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永遠のつかの間  作者: 衣子
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再読

 カミュの「ペスト」を読み始める。疑い、疑ってみること、これでいいのかと、自然な予想を裏切って仮定してみること。

 戻ってくる、再会する、再開する、自分はそういうタイプ。昔の男にも会える、会ってもいい、会ってみたい。

 反対のタイプも人間もいる。二度と戻らない。戻りたくない。

 行ったり来たりが無駄と思うか否かの違い。戻っても再び同じ自分ではなく、相手でもない。でも、まったく新たな出会いともまた違う。昔読んだ本をもう一度読むときのように。

 昔の男をありったけ思い出してみた。時系列に指折り数えて、何をしたか、どんな気持ちだったか。

 今再会したら、どうなるんだろう。

 でも、誰を思い返しても、私の方が本当に好きだった男は、再会を願わない人ばかりだろう。

 昔、好きで、思いを少しだけ伝えたけど、何も起こらなかった、というより、無視された相手。

 今は歳をとって、普通に接してくれる、話してくれる。とっても嬉しい。でも、これから何かが始まるという兆しは全くない。相手は安心しきっているから無防備で私に気軽に答えてくれるだけ。私が少しでも気があるような気配を見せた途端に、大人のやり方で遠ざかっていくだろう。

 別れだけでなく、出会いも、実は選べるんだ。私が選べるように、相手も。



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