表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マリー・グランヒルは愛を教えたい  作者: kwkou
一章 マリー・グランヒルは学校になじみたい
2/56

2話 噂の彼女

 私がクラメルに話しかけると周りが急に騒ぎ始めた。


「ちょちょ、え?聞いてた?マリーちゃん。その子、危ないかも知れないんだよ?」


「大丈夫、聞いてたよ。ただ本当にそんな人か確かめたかっただけ。」


 私がそうやってメリーちゃんに話しかける

 メリーちゃんは心配そうな表情を浮かべていながらも見守っている。どうやら彼女は私を信じてくれるらしい。

 私としては人を見た目で判断したくなかっただけなのにどうしてここまで言われているのだろうか? 

 しばらくクラメルを見つめていると彼女がこちらに気づいたようでこちらを向いてきた。


「なんのようかしら」


「すみません、クラメル様。隣の席になったので挨拶がてら少しお話がしたいと思ったのです」


「ふふ、あなたとても勇気があるのね。噂を聞いても話しかけるなんて。」


「はい、人を見た目で判断するのは嫌いなので」


「素晴らしい心がけね。でも、ごめんなさい。わたし人と関わるの苦手なの。だから、申し訳ないけど話しかけないでもらえるかしら」


 彼女は瞳が見えないぐらい細めた目で私を見つめ艶やかな声でそう言ってきた。その見た目はあまりにも美しく私はそれに見惚れてしまう。


「聞いているのかしら?」


「あ、はい。すみませんでした」


 私がそう言うと彼女は少し微笑んだ後、

また彼女は本を読み始めた。


「マリーちゃん、大丈夫だった?心配したんだよ」


話が終わるとメリーちゃんが私に話しかけてきた。彼女は若干涙目にもなっていて本気で心配していたようだ。正直大袈裟である。


「大丈夫だよ、ただ話しただけだから」


「でも、彼女に話しかけた子が次の日から登校しなくなったと言う話もあるんだよ」


「大袈裟だよ。流石にそうはならないって。」


 私は彼女の目を見てそう言った。

 そしたら彼女はようやく安心してくれたようでいつもの明るい笑顔に戻っていた。

 出会ってまもない友達に対してここまで心配してくれる彼女は本当に優しい子なんだと思った。


「心配してくれてありがとうね」


「ううん、いいの。メリーちゃんは友達だから」


 (……それにしてもただ話しただけでここまで心配され、クラスでも騒がれる。一体クラメルさんは何をしたらこうなるのだろう。

 話した感じは人と関わるのが嫌いな普通少女だったと思う。

 気になる点としても目が悪そうでもないのにすごく目を細めていたことぐらいだ。

 でもそれも細めキャラという可能性もあるためあまり気にしなくてもいいと思う。)

 

 私は嫌われている原因を考えているがまるで思いつかない。それなのに何故か私は彼女に対して大きな違和感を抱いていた。

 そう、前世どこかで見たことがあるような……


ーキーンコーンー


そう考えているうちにチャイムがなる。私は結局、心にモヤモヤを抱えながら授業を始めたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ