫だ、問題ない。

「そろそろ必殺技の名前を決める季節になった。」


丘の上で座りながら、俺は話し始めた。


「………狩虎。必殺技の名前ってどういうことだよ。」


それに応える宏美。


「俺達の技に名前をつけようって話さ。小説化するにあたって必殺技に名前がないと格好悪いだろ?」


[地底800マイル]の続編になる予定である[Face of the Surface]。前回は初めての小説執筆だったからテンポ重視に走りすぎてしまい、小説の意義を忘れてしまった。次回はそれを踏まえてより面白いものを作らなくてはならない。つまりだ、1人でうじうじしてないで多人数から話を聞こうと思ったのだ。


「えぇぇ………やっぱり書くんですか?書く必要ないですよ。」


それにイリナが口答えしてくる。まったく………


「あんな終わり方して[続編なんてありませーん。あとは全部自分で考えてねー。]なんてことやったらな、読者を敵に回して孤立しちゃうんだぞ。」


誰とは言わないがそんな人がいたようないなかったような………まぁ、そういう人から学んでいくのが大事だよね。


「といっても僕達3人には名前なんていらないんじゃない?」


岩をこねて遊びながら、遼鋭が物申してきた。


「そもそも僕達クラスの全ての攻撃は一撃食らったら終わりじゃないか。つまり全て必殺技なわけ。それなのに名前なんて一々つけてたら時間がないよ。」


俺と遼鋭と宏美は魔王様である。魔族の王様である。魔族のNo.2である。正直めちゃんこ強い。イリナは第二類勇者といって勇者のNo.2である。しかもその中でも突出して強い。つまりここには、悲しいかな、強い奴しかいない。


「ああ………だが俺達は必殺技に名前をつけなくちゃいけないんだ。そういうのをつけると映えるだろ?字面が。」

「でもそういうのって恥ずかしくない?自分の技見て[………ディバインブラストだな…………]とか言うの。想像しただけで頭爆発しそうなんだけど。」

「おう、的確に俺を攻撃してくんじゃねぇ。そもそも俺だってあんなの考えたくなかったんだよ。」


イリナが勝手に[乙女の一撃]とかようわからん名前つけてたから仕方なく変更したんだよ。したくてしたわけじゃないんだ。察してくれ。


「それにあれだ、遼鋭とイリナさんは名前をつける必要ないぞ。」


遼鋭とイリナにはもう技に名前がついている。だから今回の標的は俺と宏美なのだ。


「つっても勝手がわからないなぁ。」

「ふっ……仕方ない。俺から実演してやろう。」


パチン!!

俺が指を鳴らすと巨大な炎の柱が出現して雲を突き抜けた。


「まずこれの名前をみんなで考えようじゃないか。俺的には[レタスとツナマヨのサラダ。カニカマを載せて]を推したいんだが……」

「お前のネーミングセンスどうなってんだ。ここはフレンチレストランじゃないぞ。」


ペチン!!

宏美が俺の頭を殴ってきた。

「いや、やっぱり美味しい方がいいじゃん。本当はコーンものっけたいんだけどな……」

「必殺技に美味しさを求めるなよ……」

「僕的には[もっと熱くなれよ!!]が良いと思うな。」

「ちょっと待て、遼鋭までふざけ始めたらこれ収集がつかなくなるぞ。」

「………[レッドエク○カリバー!!]って言うのは」

「イリナちゃん!?そういう著作権が危なそうなのはやめようか!?」

「えーーでも良い案じゃない?[レッドエ○スカリバー]カッコいいじゃん。」

「出版する奴がそんなこと言ってて良いのか!!盗作で捕まるぞお前!!」

「おう上等だ!!捕まえられるもんなら捕まえてみな!!つーわけで採用だ!!」


こうして俺の必殺技の1つが[レッドエク○カリバー]に決定した。

うはっ、なんだこれ、超調子がいいぞ!!このままじゃんじゃん名前をつけていこうぜ!!


今度は炎を圧縮して、目の前の山1つを消し飛ばした!

「[パンプキン爆弾]でどうかな。」

「採用!!」


今度は足の踵から水を出して俺のキックを加速させた!!

「[アク○ジェット]しかないな。」

「ノリノリ気分で採用!!」


今度は自分の勇者の魔力を肥大化させ、自分の限界を超える力を引き出した!!

「[リミッ○ブレイク]やっちゃいますか!」

「ここに、採用に必要な何かがあるんだ……」


今度はそのまま氷をドーム状に展開して、1つの凍える空間を作り出した!!

「[バト○ドーム!!!]」

「採用枠にシューーット!!!超☆エキサイティング!!!」


今度は炎と水をかけあわせ蒸気を生み出し、突きと同時に放って離れた場所にあった木をなぎ倒した!!


「[蛙○手]待った無し!!!」

「お前に渡したいものがある。……もう目を開けていいぞ。………採用…………おめでとう。」


こうして俺の必殺技の名前は着々と決まっていった。カッコいいものばかりだ。このネーミングセンス……ふっ、我が作品が時代を席巻してしまうのも容易だろう。


「それじゃあそろそろ宏美の必殺技の名前でも………」

「おい貴様ラァァア!!!」


楽しく会話をしている中、いきなり怒声を浴びせられた。

振り返ってみると、そこにはボロボロの布切れを羽織った十数人の集団………カースクルセイドだ。こいつらは勇者と魔族でタッグを組んで、勇者領を潰そうとしている典型的な悪者だ。

そしてこいつらは目上の人間を集団で倒して階級を上げようと目論んでいる。きっと俺の炎と氷が目立ってしまって引き寄せてしまったのだろう。


「………喧嘩売る相手を間違ってんじゃ…………」

宏美が立ち上がろうとしたが、俺はそれをなだめた。


「………ここは俺に任せろ。必殺技を実践したいんだ。」


俺は立ち上がり、カースクルセイドの前に立った。

そして………


「[フレイムピラー!!]」

「!!!」

敵の足元から小さな炎の柱が出現し、敵3人を上空に吹き飛ばした!!

「てめぇ!!!」

敵5人が剣を振り上げて襲ってくる!!

「[アトミックフレイム!!!]」

ボン!!!

圧縮された炎の塊が敵3人を吹き飛ばし、その風圧で他2人が仰け反った!!

「[滝落とし!!!]」

そしてその2人を水の噴出によって加速した蹴りで蹴っ飛ばした!!

「[フラットアップ!!!]」

ビキビキビキ!!!

俺の魔力が膨張し、俺の階級が跳ね上がった!!!

それを見て敵は勝てないと判断したのだろう。走って逃げ出そうとしている!!

逃がすわけないだろ!!

「[アイスコフィン!!!]」

俺と敵を囲むように氷状のドームができ、

[真空掌打(しんくうしょうだ)!!!」

パリンパリンパリンパリン!!!

水蒸気を飛ばして敵を氷の壁まで吹き飛ばし、さらに連打してダメージを蓄積させていく!!!

ギュィイイイインンン!!!

俺の右手に炎が、左手に水が濃縮されていく!!!

とどめだ!!!


「[蒼炎揺らめく紅き狂宴 (フレイムレイズブリザード)!!!]」

ブォォオオオオンンン!!!!

俺の両手から放たれた2つのエレメントが敵全てを巻き込み上空へと立ち上り、

ピキン!!!!

そのまま炎を閉じ込めた巨大な氷の柱へと変化した!!!


あたりに残るのは燃え尽きた草原と、高さ30メートルの氷の柱。それ以外はただの静寂。俺の必殺技の前には敵は残らないということだろう………


「………完璧だ。」

「おいお前。」


ガシッッ

宏美に思いっきり肩を掴まれた。宏美の顔を見ると笑っているのか怒っているのかよくわからない表情だ。ただまぁ、目縁がピクピクしているから……きっと…………笑っているのだろう、きっとそうだ。


「………は、はい、なんでしょうか?」

「最初っから名前決めてたんなら私達いらねぇだろうがぁぁああ!!!!」


ボンボンボンボンボン!!!!

20人がより集まった太さをした植物の根が地中から大量に出現し、俺めがけて振り下ろされ続ける!!!そのせいで地面が上空へとことごとく吹き飛んでいく!!!


「しかもお前、フィニッシュ技まで決めてんじゃねーか!!!!私達の時間を返せ!!!!」

「ちょ、ちょっとしたお遊びだったんですよ宏美さーん!!!本当もう、わたくし、皆様を馬鹿にする気なんて全然なくて………」

「てめぇ馬鹿にしてたのかぁぁああ!!!!」


ピシャァアアンンン!!!ピシャァアアンンン!!!

ボンボンボンボンボンボンボン!!!!!!

ドゴォォオオオンン!!!!ドゴォォオオオンン!!!!


追加で雷と巨大な大岩が上空から降り注ぐようになった!!!!!

空は曇天で黒色に隅渡り、雷と大岩は俺を目指して進み続ける。わーーい!!!!世界の終わりだぁぁああ!!!!

その後イリナに捕まりお説教を食らったのは言うまでもない。

こういうバトル物書きたいんだけどなぁ、[Face of the Surface]には合わないんだよなぁ。

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