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体験談系エッセイ

狂気の隣人

作者: 七宝

 モスバーガーのカウンター席で朝食を食べていると、外から男性の叫び声が聞こえた。


 声の主を見つけ、「怖」と思っていると、なんとその男性が叫びながら入店してきた。当然マスクはしていない。


「コーンスープとお水とお水ください!!!」


 推定40歳前後といったところ。

 彼は通常ではありえない注文を済ませ、私の隣の席についた。


 すぐに彼のブザーが鳴った。それに反応して彼は「はーい!!!」と大声で叫び、商品を受け取りに行った。


 コーンスープと2杯の水(信号機のように直線上に右から水、コーンスープ、水と並んでいた。ってこれ左からでも変わらんな)を乗せたお盆を両手で運ぶ男性。


 時折叫びながらこちらに向かって歩いてくる。

 手足がとても震えており、水が少しこぼれていた。


 男性はまた叫びながら私の隣の席にお盆を置き、着席した。


「いたーだきます!」


 手を合わせて挨拶をし、両手にコップを持つ男性。


 右のコップに口をつける。


 続いて左。


 ひと口ずつ飲んで、両方とも机の上に屋く。


 右手にスプーン、左手にコーンスープのカップを持つ男性。


 スプーンでコーンスープをすくい、口へと運ぶ。軽く咀嚼して飲み込んだ。


 そしてまたコーンスープとスプーンを置く!


 お冷を2つ持つ!


 ひと口ずつ飲む!


 んでまたコーンスープをひと口だけ飲む!


 というのを男性は延々と繰り返していた。


 正直ヤバい奴だと思ったが、その気持ちは分からなくもなかった。


 おそらく彼はやりたくてやっているのではない。不意に頭の中にこの「水2のコーンスープ1」が浮かんでしまって、仕方なくやっているのだろう。

 やらないと気持ちが悪いから、やらないと自分の体を傷つけてしまいそうだからなど、そういった理由でやっているのだろう。


 私も軽度の強迫性障害を持っている(気がする)が、それの上級バージョンなのだろう。


 なぜこんな体験をここに記したかというと、ものすごく怖かったからだ。隣だぞ?


 正直人生トップ10に入るくらい怖かった。つまりホラー映画よりも怖かったということだ。

 でも多分これを読んだ人達は怖いとは思わないだろう。人の不幸は面白いからだ。


 だからドッキリ番組が存在するのだろう。

「そういう人をネタにするのはよくないですよ」という声があるかもしれないので先に反論させていただきます。


 よくなくないと思いますよ!!!!!!!!!


 なんで狂人の味方するんですか! 保護するんですか!


 こっちはすんごいストレスもらってるんですよ! あなたは隣の席で叫びながら水とコーンスープ飲まれたことないからそういうことが言えるんですよ! いつ熱々のコーンスープをぶっかけられるかってビクビクしてたんだから! そもそも公共の場で叫ぶんじゃねーよ! この前の露出狂といい、治安うんこかこの街は!!!!!!!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] めちゃめちゃ面白かったです! リアルで隣に座られたらそりゃ怖いなってことも含めて面白かったです!
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