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かいのくに
かいのなかのくににいた。
すこし、はきそうになった。
はきそうになりながら、なみだをながしてだれかにいのっていた。
はきそうになったのは、しおのにおいがきつすぎたせいだとおとこのこはおもっただろう。
いのるべきはなんのためか、いのるあいてはだれか、かいのなかのくうきはみなみへながれて。かいのみなみのさいはては、りゅうのすみかだった。
いのるべきはおれぢゃない。いのるはひがし。ひがしだ。
ひがしにはかいばしらがごうもんにかけられたあとがあった。もうだれもいなかった。
いのるはにし。にしだ。
にしで、たいようがふたつにわかれるのをみた。ひとつは、とちゅうでしんでしまった。いきのこったほうは、いのるはきた。きただといった。
きたには、さっきいきのこったほうのたいようがいっしょにながれてきて、そらにのぼると、いのるはみなみ。みなみだといった。
かいのなかにでぐちはなく、あんしんしておとこのこはすこし、はいた。