自由な生き方
俺は誰にも縛られない。自由に生きている。
気が向くままに町中を歩き、気の向くままに昼寝をし、気の向くままに遊ぶ。
俺は自由だ。
今日は「公園」と呼ばれる場所で一日のんびりしている。小さな揺れる椅子と、小さな坂のような形のものが置いてあるだけの小さな「公園」。これからすればどれも大きすぎる。
小さな人間が2人、大きな人間が2人、やってきた。小さいほうの人間は椅子のようなものでひとしきり遊んだ後は、坂のようなものに乗って遊んでいる。
大きな人間たちは小さな人間を見ながら話をしている。
その光景をぼんやりとみていると、小さい人間の片方が俺に気付いた。不思議なものを見るように、どこか恐る恐る近づいてくる。
さて、俺はどうしようか。
小さい人間が手を伸ばしてきたので起き上がってみた。すると、驚いたように手を引っ込め、大きい人間に駆けよる。
――お母さん、猫がいる!
小さい人間が大きな人間を連れて戻ってきた。
――あら、かわいい猫さんね。首輪はついてないし、野良猫かしら
小さい人間と大きい人間が何かを話している。俺には分からないが、何か楽しいことを話しているようだ。
――抱いても大丈夫かな?
――気をつけてね。怖がらせちゃだめよ?
小さい人間が手を伸ばしてくる。今度はじっとしておいた。
小さい人間によって抱きかかえられた。暖かい。なにか幸せな気持ちになれる。
いつもは自由に生きている俺だが、たまにはこういうのもいいかもしれない。