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マリー・グランヒルは愛を教えたい  作者: kwkou
三章 マリー・グランヒルの友達への道
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40話 新しい天井

ゲームってたのしい。






ーコンコンー


「…マリー様、入ってもよろしいでしょうか?」


 私は主の部屋の扉を二度ほどノックしてそう尋ねる。まだ、彼女は心の傷も癒ていないのに学校に行って目標のために努力しようとしている。

 そんな彼女が私は好きだけど、本当なら無理はしないで欲しい。

 …まあ、きっとこう願ったって彼女は無理をし続けるのだろう。それが彼女でそれが私の主様だから。

 だからこそ私はそんな彼女が無理しすぎて体を壊さないために、少しでも早く傷が癒えるためにも全力でサポートして行きたい。

 …ちょっと恥ずかしいけど、マリー様がまた求めてくれるなら添い寝も…


 私は昨日のマリー様の体温を少し思い出し少し恥ずかしさを覚えながら主の返事を待っていた。


「…マリー様?寝ていらっしゃるのですか?」


 …返事を待つこと数分、いつもならすぐに声が返ってくるのに扉の向こうからは物音ひとつすらしない。

 …もしかしたら、今日のことで疲れて寝てしまっているのかもしれない。いつもより少し早いが今日の話を聞いたのならありえないことではない。


「…入りますよ、マリー様。」


 私は嫌な予感がしつつも、きっと机かベットで寝てしまっているマリー様の姿を思い浮かべて、その扉をあけた。


「…マリー、様?」


 …しかし、そこに愛おしき主人の姿はどこにもなかった。

 部屋のどこを探しても見つかることはない、そしてふと目についた机には二3枚の手紙が置かれていた。


「…二枚は今日私がマリー様に渡したもの。…じゃあこの一枚は?」


 より強くなる嫌な予感を確かめるためにも、何か情報を得るためにも私はその手紙を開けた。

 …そしてそこにはこんなことが書かれていた。


ーごめんね、マリーちゃんのメイドちゃん。大丈夫、マリーちゃんは私が守るからー


これが誰からの手紙かはわからない、でも一つ最悪の予感が当たったことはわかった。



 …マリー様はまた、誘拐されたてしまったということだ。


***


「…うーん、よく寝た」


眩しい光が目に入り、私は目が覚める。気持ちいい太陽の光と涼しい風が吹いてとても気持ちのいい朝である。…そう、ここが見知らぬところでなければ。


「…どこ?ここ?」


当たりを見渡しても、広がっているのは今では一度も見たことがない部屋。

 一つの部屋に前世で一般的ぐらいのサイズのシングルベッド、本棚に机、そして窓が置かれている。

 カーテンを開けて少し外を覗くと、よくある中流貴族の一般的な庭が広がっている。


「…あれ、なんでこんなところにいるの?私?」


この不思議な状況に対する疑問を晴らすべく私は昨日の自分が何をしていたのかを思い出そうとする。


「確か、昨日学校から帰って手紙を読んで、それで…」


…それで、えっと。………あれ?

…私、何をしていたんだっけ?あれ?なんかあったと思うのに何も思い出せない…。


間違えなく何かあったはずなのに頭の中に穴が空いたようにぽっかり抜けてしまっている。

 すごい違和感があるのに何も思い出せないのである。


「…あ、目が覚めたんだね。おはようマリーちゃん。」


「あ、おはようメリーちゃん。」


「今から朝ごはん作るけど、何食べたい?」


「んー、サンドウィッチ!」


「はーい、じゃあちょっと待っててね」


そうして、朝の挨拶をして部屋からメリーちゃんは…


「…いや待て待て待て!なんでメリーちゃんいるの!?」


「…ん?あ〜、そういうことか、」


「え?」


「…ううん、なんでもない。えーと、ここはね、これからマリーちゃんが私と住んでもらう家だよ。」


「は?」


 あまりにも突然訳のわからないことを言われた私は瞬間的に思考が停止してしまう。

 今なんて言った?ここに新しく住んでもらう?

え?いや、ドユコト?


「…マリーちゃん、変に難しく考えなくていいんだよ。ただ身を任せて私と一緒に過ごしてればいいの」


「え?いや学校は?」


「学校なんて行かなくていいの、もう必要ないんだから」


「いや必要でしょ、流石に。…それに私まだやりたいことたくさんあるし。それこそ、クラ…」


「ーだまれッ!!!」


「ひっ」


「あの女の…あの女の名前を出すなッ!!クソが!まだあいつは私の大事な人を奪おうとしてるのか!?」


 私が『クラメル』という言葉を言おうとした瞬間、メリーちゃんは聞いたこともないぐらい大きな声で叫んだ。

 さっきまでのいつもの優しい声色も笑顔も嘘だったように豹変して怒りと憎しみの表情を醸し出している。


「…昨日は、憎しみや怒りは違うって言ってなのにどうしちゃったの?」


「…え?昨日のこと、覚えてるの?」


「…そりゃあ、…あれ?…おかしい、昨日の記憶がなにも思い浮かばない。まだ一日もたってないのに一切記憶が残ってない…。」


 なにこれ?おかしい。私が昨日のなにかを思い出そうとしてももやがかかったように何もわからない。

ものすごい違和感を感じるのにその正体に対する記憶が一切出てこない。

 認知症でもあるまいし、昨日の今日で全部忘れるなんて…私どうしちゃったんだ?


「…ねえ、メリーちゃん。昨日の記憶が何も思い浮かばないんだけど何か記憶がなくなる病気とかってあるの?」


「…無意識の領域には届かないのか。」


「…え?今なんて?」


「….あ、あぁ、いや何でもない。ごめんね、すぐご飯作るから。」


「い、いやそういうことじゃ…、…あ。行っちゃった…」


この謎の現象、そのわけを確かめる前にメリーちゃんはまるで私から逃げるように部屋から出ていってしまった。

 そして私は部屋に一人寂しく取り残されてしまった。結局考えても何も浮かばないのでわからずじまいで終わってしまった。


「…さっき私の口から出た言葉何だったんだろ?…はぁ、まあ考えても何も浮かばないし仕方ないか。とりあえずはメリーちゃんの朝ご飯を座って待ってようかな」


考えても埒が明かないため違和感について探りつついるもののとりあえずは一回考えることをやめることにする。今は朝の8時本来なら学校に到着したぐらの時間だがなぜかメリーちゃんと一緒の家にいる私は学校に行くことができない。別に部屋に鍵がかかっているわけではないがメリーちゃんがああいってきた以上うかつに歩き回るのは少し怖いところがある。

 動くにしても確実にメリーちゃんが戻ってくると分かっている今よりご飯を食べた後の自由時間でこっそり動く方がメリーちゃんを刺激するリスクが少なくて済むだろう。


とまあそんなことを少し考えた私はとりあえず朝ご飯がくるまで椅子にでも座ってようと思い歩き出そうと…


「ーーーえ?」


ただその場から歩くだけ、その行為をしようとした瞬間…足がとてつもなく重く動けないといいうことに気づく。…いやそれだけではない、私は体中が震え、動くことができなくなってしまっている。


「別に何か怖いことが会ったわけじゃないのに…なんで?」


 体が震えて動けなくなるという体験は前世を通しても全く思い当たることはない。しいて言うならホラー映画で恐怖で動けなくなっているのを見たことがあるくらいしかない。

しかし、私が一切動けない理由はなぜかすぐに思い当たった、そうその名は恐怖。この震えは何かに恐れている、おびえているものからきているに違いない。

別にこれといった根拠があるわけではない。しかしなぜか私には大きな確信がある。

 本能というか無意識の私がそれが正しいとそう聞こえてくるのだ。


さっき、メリーちゃんとの会話でも出た覚えのない言葉、あれは間違えなく昨日のことにしかも昨日のメリーちゃんについての言葉だった。

 今も覚えている違和感、その正体を昨日のことを思い出すためにも私は情報を手に入れなくてはならない。


「…よいしょっと」


震えるからだを落ち着かせるように大きく深呼吸をした私は少し落ち着いた体で椅子に座る。


「…気になることを挙げだしたらきりがない。…ねえ、メリーちゃん。一体どうしちゃったの?

?」


一つの間違えのない事実、それはこの状況を生み出したのにはメリーちゃんが大きくかかわっているということ。

それはさっきまでの会話を聞いていればいやでもわかること。信じたくなくてもその事実は変わらない。

しかし、まだそこには理由が、わけがきっとあるはずだ。今までの学校生活でクラメルを避けているわけ、そしてさっきまでの話の理由もとい昨日の記憶がない理由、それはきっとこの場所に眠っているはずだ。


「…すべてを解決するためにも必ず見つけ出さなければ」








思うがままに書いていったらマリーちゃん二回目の誘拐に会っちゃった。

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