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マリー・グランヒルは愛を教えたい  作者: kwkou
4章 マリーグランヒルはリスタートしたい
53/56

52話 ずれ

—積み重ねは消えない。

—努力は裏切らない。

—諦めなければうまくいく。


 なんて言葉はどれも幻想でほとんどが報われない場合多い。

 悲しくともそれが人生で、それでもし続けるのが大切なこと。


 ……けれど、人はたまに全てが完全に報われることもあるんだ。


 テストの結果が張り出された。

 ミリーさんとの勉強のおかげでいろんな応用とかも触れられた私は今回のテストにとても自信がある。


「あら、マリーさん」


「……ん? あ、サルネさん。こんにちは」


「ええ、こんにちは」


 テストの点がが張り出される廊下でまだか、まだかと待っていると私はサルネさんに声をかけられた。


「どうかしら?マリーさん。今回の自身は」


「そりゃもうバッチリですよ。今のところ思いつく限り間違えた問題がないぐらいですし」


「ふふ、自信満々ね」


「まあ、だいぶ頑張りましたし」


「ええ、良いと思うわ。私もだいぶ自信あるし結果が楽しみね」


「そうですね……っと張り出されるみたいですよ」


 そんな雑談をしていると、先生たちが大きな紙を持ってきてそれを壁に貼り付け始めた。

 したからゆっくりと上に順位が見えてゆき、結果を見た生徒からの悲鳴がところどころ聞こえてくる。


 私も自信があるとは言え、やはり不安もあるためドキドキしながら自分の名前を探す。

 ゆっくり上を見てゆくと自分の名前があるのに気づいた。


 ……お、あったあった。さぁ、順位はどれくらいかな?


 上まで張り出され、ようやく自分の名前を見つけた私はドキドキしながら結果を確かめた。

 そして結果は以下のようになっていた。


クラメル・エレクトロ 合計495点 1位


マリー・グランヒル 合計495点 2位


サルネ・テンサンス 合計489点 3位


 お! 495点!! しかも2位と書かれているけど、実質同率一位!!


「やった〜!!」


「おめでとうマリーさん。実質同率1位じゃない」


「はい! 頑張った甲斐がありました」


「……これで何か変わるのかしらね」


「……何の話です?」


「ふふ、何でもないわ」


 彼女が最後小声でつぶやいたことは私の耳には届かなかった。

 だって、今のマリーにそれを背負わせるのはあまりのもひどいと思ったから、だから彼女は笑顔を作ってその場を後にした。


***


―キーンコーンー


いつものようにチャイムが鳴って授業が始まる合図がする。

そうしたとき、ふと私はクラメルが隣にいないことに気づいた。


……あれ? 朝はいたはずなのに……。早退したのかな?

 ……まあ、まだ夏とは言え体調というのは案外崩れやすいものだし、そういうこともあるよね。


そんなことを考えていると先生が入ってきて私たちにこんなことを言ってきた。


「クラメルさんが早退したから誰か放課後プリント届けてやってくれ」


 クラスがざわめきだした。当然だろう、少し過ごしてわかったがクラメルは思っているよりも嫌われている。

 どうやら噂+その雰囲気から人があまり寄ってこないらしい。

……そして、いや、だから私は思った。……彼女と仲良くなるチャンスだと。だから―――


「はい、私が行きます」


「……! お、そうか。じゃあまたよろしくな」


 そういって、先生は私にプリントの入った封筒を渡してきてくれた。

 クラスでクラメルとかかわりがある人は特にいないので誰も止めないが、心配の目線が飛んでくる。

 話してみて優しそうだと思った人をうわさだけで判断することのに若干の怒りを覚えるものの、逆にそのおかげでうまくいっているというのもあることを忘れてはいけないと思った。


そうして、授業が始まり、私は彼女と何を話したいのかを考え始めた……



―歴史は繰り返す。運命は導く。

 彼女の軌跡は変わらない。

 ……けれど、少しずつ、ほんの少しずつ、世界には変化の色が見え始めている。

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