ツユの季節
『ツユの季節』 作者・絹空 蕨
あらすじ
【太陽を失った、私たちの家族。それぞれがそれぞれの道を見失い、バラバラとなってしまった母・透子は拒食症のように痩せ細り、兄・レンゲは都会へと働きに出てしまい、私は家に帰ることさえ少なくなっていた。あとは、雨模様が似合う季節にやって来た、「ツユ」という名の少女が一人そんな、夜よりも暗い影で覆い尽くされてしまいそうな一家がある夏の日に見た、ほんの小さな灯火。ちょっぴり変わった家族と、優しい一人の少女の物語】
あらすじにある通り、風変わりな人物が織りなす一家の物語です
深いところで繋がれた一つ一つの文、そこに自分がいるかのような描写、リアルな会話が特徴で、情景が優しく頭に広がるのです。ここまで全てが鮮明に美しく描かれた描写は、最近の作品としては異例だと思います。
興味の惹かれるメタファーや表現がほどよく散りばめてあり、その繋がりを追うのも楽しみの一つです。
私がメタファーを使うのであれば、「言葉と楽しく遊んでいる」でしょう。文章や言葉と楽しく遊んでいるかのような作者様がここにいます。
そんな作者様が描いたこの作品を、あなたも一度堪能してみてはいかがでしょうか。
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