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第3話 思い出したくもない母親

 俺の両親は俺が物心付く前に離婚し、俺は母親に引き取られた。実の父親とは会ったことも無ければ、写真で見たことも無いので、顔すら分からない。水商売業の母親が自宅に連れ込んだ男が、俺にとって父親代わりだった。お小遣いをくれる人もいれば、暴力を振るう最低な人もいたりした。


 そんな環境から逃れたかった俺は、高校生の時、ある音楽事務所に音源と履歴書を送った。その数か月後、採用の連絡を貰った当時の俺は、すぐに高校を中退し、そのまま上京した。元々、母親とは折り合いが上手くいってなかったので、その後、しばらくは彼女と連絡を取っていなかったが、俺がバンドで売れだすと、突然、彼女は俺にお金を無心してきたのだ。


 最低最悪にも程があった。ギリギリな赤ではなく、彼女は俺と違う黒い血でも流れているとしか思えなくなった。


 俺はそんな魔族と血の契約を解消するために大金を手渡した。それ以降、彼女に一度さえ会っていない。近況、連絡先も分からない。最早、赤の他人同然だろう。




「……仕方ないの。じゃあ次はここじゃ」


 俺の気持ちを汲み取ったのか、老人は深く追求せず、フィルムを違う場面に変えた。


「ああ、ここなら大丈夫だ」


「そうか、それじゃあ行こうかの。儂の肩に摑まっておれ」


 俺は老人の肩をグッと掴む。


「出発じゃ」


 俺と老人は一瞬でこの場から消えた。


<お願い>

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