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マリー・グランヒルは愛を教えたい  作者: kwkou
三章 マリー・グランヒルの友達への道
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22話 緊急作戦会議

「緊急作戦会議〜!」


 結局、私の地頭ではもう方法が思いつかなくなったため定期報告会でサルネ様たちに相談することにした。

 情けないとは思うが手探りで時間をかけるよりはよっぽどいい。


 今回の開催地は学校近くにあるカフェ。

 メンバーは、私とサルネ様、マオさんの三人だ。

 今回も、もちろんメリーちゃんも呼んだのだがどうやら今日は予定があるらしく断られてしまった。


「サルネ様、マオさん。お忙しい中、急にすみませんでした。」


「いいのよ、そろそろ報告会しようと思っていたし、友達になることを頼んだ身できるだけ手助けすると決めていたもの」


 前集まったから一週間ちょっと経っており、久々な感覚がある私は相変わらず優しいサルネ様に安心感を覚える。


「…それじゃあ早速現状報告からお願いできるかしら」


「はい、ハナちゃんと尾行したあの日のことからなんですけど…」

 

***


「なるほど、それで自分が今何をすべきかわからないと…」


「はい、テストを一旦置いといてクラメル様に関わろうとも考えたんですけど、少し話しかけようとしただけでメリーちゃんが止めてきて…」


「…彼女に心配をかけたくないから踏み出しにくいと」


「…はい」


 現状について話し終えた時、私は自分の不甲斐なさに嫌気がさしていた。

 自分のやるべきことがようやくわかったのにも関わらずわかる前から何も進展がない。

 関わりを深めようにも力や知恵が足らず届かないことやあと一歩が踏み出せないことが多いのだ。

 クラメルに関わりたいがクラメルが苦手なメリーちゃんには心配をかけたくないとどっちつかずな状態で停滞してしまっている。

 そしてそんな自分勝手な理由からやり方に詰まりそな解決策を人に頼ろうとしている。

 我ながら何と傲慢なのだろうかと自分が嫌になってくる。


「マリーさん、そんなネガティブな思考では不幸が寄ってくるわよ」


「ふぇっ?」


「あなた現状を話している時からずっと色が暗いの。どうせ自分の都合で人を頼るのが悪いとか感じでいるのだろうけど、私達は元から貴方を助けるつもりでいたし、頼んだ私にも責任があるから気にすることではないのよ。それに今回の会議はこれからについて話すもの、そんな気持ちでは良い結果になんてならないわ」


「…」


 サルネ様に私の心のうちを正確に当てられ心に驚きと申し訳なさが込み上げてる。

 彼女のいう通りこんな気持ちで作戦を立ててもいい案が浮かぶわけがない。

 私は迷惑をかけたとか自分の力が足りなかったなのどの過ぎたことばかり考え過ぎていた、それは相談に乗ってくれているサルネ様達に失礼な上、全く意味がない。

 私は自分を咎めつつ気持ちを切り替えるために大きく深呼吸をする。


「もう平気かしら?マリーさん」


「はい、色々すみませんでした」


「いいのよ、それじゃあ解決策についての作戦会を始めましょうか」


***


「はい!」


「どうぞマリーさん」


「彼女の過去を調べるのはどうでしょうか。彼女がクラメルを強く怖がっているのには理由があるはずです。それを昔の文献とかでエレクトロ家とマーガレット家の関わりを探せば何かしら目処はつくと思うんです」


「なるほど…確かに良い案ね。一応そういう文献は基本閲覧禁止ではあるのだけど私が頼めば少しは見ることが可能だわ」


「ですがサルネ様、それを調べる時、両家の許可がいるのではありませんでしたか?」


「…サルネ様、できればメリーちゃんには気づかれて欲しくないです。」


「わかっているわ、それにエレクトロ家の場合許可が降りる可能性が低いという点もあるわ」


 それから会議すること数十分、今は私たちはメリーちゃんについての作戦を立てている。

 今回の会議では主に

ークラメルの今後の関わり方もとい、仲良くなる方法。

ーテストでクラメルを越える方法。

ーメリーちゃんがクラメルを嫌っている理由。

の3つについて話し合いをしている。

 実は先にもう勉強とクラメルについては目処ができており作戦ももうできた。

 しかし見ての通りメリーちゃんについての話が困難を極めているのだ。

 もともと私の我儘のせいで選択肢が少ないのとメリーちゃん本人が隠し通そうとしているところからそれに沿ってやる方法が本当に少ない。


ー本当は私の我儘を無くすのが一番早いのはわかっている。

 しかし、どうしてもこの我儘だけは譲れない。

 「メリーちゃんにバレない」という一点だけは…


「…とはいえもう他の案は思いつかないんだよね」


「そうね…メリーさんをよく知っている人に聞くなどの他の案もメリーさんにバレる可能性が大きすぎるのよね」


「…なかなか難儀ですね、これは…」


 三人で頭を悩ませること10分、いっそ諦めて無視の方向で行くことも頭をよぎったがそれはすぐに却下する。

 関係を保ったまま何かを変えるというのはこれほどまでに難しいものなのか。

 

「いっそ先に勉強の方の作戦を初めて、また今度考えます?時間を置いたら何かしら変化したり思いついたりすることってよくあると思うんですけど」


「…本当はそれが良いのだけど、私明日からしばらく予定があって報告会する余裕がないの」

 

「なるほど…じゃあ本当に今日中に決めないといけないのか」


 こうなるとやっぱりもう私の我儘は切るべきなのかもしれない。

 できれば作戦に反映したいが背に腹はかえられない。

 さっき言った3つの問題に対しての対策を積まないと何も変わらない可能性が高い。

 

 …そもそもの話、仮にメリーちゃんにバレて関係が変わっても許されるまで謝り続ければいい話のはずだ。

 あれ?何で私はバレてはいけないと思っていたんだっけ?

…いや、関係を変えたくないという理由だったはずだ。

 まて、何でバレたらそこまで関係が変わると思っている?

 心配をかけたくないから?嫌われるかもしれないから?


 私は何か忘れてたりしているのか?





投稿ペース、大体これくらいになるかも…

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