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マリー・グランヒルは愛を教えたい  作者: kwkou
三章 マリー・グランヒルの友達への道
31/56

30話 何もない一日

書くことがないので最近のブルアカの感想。

 ホシノ、止まれ、マジで





 眩しい朝日が差し込み私は目を覚ます。

昨日までの暗い雰囲気が嘘のように空は快晴でとても明るい、心地の良い朝だ。


「ん〜!」


 私は体を伸ばして大きく息を吸って吐くのを3回ほど繰り返す。

 これは私の朝のルーティーンの一つだ。


そうして体をスッキリさせて、着替えをとりに行こうとミリーさんの部屋においたカバンを取りに行った。


「すう、すう、」


 ふと布団を見るとまだ安らかな寝顔で寝ているミリーさんがいる。

 トラウマで倒れてしまったため、うなされていないか心配していたが、どうやら問題なかったようで安心する。


 私は彼女を起こさないようにしのび足で歩きつつ、彼女の寝顔を拝見する。

 その顔はいつものような迫力のある顔でなく一人の可愛い少女の顔をしている。


「あんな顔もするんだ...]


食事の時も思ったが彼女は本来あんな感じだったのだろう。

なのに学校などの生活ではあの怖い顔でいる。

 最初は風紀を守るためにやっているだけと思っていたが昨日の話を聞いていると絶対にそれだけでない。

昨日の話の続き、きっとそこに理由がある、そして絶対に伝えたい()()()がある。


「…でも、今じゃないよね」


 だってこのお泊り会の目的はテストで満点を取るための勉強なんだ。

 本来の目的のためにも、頑張っらなければ。


「よしっ、今日も一日元気でやっていこう!」


「…う〜ん…」


 …おっと、ちょっと声が大きすぎたかな?

毎日頑張ってるんだし、休みの日ぐらい寝かせてあげないとね。


***


「「いただきます」」


今日もまた私はグラーム家と食事をとることになった。

 昨日のこともあって後ろめたい気持ちが強かったが誘ってくれるなら断る理由なんてない。

 今日の朝食はご飯と焼き魚とお味噌汁となんとも珍しいものになっている。

 一応この世界でも食材自体は存在しているのだがよく見るのはお米ぐらいで焼き魚はまだしもお味噌汁は実はあまり手に入らない。


 少し前、お味噌汁が飲みたくなってルイちゃんに頼んだことがあったのだが、市場で一切見つからなかったということがあった。

 まあ、発酵でできているものだし作るのが難しいのだろう。


…あれ?じゃあなんであの学園の食堂は味噌汁あるんだ?


「味はどうだい、マリーさん。」


「はい、とても美味しいです。」


「そうだろう、なんてったって今回の料理は商業の家庭で譲ってもらった素材を使って作ったんだ。なかなか味わったことがない風味が味わえるだろう。」


「…そ、そうですね」


 …すみません、前世で死ぬほど食べましたし、普通に学食でよく食べてます。

 …でも、言えるわけないでしょう!普通に失礼だもん、そんなこと言ったら。


「…嘘はついてないか?」


「へ?つ、ついてないですよ、」


「だ、そうだが、ミリー」


「うん、お父さん。…普通に嘘だね」


「え…?」


「はっはっはっ、やっぱりそうか。じゃあ、マリーさんは気を遣ってくれたのか。」


「もう、だから言ったでしょう。あの学園がある以上こういうのは難しいって」


「そうだな、…いやはやなかなか味わったことのないものを探すのは難しいものだ。」


 食卓には昨日のように温かい空気が流れている。

どうやら昨日私が踏んでしまった地雷は無かったことにしてくれているらしい。

 それ自体はすごくありがたいのだが、ちょっと待って欲しい。


 今さっき、ミリーさんが私の嘘を何故かすぐに判別しそれを家族がすぐに信じていた。

 信頼とか商人の目とかではなくパッとみて判別された感じだ。

 …一体なんでなんだ?


「おや、ミリー、君の特殊能力についてマリーさんにまだ話してないのかい?」


「あ、そういやまだ話してないわ。」


「どゆこと?」


「簡単な話、私は人がついた嘘がわかるの」


「…それはどうゆう原理で?」


「…それはわからないわ。でもなんとなくわかるの。その人が今喋った言葉が嘘かどうか。雰囲気というか…なんというか、とにかくそういった感じね。」


 なるほど、どうりで最初会った時とかごまかしが効いていなかったのか…。なんか色々納得がいったわ。

 それにしても嘘がわかる能力か、ものすごい便利な能力だし、商人の家系なら詐欺など見抜けるからとても相性がいいだろう。

 …でもそれと同時に嘘がわかるというのは気遣いなどもすぐにわかってしまうということだ。

 それは時にとても辛い時があるかもしれない。


そういえばこんな話、前にも聞いた気がする。

誰だったか…えーと確か…


「そうだ!サルネ様。あの人もそういえば人の感情がわかるって」


「そうね。確かに私の能力もそれと似た感じだわ。」


「なんか共通点でもあるのかな?」


「さぁ?それはわからないわね」


「さあさあ、この話はこれぐらいにしてご飯を食べようじゃないか」


***


「ここの問題はさらにこの式を変形する必要があるのよ」


「あ、なるほど…それは思いつかなかった」


 あれから今回は無事にご飯を食べ終わり今は、当初の目的であった勉強をやっている。

 やはり、この世界でいう大学レベルの問題は難しく大体のものはあっていても満点にはできない。

 それでもミリーさんと勉強をしてきたことで少しずつ点が上がってきていて模試をやった時、いつもより1、2問正解するのが増えてきてより満点に近づいてきた。


「…はい、朝の勉強は終わり。一旦休憩しましょう。」


「ふう、やっぱ集中すると疲れるな」


「そうね、たくさん脳でエネルギーを使うんだもの当然だわ」


 時刻はもう12時回り、さっき朝ごはんを食べたばっかりと思っていたがもうこんなに時間が立っているのか。


「昼ごはんよー」


「あ、呼ばれたわね。さあ、食べに行きましょう」


「そうですね。いきましょう」


***


ー夜ー


「さあ、今日はこの辺にしてそろそろ寝ましょうか」


「はい、わかりました。おやすみなさい」


「ええ、おやすみ」


 今日一日は勉強漬けの一日だった。普段と違って時間制限というものがないからのびのびとたくさんやれた。


「ふぁあ、やっぱこういう日は大切だよね」


 何事もなく平和に一日を終える。昨日の話とかは何も聞けなかったけどわざわざ聞きに行くほどのものでもない。

 平和に当初の目的を頑張れる、それでいいじゃないか。


「これくらい平和な日々が毎日続けばいいのに…なあ…」


そう、勉強の疲れで重くなった瞼をおろしながら私は眠りにつくのであった。


***


「…ターゲット確認、侵入を試みる」


 屋根の上で謎の人影がそう話す。暗闇に紛れたいくつかの人影。


 そう、いつだって平凡な日々は続かないのだ。

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