11話 噂の正体と相談(?)
どうもみなさんこんにちは、マリー・グランヒルです。
なんやかんだありまして私はクラメルと友達になることを目指してます。
ただ彼女は人と関わるのを大きく拒絶しているのでどう関わろうか今考えているところです。
「うーん、うーん」
「マリーちゃんどうしたの?」
「いやー、クラメル様とどう友達になろうか考えていて。」
「え?…何をいっているの?」
彼女信じられないような目をしている。私はそこでふと思い出す。
彼女はクラメル様と私が関わろうとした時、いつも私を心配していた。
彼女が訳ありとしったいま私は別に怖い要素がないのだが彼女はあの場にいなかった。
しかし、彼女みたいなお人好しがあそこまで恐れるのは何故なのだろうか?
「ねぇ、メリーちゃん。メリーちゃんはなんでクラメル様が苦手なの?」
「マリーちゃん、噂知らないの?」
「噂?」
「エレクトロ家の噂、」
「…何それ」
「エレクトロ家は純血主義者なの。それで、純血以外の人はすぐ差別するような人たちなの」
「はぁ?この国、純血なんてアレクトロ家とエレクトロ家だけじゃなかった?」
そう、この国はそもそも作った王様のアレクトロ大王と騎士エレクトロ以外別の国からの仲間で国を作ったのだ。そのため、この国の99%は混血でそこを差別するのは普通ではない。
「噂によるとクラメル様が人を拒絶するのはそのせいだとか、しかもその拒絶を無視して突っかかりすぎると怒鳴られるらしいの」
「…だから、みんな避けてるのか」
確かにそんな噂があったら近づきたくない人は多いだろう。
怒鳴ったことの真偽はともかくとして彼女は人を拒絶しているのは確かだ。もし本当に怒鳴るようなことがあってそれでも絡んだ時何をされるかわからないのだ。
クラメルは四大貴族の一人、その力を使われたら私たちなんて簡単に退学させられるのだ。
「だからねマリーちゃん、彼女には近づかない方がいいよ」
彼女は警告のような言葉を私にいってきた。そしてその瞳には間違えなく恐怖が刻まれていた。
***
「こーれは難しいぞ。」
その日の夜、私は自宅のベットで足をぷらぷらさせながらクラメルと友達になる方法を考えている。
毎日挨拶をしたりできるだけ学食で隣に座るようにしているもののここ数日発展はない。
それにメリーちゃんが思ったりよりもクラメルのことを怖がっているため迂闊に一緒に行動できないのだ。
彼女と友達になるにはメリーちゃんを納得されるか隠れながらやるかの2択。
しかもそれをやった上で拒絶の2文字を永遠と張っているクラメルに近づかなければならないのだ。
ーコンコンー
「失礼します、入ってもよろしいでしょうか?」
「あっ、ルイちゃん。どうぞ入って」
私の専属メイドであるルイちゃんが部屋着の姿で入ってきた。もしかしたら普通の人はメイドがメイド服以外で主人の部屋に入るのはダメなことだと思うかもしれない。
しかし、そこは安心して欲しい。そもそも私服のパジャマで来て欲しいといったのは私だからだ。見てくれ、この子の水玉のパジャマを可愛くない?癖毛が犬みたいなのも可愛いし、サイコーだわ。
「じゃあ、ここに座ってお話ししましょう」
そういって私は自分の膝の上をポンポンと叩く。ルイちゃんは恥ずかしいそうに座ってくる。これはいつもの恒例行事で私から提案したものだ。最初は断られたのだが、私が押し切りこの形を手に入れた。だってこの形の方がいい匂いのする彼女を近くで感じられるからだ。
「はぁー、ルイちゃんはあったかいなー」
「…うぅ、で、でもマリー様もあたたかいです。」
私が彼女に抱きつきながらそう言うと彼女は耳を赤くしながらもそう感想を言ってくれる。私はそのあまりの可愛さに心臓が爆発しそうになる。
「あ〜もう!ルイちゃんは可愛いな〜」
「や、やめてください。あ、頭をそう撫でないで…恥ずかしいから、お願い」
頭をなでるとさらに顔を赤くし、私の手を掴んで止めようとする。あまりに恥ずかしいのか口調がタメ口になってしまっている。
彼女は外ではここまで恥ずかしがらない。どうやら外では心を自制して耐えているらしい。しかし、私と二人きりの時はその自制がないためいつもより恥ずかしくなるそうだ。
私はあまりの可愛さにさらにたくさん頭を撫でてしまう。すると彼女の恥ずかしさが頂点に達したのか彼女は頭から湯気を出しながら倒れてしまった。
「なでなで程度で倒れるもんな、この子。全くどんだけ可愛いんだよ…ってしまった、今日悩み相談に乗ってもらおうと思ってたのに…」
そうである。実は今日彼女をここに呼んだのはクラメルとの友達のなり方について相談するためだったのだ。しかし、彼女はもう倒れてしまっており今日話すのは無理に近い。
「仕方ない、今日は寝るか」
私は結局諦めて彼女と同じベットで寝ることにした。やはり、彼女はとても暖かい。
その温もりに触れながら私は眠りにつく。
…まぁ、結局次の日、私は相談できなかったことを後悔することになるのだが…。