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マリー・グランヒルは愛を教えたい  作者: kwkou
4章 マリーグランヒルはリスタートしたい
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51話 二度目のテスト期間

更新するつもりなかったんだけど、なんか筆が進んだので更新

 テスト期間がやってきた。

転校して間もないなかのテストで問題の勝手がわからない状態のテスト。

せっかくこの学校に来た以上いい点を取りたいが、やはり不安がつよい。


「う~ん、よっし解けたぞ!」


 私は今、自習室にいる。

 さすが令嬢の通う学園なだけあって自習室は完全個室の防音だ。

 金がかかってるなあ、と思いながらこの集中できる環境に感謝して勉強している。けれど――。


「あ~これどうやるんだっけ?」


 出てくる問題は難問ぞろい。答えを見てもわからないような問題がずらっと並んでいて、何とか食らいついているもののいくつかどうしてもわからない問題もある。


「まとめて付箋張って今度先生に聞きにいかないとな……」


「――そこ、私が教えてあげるわよ」


そんなことをぼそっとつぶやいていると、後ろから誰かの声がした。


「……え~と? これまたどちら様で?」


後ろにいたのは緑色の髪に鋭い眼光が特徴的なこれまた迫力のある令嬢さんだった。


「……噂は本当なのね」


「はい?」


「なんでもないわ。私はミリー、ミリー・グラームよ。よろしく」


 oh、まさかの四代貴族……。なんでこんなに話しかけられるんだ? 私。

 ……あ、とりあえず自己紹介をしなきゃ。


「マリー・グランヒルです。え~とグラーム家といえば四代貴族ですけど……。そんな高貴な方がなぜ私なんかに教えると?」


「……あなた、入試のテストの点よかったでしょ」


「……ああ、はい。まあそこそこは」


「それでこうやって今も努力している、そんな姿を見てちょっと応援したくなっただけよ」


 彼女から出てきたのは想像の斜め上を行く優しい言葉。恐ろしい言葉を言われると思っていたために私は少し拍子抜けする。


「さ、さっきわかんないって叫んでた問題を見せて頂戴」


「……え? さっきの聞こえてたんですか?」


「そらそうよ、いくら防音室といってもどちらかというと外の音を遮断するように作られているから中から大声を出すと丸聞こえなのよ」


「……うっそぉん」


 え? じゃあさっきまでの独り言聞かれてたかもしれないってこと……?

 はっっず!!


「まあ、この時間は特に人もいないし別に気にすることでもないわ」


「……そうですね。はい、ありがとうございます」


 ……ミリーさんはああ言ってるけど、私結構長い間ここにいたし、絶対……

 ……どうか誰も気にしてませんように。


「……それでマリーさん。さっきの話、どうかしら?」


「ああ、……うーん、まあせっかくだしお願いします」


「そう、なら任せてちょうだい!」


 彼女も善意からやっているようだし、特に断る理由もなかったので、私は素直に提案を承諾した。

 すると、彼女はそれを聞いて嬉しかったのか、すこし笑った。最初の印象とは違い思ったよりも優しくて可愛い人だなって思った。


「……それじゃあそこの問題だけど———」


***


「今日はありがとうございました」


「ええ、気をつけて帰るのよ」


 あれから私は、ミリーさんにいろんなわからない問題を教えてもらった。

 彼女の教え方はとても上手でわからなかった問題がすらすらと解けるようになった。


「ん〜、結構勉強してたな〜」


 勉強を始めたときは明るかった空ももう太陽が沈み、星空や月明かりが私を照らしている。

 ミリーさんとは明日も勉強を教えてもらう約束をして、今回のテストはなんとかなりそうだな、少し安心した。


「あ、お疲れ様です。マリー様」


 そうして、馬車を止めているところまで歩いて行くとそこにはいつも通り可愛いメイドのルイちゃんがいた。


「あ、ルイちゃん。ごめんね、こんな時間まで待たせて」


「いえ、これくらいは待ったうちに入りません」


「はは、ありがとね。じゃあ帰ろっか」


「ですね」


 こんな少しの他愛もない会話も楽しいなってそう思った。


***


「……えー、それでは試験を開始します」


 そして、時間はあっという間に過ぎてとうとう時間が始まった

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