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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

チック=ニ=チアサ世界シリーズ

外道の魔法少女ディルティネス観察記録

作者: まい

※暴力表現と言えない程度だとは思いますが、暴力表現が存在します。極度に苦手な方は注意や退避をお願いします。

※スター系少女達の情報を少し修正



ここは現実とはパラレルな関係にある、ローファンタジーな世界。

その名も『チック=ニ=チアサ』

 時は20XX年。


 地球は数多(あまた)の驚異に狙われている。


 ~~~


 とある街の大きい交差点。そこで人々のワーキャー言う悲鳴と、クハハと響く馬鹿笑いが飛び交っていた。


 馬鹿笑いの発生源。そのシルエットはラグランTシャツとハーフパンツを身に付けた、冴えないお兄さんに似ていた。

 しかし髪は目が隠れるスーパーロング、首にはとてもチャラチャラした金属ネックレスが数本、肌がキツい紫色でとても目立つ。


「クハハハハ!!この街はダークサムシング(組織?名)ビッグサム(いわゆる怪人)である、チョーシットー(超嫉妬)が支配する!!」


 いきなり現れたチョーシットーなる存在は、増え過ぎた負の感情が実体を持って顕現(けんげん)する(たぐい)の敵である。


 人類が(もち)いる通常火器では倒せず、極一部の者以外は即逃げる事が常識となっている。


 ――――こんな者達が地球のあらゆる場所へ現れるようになって、既に15年。

 地球の人類はそんな日常に慣れきっていた。


 なにせ地球の危機がひとつの国にて、1年に1回ペースで起きるのだ。何度も希望と絶望のジェットコースターへ、強制的に乗せられて、何度も助かっている。


 嫌でも慣れる。

 いや、慣れなきゃやってられないのだ。


 毎年毎年地球の危機だの、空の色がおかしいだの、非常識な巨大物体が空を行くだの。謎の大爆発だの、日本全国で一斉に観測される光の粒だの、良く分からん組織からの宣戦布告だの。


 いい加減にしろ、謎の組織や謎の侵略者。




 ビッグサムとか名乗る危険物の前に、とても可愛らしい影が現れる。

 それこそが見敵即離脱の常識から外れた、極一部の者である証。


 その影は小学生にしか見えない女の子。

 パステルピンクな髪色で、毛先が少しカールしたショートボブ。

 コスプレチックでとても可愛らしい衣装をまとった女の子。


「出たな魔法少女!!貴様たt……ひとりか。…………ゴホン。貴様を倒し、地球の人類全てを負の感情で満たし、我らの住み良い惑星にテラフォーミングしてくれるわ!!」


 一番の特徴は衣装の配色。

 フリルやレース、リボンを使い倒した魔法少女衣装だと言うのに、黒と紺色である。

 そして口より上を隠す、どこかのロボットアニメの大佐を連想させる仮面も、少し目立っている。


 一部の歪んだ大きなお友達が好む、闇堕ちを心配してしまう配色だが、大丈夫だ問題ない。元々こんな暗色系統を好んでいるだけなのだ。


 ……ちなみに、主に強風が原因で(まれ)に見えてしまうアレだが、完全ランダム。


 白、ピンク、水玉、アニマル、しま、フリル、リボン……。極レアとしてサイド紐も観測されている。見えても慌てないので見せ物と言われているが、真相は不明。


 それと観測回数が一番多いのは、肉球。可愛い。


 なぜ統計が出るほど観測できるのか。それは同じ日、同じ出動中でも、見える度に中が変わるから。

 風ではためく度に中身が変わるなんて、流石魔法少女、愛と希望と夢の塊。存在自体が摩訶不思議(まかふしぎ)


「貴様ひとりに、ビッグサムたるチョーシットーが出るまでもない!行け、プチサム(戦闘員)達!」


 プチサムと呼ばれた者達は皆一様に謎の模様が入った黒の全身タイツの人型。

 チョーシットーなる者の影から湧いてきたが、ざっと見るだけで30体。それらが、一斉に女の子へと襲いかかろうとしている。



 その様子は、はっきり言って事案である。

 普通なら「お巡りさんこの人達です」案件である。



 だがこの場所にお巡りさんは来られない。

 お巡りさんでは対処できないのだ。


 だからこそ対処できる、ほぼ唯一の存在である魔法少女の出番なのだ。

 ……魔法少女以外にもスーパーヒーローと呼ばれる者も居るが、話に全く関係しないから除外する。


 こんな(絵的に)危ない場面で、小さな女の子が何かを呟く。


「……プチサム達、性質を“負から正、変換”」


 その呟きは、チョーシットーの耳まで何故か届くウィスパーボイス。

 この場に大きなお友達が居たら、下手すればそれだけで失神してしまいそうな、パーフェクトロリボイス。


 女の子の呟きの後から、プチサム達全員に異変が起こる。


 みるみる内に黒かった全身タイツが白に。模様の色はドピンクへ。それは視覚の暴力とも受け取れる、目に毒な光景。



 この力こそが、この魔法少女の力。

 目撃証言をまとめると“任意のモノを、逆の力へと変換”させる力。



 色が変わったプチサム達は全てが方向転換。チョーシットーへ向く。


「どうした、プチサム達!!敵は向こうだぞ!?」


 想定外の事態なのだろう、チョーシットーは焦って指示を何度も飛ばす。が、なんの効果も見せない。


 ワタワタするチョーシットーを余所に、それを取り囲むプチサム達。


「何が、何がどうなっている!?止めろ!俺はおまえ゛ィメン!?!?」


 何かを訴えきる前に、プチサム達から囲まれてボコされたチョーシットー。


 この様子はとても悲しいものだ。変人達に囲まれ、大変な事になっている、とっぽいにーちゃん。

 悪であろうが何であろうが、自身の用意した下っ端から反逆を食らう構図と言うものは。


 このまま5分。

 何度も反撃したチョーシットーだが、プチサム達が残り半分を切った頃に倒れ、そのままボコされ続けて光となり消え去った。


 残るはぼんやりと(たたず)むプチサム達と、呟く女の子。


「……ありがと」


 その一言がプチサム達の耳に届くと、女の子へ手を振ってチョーシットーと同じく光になる。


「……浄化完了」


 再び呟かれた言葉を残し、女の子はどこかへと向かって跳び去った。





 ……その少し後。


「待ちなさい、ダークサムシングっ!あなた達の荒れ狂った感情は、私達が綺麗に消し去ります!!」


 ようやく現れたのは、5人のカラフルな魔法少女達。

 この子らが現在、現役の魔法少女達。


「ホムラスター、終わってるみたいよ?」


「終わってるってなによ、ミナモスター」


「周囲にダーク反応が無いの……」


「はぁ?それはツムジスターの冗談でしょ?」


「冗談じゃない。ダーク反応じゃなくて、浄化が済んだピュア反応で一杯……」


「ウソっ!?またなの!!?」




 この子達は、最近こんなのばかりである。


 敵の力を利用してすり潰し、現役の魔法少女達が活躍する機会を先んじて奪う、ソロである謎の魔法少女。



 そのヤリ口はまさに外道。


 ~~~


「前回は自前のプチサム達を使われたと報告にあった!だから今回は現地徴用だ!!行け、闇堕ち少女隊っ!!」


「……“負の因子を正の因子に……魔力も同じ。変換”」


「はぁっ!?なぜだ、これでも駄目なのか!!?」


「……光堕ち少女隊。敵、あっち」


「んぐぬわぁぁぁ!!」



 10分後。


「待ちなさい、ダークサムシングっ!…………ってまた!?」


「あっち、誰か倒れてる!」


「あの子達はまさか、クラスのいじめっ子達……!」


 ~~~


「報告では他者を使う戦法の魔法少女だと聞いた!つまり単騎なら力が使えまい!勝負しろ、黒い魔法少女!!」


「……“該当ビッグサム。内蔵負の魔力、正の魔力、変換”」


「ぐふっ!?全身が劇毒を盛られたように……!?」


 負の感情を源とする存在。そんな者がそれに反してしまうと?


 見ればわかるだろう。存在が維持できなくなり、溶けてしまう。


 あのプチサム達みたいに根っこから変えられていれば、心が浄化されてキレイになるだけなのだが。






「待ちなさい!………って、やっぱり誰もいないし」


「ねえねえホムラスター、あれは何かなっ?」


「…………真っ白で大きなドロドロ。ナメクジ、かも?」


「とりあえずワタシの水で流してしまいましょ」


 ~~~


「出たな魔法少女。言葉で属性を反転させる力だと情報が有った。つまり話せなければ、その力を振るえないのだろう?」


「…………」キラキラエフェクト。


「馬鹿な!喋らずとも使えるだと!?ではなぜ喋っている!!」


「……なんとなく?」頭こてん。


「騙されたぁーーーーっ!!!」





「ま……ったく、私達の出番が全然無いってなんなのよ!!」


「お、落ち着いてホムラスターちゃん」


「落ち着けるワケ無いじゃないのリクチスター!!」


「とりあえず、またある大きいドロドロしたのは流すわね」


 ~~~


 表に流れる情報はフェイク混じり、その癖に喋りは最小限。名前さえ名乗らない。魔法少女の戦い方という、セオリーさえ守らない外道。


 この魔法少女は、常に謎と言うベールをまとっている。


 敵であるダークサムシングはおろか、味方であるはずの魔法少女達でさえ、何もまともな情報が得られていない。


 ちなみに魔法少女達の情報源は、一般人の範囲+魔力の痕跡を感知する程度で、絶大な信頼性がある母親のママさんネットワークでさえ、掴めないのだ。


 そんな正体不明の相手にしびれを切らしたダークサムシングは、ついに最終手段をとる。


 ~~~


 空に浮かぶは、ダークサムシングの根源“グランドサム”と名乗った人物。

 …………を拡大して空中に投影した、立体映像。


 真っ黒なフードつきマントで体と頭を隠し、カラス口マスクで口元も隠す。

 全く正体不明のグランドサム。

 分かるのは、険しい目付きと作ったとおぼしき重苦しい声から推測される、男性である可能性だけ。


「この地を足掛かりに、地球全土で負の魔力を得ようとした我等の計画を、邪魔した黒い魔法少女め!!」


 叫ぶグランドサムの顔は、とても赤かった。

 自身が行っていた、破壊活動を始めとした様々な危険・迷惑行為を阻止されただけである。


 自身の悪事?を棚にあげ、俺(達)は悪くない。邪魔するお前(達)こそ悪い。

 これぞ見事な言いがかり。流石負の感情が元になった存在と、自負するだけはある。


「この惑星では、我等の繁栄が叶わぬと判断した!よって、死なば諸共(もろとも)!惑星を破壊し、果てる事とした!!」


 この宣言を聞いた人達の反応は、とても薄かった。



 またかよ。

 なんでこう……そう言った連中は、地球だの世界だのを破壊したがる。



 これのみである。


「地球はかいばくだんは富士山の火口だ!止められるものなら止めて見せろ!!」


 大きい山に爆弾を仕掛ける流れも、いつもの事である。


「今まででかき集めた、負の感情エネルギー(魔力)と我を核にして、我に何かがあったら即爆発する仕掛けつきの時限爆弾だ!」


 つまりグランドサム自身に手を出したらアウト。


「我は地球はかいばくだんの近くで待っている!!戦闘中あまり動かない、機動力を持たないと思われる魔法少女が、時間までに富士山へ来られるかな?ハッハッハッ!!」


 この魔法少女の活動圏から富士山まで、確かに時間的には間に合わない。

 だが、彼女には常識が通じない。


 ……この子が持つ力から考えれば、全力で行こうとすれば余裕で間に合うと思うのだが、そんな面倒な事はしたくない様だ。


「……ん」


 声が漏れるほど気合いを入れ、遠く離れた場所から地球はかいばくだんを認識して。


「……“爆発・破壊力を回復力へ変換”」


 これで終わりである。


 ~~~


 立体映像を見た魔法少女達。


「やっと私達の出番が来た!!全力で富士山へ向かうわよっ!!」


「……待って!!わたし達の力じゃ、どうやっても間に合わないよ……!!」


「間に合わないじゃないの!間に合わせるのよ!!」


「しょうがないわね。気合いを入れて行くわよ、みんな!!」


 ~~~


 富士山火口で待ち受けるグランドサム。


「ふっふっふ。魔法少女が無理をしてやってくる。無理をすれば全力が出せない。全力が出せないならばこちらに勝算がある」


 ほくそ笑むグランドサムだが、その時地球はかいばくだんに変化が起きた。


 自身もそのばくだんと繋がっている為、それがどんな変化かを実感している。


「馬鹿な!?こんな離れた場所からも、あの魔法少女の力は届くのか!!だったらなぜビッグサム達の前に姿を見せたのだっ!!」


 今からばくだんを作り直している時間は残っていない。


「我は最初から、あやつのオモチャも同然だったと言うのか!!」


 負の感情の塊であるはずのグランドサムから、新たに負の感情が生まれる。それはとても不思議な光景であった。


 しかもその負の感情が生まれれば生まれるほど、地球()()ばくだんの威力が上がる。


「ふざけるな!だったら我等はなぜ生まれた!!我等の存在意義は!?我等が為そうとした事の価値は!?」


 天井知らずで膨れ上がるかと思われた負の感情だが、ある所まできたらプツリと止まってしまう。


「ははは……もう、どうでも良いや。このまま溶けてしまおう」


 負の感情そのものが、感情を放り投げてしまったのだ。

 前も言ったが、そう言った存在が自身の存在意義を失えば、溶ける。


 繋がっている地球回復ばくだんも、同時に。……もったいない、爆発させてしまえば良かった。


 ~~~


「敵だけでなく味方すらも(あざむ)き、自身は最小の労力で最大の効果を得る……」


「敵を否定し味方を嘲笑(あざわら)い、魔法少女としてのお約束や矜持(きょうじ)すらも軽く放り捨て邁進(まいしん)する。その在り方はまさにド外道、外道の極みと言えよう……っと」


 よし。とりあえずこんなモンかな?


 あたしは手帳へのメモを終えた。あとは作業場へ戻って、仕事の続きをしなければならない。


 今はあの子の素晴らしく可愛らしい魔法少女の姿を、頭の中で反芻(はんすう)して楽しみたいけど、生活の為だからやらねば。


 やりましょう!大切な作業の後で!!


 そう無理やり気合いを入れ、荒い鼻息を噴き出した。


「ただいまー。ん?ねね姉さん、なんで玄関で突っ立ってるの?」


「うをっ!」


 ビックリした!背後から急に声を掛けないでよ!


「久秀お帰り。さっきまで少し取材で外に出てたのよ」


 これは事実だ。嘘は言っていない。言っていないが、ドキドキする胸を悟られないために、なんとか平静を装う。



 この子は田中久秀。高校生の男子。


 見た目はとてもモブ。日本人男性の平均顔を作るならこんな顔かな?って感じをしている。

 成績や身体能力も極一部を除いて平均。とても器用な子。


 あたしの年が離れた弟にして、唯一の血族。

 両親は弟が小学生の内に死んじゃって、その時の保険金でなんとか生活出来たけど、色々と苦労しました。


「ふうん、やっぱ絵本とか小説の作家って大変なの?」


 久秀があたしを気遣う目で訊いてくる。親が居ない家庭なのに、良くもこんなに真っ直ぐかつ優しく育ってくれた!

 この様子を見るたび、あたしの心は幸せに満たされる。ああ、弟が可愛い。


「大変なのは準備。考えることが多くてね……って、もうこんな時間か!仕事しないと!!」


 そう、本当に大変なのだ。机やPCを前にしないと書けないのに、何も刺激がなくても書けなくなる。

 時折街に散歩や人間観察とかで出掛けないと、行き詰まる。


 それをわざとらしくも、大げさにして見せた。

 真実味はあるが、それは真実ではない。


 真相は何よりも尊く、下手をすれば鼻血が出そうなほどに大切な事をしていた。

 でもそれを久秀には絶対ナイショなのだ!


 ナイショの為なら、何だって嘘をつく!!


「だったらいつも通り、今から夕飯の買い物に行ってくるよ」


 一度リビングへ行き、荷物と買い物手提げとを交換してきた弟。いざ玄関から出ようとした辺りで止まり、あたしを見る。


「何かリクエストはある?」


 分かる。こっちだって弟を育てる為に、包丁鍋釜を振るっていた身。……今は弟に任せきりだけど。

 毎日の献立は迷うのだ、面倒に思うときもあるのだ。


 だから協力は惜しまない。


「さっぱりした肉系かな。それと、ついでに娘のお迎えとかしてくれると嬉しいな」


 今日はさっぱりした物が食べたい気分である。だがしかし、弟は食べ盛り。それにあたしの夫も一緒に暮らしているから、さっぱり系なら肉が無いと満足できないだろう。


 ついでは厚かましいかもしれないけど、あたしにはやることがある。


 この提案に満足した弟が、笑顔で「行ってきます」を言ってくれた。可愛い。




「……さて、小説がヤバいのは本当だけど、弟の画像フォルダを整理しないと」


 一軒家の我が家から弟が出掛けたのを確認して、自室へ直行。


「フヒヒ……可愛い可愛い弟の艶姿(あですがた)はたまりませんな!」


 PCに先程まで使っていた記憶媒体を差し込むと、現れたのはあの()()()()()()の画像達。


 あの子が中学2年の頃に、部屋でとても騒いだ事が一度だけあった。

 それで様子見として見てしまったのが、例の魔法少女姿。


 最初は剣呑な魔力を持った謎の不法侵入魔法少女かと思っていたのだけど、美少女が言う独り言で、事情を理解した。


 中二特有の病気でふざけて変身しようと試したら、何故か魔法少女になってしまったと。

 そして更に、勢いで決定的なセリフを言ってしまったのだ!


「ワレは性別の壁を越え、顕現(けんげん)せし外法(げほう)の魔法使い……いや、いっそ外道だな。それと……和英辞典。“汚い”で格好良さそうな単語は~~と、ディルティ。よし!ワレは外道の魔法使い、ディルティネス!!」


 興奮したね。鼻血も出たよ!本当に可愛いんだもん!!


 と言うかね、ディルティじゃないよ!ダーティーだよ!!こんな間違いをやらかすなんて、超がつく位可愛いっ!!




 それから弟が魔法少女として出動する時は、欠かさずその様子を撮影に行っています!!


 魔法少女として出動するようになったのは、なぜか今年からなんだけどね!


 待っていなさい、外道の魔法少女ディルティネス!!

 貴女の可愛い姿を、姉が全て記録してやります!!!



 …………おっと。浸ってないで、洗濯物とかの家事と、仕事もしないと!

以下、設定したけど作中で使わなかった設定Q&A。

興味がない方は、戻るなり飛ばすなりをお願い致します。



~~~~


Q.魔法少女とかスーパーヒーロー。


A.魔法少女はオカルトな力を使う不思議少女達の総称。大体誰か(主にマスコット的な精霊や妖精)から契約して力を借りて(例外あり)変身して戦う事が多い。通常火器が効かない敵にも有効な攻撃手段を持つ。借りる以上、引退以後は力が使えなくなる。

  スーパーヒーローは主に科学の結晶を核にする。時折動物や恐竜や鳥、乗り物の力を盛り込んだり、忍者や騎士など職業を取り入れるヒーローも現れる。キワモノは魔法使いで、魔法少女と比べるとかなり弱い。通常火器が効かない敵とは、とても相性が悪い。


Q.マスコット的な物から借りた力について。


A.正確には契約者の心から引き出した力。その補佐をしているのがマスコット的な物。そいつを通す事で不思議な力が使えるのだが、対象との相性とかマスコット的な物が持つ属性とか、あれやこれやがある。


Q.魔砲とかそれ以外のは?


A.ありません。人死にや悲惨な戦闘は、出来るだけ無しの方向で。ついでに魔法少女が成長しても、呪いを振りまく魔女にはなりません(ガクブル)


Q.有象無象からの侵略とかを受ける前にも、何か不思議な出来事とか有ったの?


A.有りました。いわゆる魔女っ子と呼ばれる分類。それらが、密かに世界各地でその土地へ溶け込んで生活していました。花を操ったり、コンパクトを使って変身したり、飴で身長を変えたり、アイドルやってみたり、単純に魔法を使ってちょっと便利な生活をするだけだったり。


Q.ダークサムシングの由来。


A.負の感情でダーク。負の感情から生まれる“ナニカ”でサムシング。ここで素敵なサムシングは見つかりません。


Q.久秀とねねって、名前が酷くない?


A.名字が田中なので、せめて名前に力が欲しいと両親が求めた結果です。別に平蜘蛛は出ませんし、火薬でドカンもしないから、安心してくださいね。


Q.姉。


A.実は『太陽の魔法少女サンコロナ』と言う、初代戦う魔法少女です。太陽の女神から直接太陽の力の一部を貰い、活躍していました。魔法少女時代に弟への心配事がありまして、責任感から見守っていたけど弟は無事高校生へ。その頃には責任感ではなく趣味に成り果てていたと言う、一種の変態。一応ヒロインを張っただけはある、年齢を感じさせない美形。


Q.変態は言い過ぎじゃね?


A.え?太陽の力、光速移動でちょくちょくディルティネスの“あの中身”を何度も何度も確認して撮影しているんですよ?光速移動でディルティネスのやること全てをあまさず記録しようと、動き回る奴ですよ?オテントサマ ハ (弟の魔法少女活動)スベテ ヲ ミテイマス。


Q.なぜ弟の魔法少女活動に気付けるの?


A.愛です。現役を退いたとは言え、魔法少女として戦ってきた勘とかもあります。魔力反応で気付きもします。決して服や荷物に盗聴機を仕込んだとかでは、無いですよ?


Q.ディルティネスについて。


A.久秀がまだ幼い頃、何度か悪の組織に姉への人質としてさらわれていて、その際の騒動で偶然変身光線とやらを浴びました。……前述の心配事ですね。それできちんと育ってくれるか心配になった姉が、太陽の力の一端である成長を促進する光と呼ばれる力を、暇があれば浴びせ続けた結果。つまり契約した精霊とかから力を借りていない、特殊な魔法少女となります。太陽の力を浴びて真っ直ぐ育ったことにより、太陽の力の欠片……光速とは言えなくても高速移動が出来る。


Q.もう少し突っ込んで教えて。


A.変身と言う要素と“魔法少女”の力が混じり、魔法少女の素質・能力が促進された。それ以外に成長したのが女子力。少女が成長を促進したのだ、伸びるのは女子な部分だろう。変身している間だけTSする、半TS男子。


Q.久秀の女子力。


A.クラスの女子がヨメに欲しがるほど。炊事洗濯縫い物家庭の事ならなんでもござれ。久秀の成績で例外の部分が家庭科の成績。調理実習では班員枠をみんなで奪い合う位。久秀の女子力を知る教師全員で、どうやって料理関係の仕事に関心を持たせるか頭を悩ませている。家のご近所さんはお裾分け返しで作ってくれるお菓子を求め、ちょくちょくやってくるレベル。


Q.変換は反転能力?


A.いいえ。敵の誤認を狙っているだけで、単純に何かを別の何かへ変換する力です。一応ルールは存在しますが、かなり応用幅があります。魔法少女達の人形に“人形から同一存在へ変換”とやれば、魔法少女と同じ能力戦力を持った存在へと“一時的に”用意できたりします。


Q.能力はどうやって知った?


A.偶然。魔法少女としてどんな力があるのか、色々試していたら口にした願い通りに変換されたのがきっかけ。


Q.なぜ言葉少ないクールロリなキャラをしている?


A.男が女言葉を使うなんて恥ずかしい。でも喋らなきゃ……そうだ、カタコトっぽく必要最小限だけ喋れば良いじゃない。


Q.初めて変身出来た時はとてもはしゃいでいなかったか?


A.“中二”の時期ですので、そこはさわらないであげて下さい。


Q.ウィスパーボイスはなぜ?


A.男なのにパーフェクトロリボイスが口から出る。その羞恥心に耐え、出せる限界がそれなのです。しかし魔法少女の不思議パワーでウィスパーボイスでもはっきり聞き取れる為に、内気なロリっぽく見られるだけに終わる。が、本人はそれを知らない。


Q.アレの中身が見る度に変わるなんて、ぶっちゃけあり得ない!


A.この子の根源である、変換の力ゆえです。常に変換されているのです。ちなみに本格的オトナな装いは、絶対に無いです。


Q.男子高校生が、変身したらなぜ女子小○生サイズに?


A.魔法少女の力を強く引き出すには、少女じゃないと。つまり魔法少女の素質・能力が強く現れた=変身したらそうなるのは自明の理。


Q.姉は売れっ子作家?


A.いいえ、ボチボチです。ただし元魔法少女の書く小説は同類に刺さるのか、存在する魔法少女隊の中にひとり、必ずファンが存在しています。


Q.姉の夫?


A.家の隣で個人事務所を開く弁護士先生。仕事が一杯で、家族が起きている内に家へ帰れないとよく嘆いています。ついでに久秀の料理ができたてで食べられない部分でも、強く悲しんでいます。


Q.姉の娘?


A.特に設定無し。可愛い盛り。


Q.スター系魔法少女は?


A.ノリと勢いで適当に。4属性の他にもうひとり居て、それの名前はライカスター。身体能力はチーム最低、射撃能力がチーム最強の固定砲台役。攻撃音が雷火の如く鳴るから。本当はピュアスターと言う名前も考えていたが、ダークサムシングの浄化後の名称と競合した為に泣く泣く切り捨てた。サン○ターも考えたが、即行で却下。


Q.自然由来の能力で、負の感情とどう戦うのよ?


A.自然に触れることで感じる癒し効果ぁ……ですかねぇ(遠い目)


Q.ディルティネス、なんでこの子達の活躍を奪ったん?


A.新年度へ入ってから勝手に変身してしまうようになり、制御が難しくなった。原因を探ると、魔法少女達がビッグサム達を倒すと変身が解除されると分かったから。


Q.なぜ勝手に変身するようになったのさ?


A.グランドサムを現役の魔法少女達では倒せないと認識した地球が、囁いた結果。『ガイアが俺に魔法少女へ変身しろと囁いた』


Q.だったらなぜディルティネスは、第6の戦士として共闘しなかった?


A.本物の小○生の集団に、男子高校生が馴染めると思うかい?自分は本気で逃げるよ。事案扱いは恐いから。


Q.いじめっ子達……。


A.魔法少女達の近くで負の感情が溜まるのは、そう言った連中だろう、と思いまして。


Q.どこがハッピーエンド?


A.当面の問題が解決して、家族の平和が守られた。一家は今日も平穏無事、幸せに暮らしましたとさ。これでハッピーエンドとしたって良いじゃない、おとぎ話でもそんなオチがあるんだから。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そうです! 弟は可愛いのです! いくつになってもお姉ちゃん愛は不滅なのです!! [気になる点] 弟さんTSなの? [一言] 楽しませてもらいました! 次回作を楽しみにしています!
[良い点] 因果系はつよいですね。こんなんチートや。いいぞもっとやれ。 ディルティネス、なるほどなるほど。 [気になる点] 平均顔……。 今やっているあのアニメが脳裏をよぎった。 [一言] チック=…
感想一覧
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