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出会い

「キミ、ここの生徒・・だよな?職員室、どこにあるか教えてくれないか?」


3ヶ月前の朝。

もうすぐ予鈴が鳴るっていうのに。

私は舌打ちしたい気持ちを堪えて振り返った。





そこには、明らかに着慣れてないスーツを着た

20代半ば思われる男が笑顔で立っていた。





「職員室なら、あそこに見える昇降口を入って、階段横を右に・・・」


「昇降口ならキミも行くんだろ?一緒に行こうぜ」




普段なら、こういう男には関わらないことにしてる。

でも・・・病欠の担任の代わりがそろそろ赴任してくる頃だったはず。

ということは、この男は・・・。

私は頭に浮かんだ疑問をそのまま口にしていた。




「もしかして、原口先生の代わりにいらしたんですか?」


「ん?よく分かったな」


「・・・・・担任なので、原口先生」


「へぇ・・・・・」


彼は私の言葉を聞いて、私をじっと見つめてから言った。





「それは・・・・・楽しくなりそうだな」




その視線に、心臓がトクンと跳ねたが、私は気づかない振りをした。





「この廊下の突き当りが職員室ですから。じゃ、失礼します」



「あ、キミ、名前は?」



そのまま行ってしまいたい

自分の常にない動揺ぶりに少し慌てながら立ち止まると

しぶしぶ振り返って口を開いた。



「・・・・・島崎結菜です」


「結菜か。よろしくな、俺は・・・」



「荻原先生!皆さんもう職員室で先生をお待ちになってますよ!」





呆気にとられた私に「悪い」と言うようにニッコリすると

『荻原先生』は教頭に引っ張られるように行ってしまった。





「初対面で、呼び捨て?小学生じゃあるまいしっ」





一人残されて心の中で悪態をついていると予鈴が鳴ってしまった。

私は、むしゃくしゃしながら、階段を駆け上がって行くしかなかった。



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