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はじまり
岡田8秒1
岡崎8秒3
教師の嫌そうな声が響く
小学三年生で8秒台で走れるのは
僕たち二人だけ
僕は(岡田)由美子ちゃんには勝てない悔しさはあるが
クラスメイトに比べてダントツに早い二人でいることも誇らしかった。
由美子ちゃんと顔を見合わせて
「7(秒台)にならなかったね」と笑い合う
背後から教師の声が更に不機嫌そうに
「まあ・バカとメクラは足だけは速いな」と呟く。
由美子は運動神経は抜群だけど
勉強は苦手
僕は近視だが父親の方針でメガネをかけず
クラスの一番前のさらに前の席で授業を受けていて
特別扱いにクラスメイトから
(メクラ)と言われて蔑まれていた。
僕の家は父子家庭で父親は漁師で大柄ではないけれど怒られせたら怖い雰囲気があった。
由美子ちゃんの家は母子家庭で貧乏なのは
子供の僕から見ても分かったが
お母さんは優しく夜の仕事で疲れていても
由美子ちゃんを大切に思う気持ちは
僕にもわかった。
そして子供心に
由美子ちゃんのお母さんって女優さんみたいやなあ
と感じたが
由美子ちゃんも同級生には近寄りがたい雰囲気と美しさがあった。




