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二体目 俺が頼んだ魔物使いはこれじゃない

「ここは……」


目が覚めると森の中だった。


(さて、無事転移したようだな)


頭の中に神の声が響く。


(ではさっそく魔物使いの能力を使おうか。君の左側にスライムがいるだろう)


神に言われて見てみると、のろのろと動く水色の透き通ったゼリーのような体を持った魔物がうごめいていた


(そのスライムはこの世界で、最弱の魔物で体の中の魔石を抜き取るだけで倒せる。やってみろ)


スライムの体をよく見ると、小さな石のようなものが浮いている。

これを抜き取ればいいのか。俺はさっそく手を伸ばし魔石に触れる。


(そうそうあまり長くスライムに触れていると消化されるぞ)


俺はそれを聞いてすぐに手を引いた。


「先に言いやがれくそ野郎!」


(アハハ、まぁ無事倒せたのだからいいじゃないか)


くそ、いちいちイラつくやつだな。しかし能力を使うと言っていたのに倒してどうすんだ? 

この後復活して仲間にしてほしそうにこちらを見てくるのだろうか。


(しれじゃその手の魔石をスライムの死体に突っ込んで能力の発動をイメージしろ)


なるほど、魔石を戻して復活させるんだな。俺は魔石をスライムの死体に突っ込んだ。

それと同時にこのくそったれな能力がどんなものか理解した。


「おい、一応聞いておく。スライムが復活しないぞ」


(おいおいそんな簡単にアイテム復活するわけないだろう。それに能力を使ったとき、そのアイテムがどんな能力が使えるかわかっただろう?)


確かに俺は魔物使いの能力を使った瞬間、不思議なことにこのスライムは色々なものを消化することができると分かった。ただし、あくまでアイテムとしてだ。


(そのままだと腐ってしまうからな、きちんとアイテムにした魔物は腐らないようにしておいた。それと大きい魔物を手に入れたとき持ち運びが大変だろう、アイテムにした魔物を別の空間に保管できる能力も追加しておいた。感謝するがいい)


あのくそ野郎! 魔物を使うってそういう意味じゃねーよ! どこの世界に魔物使いって聞いて魔物をアイテムとして使うと解釈するやつがいるんだ。絶対わざとだろう!!


(ハハッもちろんだとも)


うるせぇ、てか初めから心の中読んでただろ!


(まぁ細かいことはいいじゃないか。それよりも実はアイテムにした魔物には好感度があってな、好感度がある一定以上上がると…まぁそれはまたその時説明しよう。ちなみに好感度の上げ方はアイテムにする魔物ごとに違うので頑張って探してくれ。)


まぁいい、神の奴はさっき簡単に復活するわけないといった。ならまだ魔物を生き返らせる可能性はあるはずだ。もしかしたら好感度を上げれば生き返るのかもな。


(ではそろそろお別れだ。目の前をまっすぐ行けば町がある。村から出稼ぎに来たとでも言えばお金を払って町に入れるだろう。せいぜい私を楽しませてくれ)



そう言うと神の声が聞こえなくなった。

こうして魔物をアイテム化する魔物使いという能力を得てこの世界に降り立った俺は、この能力のせいで『死体使い』『鬼畜野郎』『ネクロマンサー』などの不名誉なあだ名を付けられこの世界で有名になっていく。

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