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神々の遺伝子爆弾 ――「最後の審判」で選別された144,000人の魂が織りなす新創世記――  作者: 如月妙美


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第2章:144,000人の記憶に刻まれた神の選択

「これらの者は、女にふれたことのない者である。彼らは童男である。そして、小羊の行く所へは、どこへでもついて行く。彼らは、神と小羊とにささげられる初穂として、人間の中からあがなわれた者である」(黙示録14章4節)

 施設の記録庫で、隆明と玲子は旧創造主たちが残した膨大な文書を読み解いていた。そこには人類史上最も厳格な選別過程が記されていた。

 144,000人——この神聖な数は決して偶然ではなかった。全世界から選ばれしこの魂たちは、以下の五つの聖なる基準によって選別されていた:

 第一の基準:肉体の聖性 疾病に侵されず、遺伝的多様性に富む者たち。彼らの遺伝子は、新たな創造における生命の種となるべく定められていた。

 第二の基準:知恵の賜物 医師、科学者、芸術家、教育者、宗教指導者。人類の叡智を代表する者たちの記憶が、失われゆく文明の遺産として保存されていた。

 第三の基準:心の清さ 極端な破壊衝動や利己主義を排し、協調性と倫理観を重視。しかし完全な善人のみでは多様性を失うため、適度な挑戦精神を持つ者も含まれていた。

 第四の基準:文化の継承 地球上のあらゆる民族、言語、伝統が公平に保存されるよう配慮。人類の文化的遺産を網羅する生きた博物館としての役割を担っていた。

 第五の基準:魂の成熟度 年齢や性別に関わらず、精神的成熟度と人格の深さを重視。若き天才から老いた賢者まで、バランスよく選択されていた。

 玲子は記録を読みながら呟いた。「まるで現代版のノアの箱舟ね...」

 隆明が頷く。「しかし、この144,000人の中には、争いの種も含まれている。旧創造主たちはそれを『必要な多様性』と呼んでいた」

 データを詳しく調べると、確かに様々な思想を持つ人物が含まれていた。平和主義者もいれば戦争体験者も、宗教的指導者もいれば無神論の科学者も。この多様性こそが、新たな世界での成長と進化の原動力となることを、旧創造主たちは理解していたのだ。

「地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた」(創世記1章2節)

「僕たちの役割は」隆明が玲子を見つめて言った。「この混沌から、新たな秩序を創造することなんだ」

 玲子の目に決意の光が宿る。「でも、私たちは神ではない。神の意志に従う器として、謙虚に進まなければ」

 二人は手を取り合い、人類最後の希望を背負う覚悟を固めた。外では文明の最後の灯火が消えようとしていたが、ここには新たな創造の種が宿っていた。


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