通学路がいっしょなだけだから
『通学路が一緒なだけだから』
作者・大橋 秀人
あらすじ
【幼馴染の男女が偶然か必然か同じ高校に通うことになる。アカネは進学クラスで帰宅部、野球特待のユウキは部活で朝夕の練習があり、通学が重なることは稀だったのだが……。 淡い気持ちの膨らみを隠し通そうと決意するアカネ―――。受難続きの幼馴染み―――。友情以上の深い絆でそれぞれが事件の解決に挑む。青い二人が苦難に直面し、乗り越えながら関係を変えていく群像劇】
色濃く、複雑で、それでいて爽やかな青春ストーリーでした。
人格や人間の内面をこと細やかに描いており、感情移入、まるで自分がその文々という名の茂みに入ることができます。
映像、というよりかは一つの静かな静かな音楽として私を包むようでした。物語の展開に心躍らせるとはまさにこのことなのだろうと、心から実感します。
最初にもお書きした通り、とても色濃く複雑なラストなんです。このシーンだけで、色々と考えさせられます。ですが、その複雑さゆえのもどかしさ、というものが全くありません。むしろ純粋な色を放ち、澄んでいる感じがするのです。
一文一文、一文字一文字がまるで生き物のようになって、私たちの周りを静かに満たしてくれるでしょう。
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