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マリー・グランヒルは愛を教えたい  作者: kwkou
三章 マリー・グランヒルの友達への道
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29話 秘密のかけら







「「…」」


 また、凍りつくような空気が流れる。彼女は自分の胸に手を置いて何回も深呼吸をしている。

 自分を落ち着かせるように何回も、何回も、

表情だってずっと苦しそうな様子で何回も…

 思い出し話そうとするだけでここまで苦しくなるようなものをおそらく私のために話そうとしてくれている。

 クラメルに関わるなら知っておいた方がいいという情報であるため、聞かないという選択肢はないのだがここまで苦しそうなら話すのを辞めさせたい気持ちが強い。

 けれど彼女から話そうとしてくれている時点で向こうはこうなることがわかっているはずできっと覚悟だってあるはずだ。

 だから私にできることはただ彼女が話すのをまつことだけだ。


 そしてさらに少し時間がだった後、彼女は重い口を開き話を始めた。


「…あれは、そう私がまだ4歳ぐらいの話よ。」


***


「お姉様、遊びましょう。」


「お、いいぞ。何する?」


「こら、ーーーー言葉づかいが汚いですよ。いつも言ってるでしょう?」


「あ?別にいいだろ、家の中ぐらい。」


「家の中での緩みはいつか外に漏れるもんです。常日頃から気をつけないと」


「はいはい」


「ふふ、お姉様また喧嘩してる。」


 どうもみなさんこんにちは。私はミリーっていうの。今年で4歳のピチピチの令嬢です!

 そして、今喧嘩しているのは専属メイドのリネさんとお姉様のーーーーだよ。

 二人とも私の大切な家族なんだ。

 お姉様、家ではこんな口調だけど外では本当に美しい令嬢になっていろんな家から褒められていて

なんか変幻自在なヒーローみたいでほんとのかっこいい自慢のお姉さんなんだ。

 だから私の目標はいつかお姉様みたいなかっこいい令嬢になることなの。まだ、秘密なんだけどね…


「二人とも〜、そろそろご飯よ〜」


「「はーい」」


「もう、飯の時間か。ミリー遊ぶのはまた後でな」


「うん、わかった」


***


「…お姉さんいたんですか…」


「ええ、3歳上の…ね。マリーさんもある写真見たでしょ。あそこになっていたのがうちの姉。口は悪かったけど本当に自慢の姉だったわ」


写真の二人の緑髪の少女、大きい方がお姉さんだったのか…。

 でも、雰囲気的にはそのお姉さんの方が今のミリーさんに近いような…。

 それに、まだここに来て一日も立っていないがそれでも彼女の姉の気配というものは感じなかった。

 それに本当に昔はメイドがいて、まさか…


「あら?察しでもついたのかしら?」


「…はい、ちょっとだけ」


「ふふ、やっぱりあなたは賢いのね……。

そう、多分あなたの予想通りよ。…メイドの中にスパイがいたの。」


「…」


「どうやら、そのスパイは私たちがいつ出かけたのかとか、家の警備とかを報告していたらしくて…

それである日、私たちを暗殺しようとしてきたの」


「あの日…は、そう、街を歩いていた時だったわ」


「あの日はお姉様とリネと服を買いに言っていたの。」


「その帰り道、たまたま猫を見つけてその猫を追いかけてしまったの」


「それで、路地裏にいって、そこで……そこ、で….。」


「急に…上から剣を持った人がきて…私を斬ろうとして…」


「わた、しを…守るように、り…ねと、お姉ちゃん…が…」


「それで…お姉ちゃんが…連れ去ら…れ…」


ーバタンー




「!?…ミリーさん!?大丈夫ですか!?ミリーさん!」


***


 倒れてしまったミリーさんをベットに寝かしつけた後、私はさっきの話を思い出していた。

 話の途中で彼女が倒れてしまったため彼女が本当に伝えたかったことはまだわからない。

 けれど、この家でボディーガードしかいない理由やお姉さんがいない理由。

 そこらへんがこの話からはわかった。

 

 ー倒れてしまうほど思い出したくない過去、何故そこまでして私に伝えてくれたのか。

 明日そこのところを聞いてみたい。そして、私のためにここまでしてくれる彼女の期待に答えてきちんと勉強の成果を出したい。

 私はその思いを強くもち、私もまた一週間の疲れから眠りについてしまった。


 まだ勉強お泊まり会は始まったばかりである。











背景描写難しい

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