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マリー・グランヒルは愛を教えたい  作者: kwkou
三章 マリー・グランヒルの友達への道
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21話 障害

「「ただいま〜」」


「二人ともお帰りなさい、遅かったわね」


 あの後無事に家に着き、私たちさいつものように家の扉を開けて、お母さんに出迎えてもらう。

 この変わらない家族の温もりはいつも私を一日の疲れを癒してくれる。


 学生寮と家の距離は合わせて1時間ぐらい。今はもう星が見えるような時間帯だ。

 私が馬車で色々しているうちにどうやら雷雲は過ぎ去っていて、よく空が見えるようになっていた。


「そうだ、マリーちゃん。雷があったけど大丈夫だった?熱とか出てない?倒れてない?」


「大丈夫だって大袈裟だなぁ。確かに怖くて少し息が荒くなったりしたけど、心配するほどじゃ無いって」


 うちの母は優しいのだが、心配症すぎるところがある。そのため、こうやって雷が降った時とかは私の状態をめちゃくちゃ見てくることが多い。

 まあ、視線が気になるとはいえ愛されているのがわかるため嫌な気持ちにはならないのだが…


「本当に忘れているのね…」


「ん?」


「なんでもないわ。お父さん、もう少しで帰ってくると思うから、荷物置いて先にご飯の用意しておいて」


「「はーい」」


***


 夜ご飯も食べ終わり私はいつものように自室で勉強して、一区切りがついたところで少し休憩する。

 そして今日はこの時間を使って状況整理をすることにした。


 まず浮かんでくるのは馬車での出来事、あの時、私は自分の気持ちに気づき自分の思いを理解した。


「…でも、そうなってくるとやっぱり今までのやり方ではダメだよな…」


 私が最近クラメルについて知った内容から今までの挨拶だけの関係ではおそらく友達にはなれないと思う。

 彼女の家族がそれを止めているのもあるが彼女自身が大きく拒絶しているのが大きい。

 プリントを届けるようにもっと大胆な詰めかたをしないときっと何も進展しないとおもわれる。ただ…


「問題はメリーちゃんなんだよな…」


私にとって親友みたいに仲のいいメリーちゃんは過剰にクラメルを怖がっているところがある。

 もし何も考えずにクラメルとか変わろうとしたら今までの傾向からおそらく彼女が本気で止めてくると思う。

 信じて見守ってくれるという可能性もあるが100%でないのならそれを当てにするのはリスクがある。

 一か八かでやってもいいが失敗した時、彼女との関係が変わる気がしてやりたくない思いが強い。


 それにクラメルの家族にも問題はある。あの時の会話の中で幾つかクラメルと友達になる条件について話していたのを覚えている。

 それは「純血かクラメルよりテストの点が良いこと」

 純血主義で実力主義とかいうクソみたいな条件であることは間違いのないことだが逆を返せば私が彼女より頭が良ければこの問題を取り除けるのだ。


 クラメルやメリーちゃんは私の頑張りで変わる可能性がある。

 しかし、その親とまでなると私が関わるのはなかなか厳しい。所詮は他人それにクラメルに関しては相手が四大貴族となると中流貴族である私ではどうしようもないことなのである。


「つまり来週にあるテストで勝つしか家族の壁は越えられないということ」

 

 私は人生2周目、入試ではクラメルが一位であったが私はさらに勉強量を増やし、苦手な文法も人に聞いて頑張って理解した。

 これならばワンチャン、クラメルを越せるかもしれない。


「よし、そうと決まればもう少し頑張ろう。」


 大まかに目標が決まったわたしは少し背伸びしてまた勉強に励むのだった。


***


「…まぁ、そんなうまくいかないよね」


学園順位

1位 クラメル・エレクトロ

2位 サルネ・テンサンス

3位 マオ・テンサンス

4位 マリー・グランヒル


 あれからテストを終えて結果発表当日。

 廊下に張り出された順位を見て私は落胆する。

 令嬢学園で4位ということ自体は誇っていいことに間違えないのだろうがクラメルに勝つという目標は叶わなかった。


「一応、私の合計476点あったのに…。クラメル様たち、一体何点だったんだ?」


「…サルネ様が480点私が478点です。」


「うわぁっ!ま、マオさん!」


 テストの結果に夢中になっていた私は突然後ろから声をかけられ肩が跳ねる。

 振り向くとそこにはサルネ様の従者であるマオさんが立っていた。


「どうもご無沙汰しております。先日はうちのハナがご迷惑おかけしました。」


「お久しぶりですマオさん。お二人とも点数高いんですね。私正直テスト終わった時、相当自信あったんですけど」


「そうですね。サルネ様はともかく私はいつもはこんなに高くないんですけど今回は勉強会のおかげでいい点が取れました。」


「…勉強会2回ぐらいしかやってないきがするですけど…」


「そうですね。でも一回一回大切にやればできますよ」


 確かにそれは大切なのだが、それでも普通の人は何十回も勉強してやっていると思うんだけど。

 気にしたら負けだな…


「…ちなみにクラメル様の点数って知ってますか?」


「もちろんです。確か…」


 あ、知ってるのね。一応テストの点は個人情報として学園で秘密になっているはずなんだけど…

ーまあ。もうこの人なら不思議なことはないや。


 なんかもうなれてしまった私はおいといて、勉強の目標として点数を聞けるのはありがたいことだ。

 結局480点以上は確定しているため地獄を見るのは目に見えるのだが明確にラインを知ることは大切である。

 今回の間違えたところからもう少しやればおそらくサルネ様ぐらいの点数だったら届くかもしれない。

 そんなことを考えながら私はマオさんの次の一言を待つ。


「クラメル様の点数は500点、満点ですね。」


「満点!?」


「さすが、としか言いようがありませんね。私も正直満点を取るのはめんどくさいです」


「あ、取れるんだ…」


 マオさんは(以下略)、

クラメルは満点、つまり私がクラメルに勝つには私も必然的に満点を取る必要がある。

 いくら前世の力やこの人生の積み重ねがあるとはいえ私でもテストで満点は取ったことがない。

 勉強のみに生活を切り替えたとしても満点にはおそらく届かない。

 かと言って誰かに教えてもらおうにもみんなそれぞれの都合があるため週1回から2回ぐらいが限度である。

 そんな状況で満点に導くのは無理に等しい。

 つまりはクラメルに勝つのはほぼ不可能であるということだ。


 しかし家族という壁を越えるにはテスト以外の方法はない。これをクリアできる目処が立たない限りクラメルと友達になっても引き剥がされる可能性がある。

 一体どうしたら良いのだろうか…











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