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不死身探偵フェニックス  作者: 猫月猫日猫曜日


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8/10

小指姫のプチ冒険

次の映画は、[小指姫のプチ冒険]


〜あらすじ

小手指姫子は東京郊外の庭付き一戸建てで暮らす子供だ

家族で庭木を育ててミニ植物園を作り上げた

庭に来る野良猫や鳩や雀や四十雀やトカゲやアゲハ蝶は友達だ

彼らの水飲み場も用意している

ハチは中立かな

カラスは害をなす

周辺は武蔵野の面影を残す

朝早く近所の公園に姫子が出かけると、雷が落ちて小指程に縮んでしまう

さあ大変だぁ!

自宅にある電気治療器を使えば元に戻るかもしれない

小指姫の近くて遠い旅が始まる


背後に迫るヒグマの様な巨大な影

「ニャアオウ」

野良猫のタマだ

「あたしだよ アタシダヨ エサじゃないからね!」

「ウニャ?」

「あたしだよ タマ!」

「ウニャア!」

小指姫は動物とコミニケーションがとれる

「チュールあげるから家まで連れて行ってくれ!」

「ニャア」

果たして、家まで辿り着いたが、中には入れない

「そうだ!2階の窓が開いている!

鳥来ないかなぁ」

図らずも、カラスが飛来する

危険な奴だ

その時、トカゲが現れて小指姫を巣穴に隠してくれる

(コモドドラゴンかと思った!エサじゃないからね!)

午後になると鳩が飛んで来た

「この前パンあげたよね!2階の窓の中に運んでおくれ!今度美味しい豆をあげるよ」

かくして小指姫は部屋の中に戻る

しかし、電気治療器はテーブルの上だ

そこで窓際に雀か、四十雀が飛んで来るのを待つが、なかなか来ない

アゲハ蝶が見えた

「ハチミツあげるよ!テーブルにアタシを乗せておくれ!」

アゲハ蝶には重そうだったが、何とかテーブルの上に運んでくれた

小指姫は電気治療器のスイッチを押す

頭の中が真っ白になり気絶する

暫くして、チュンチュンと雀に頭を突かれる

ハッと目を覚ますと、小指姫は小手指姫子に戻っていた

めでたしめでたし


〜楽屋

小手指姫子役の愛ちゃんは、品川ナイスに懐いていて、よく楽屋でお喋りする

ところが映画は好評なのに今日は、いつになく愛ちゃんの表情が暗い

ナイス「何かあったの?愛ちゃん」

愛「自宅に泥棒が入ったのよぉ!ナイスお姉さん」

ナイス「それは大変ね!犯人は捕まったの!」

愛「それが未だなのよぉ!警察は当てにならないわ…」

その時、楽屋に愛ちゃんのマネージャーである母親が入って来る

母親「ナイスさん、不安で仕方ないんです ウチは母子家庭で私がマネージャーをやっている関係で、自宅を留守にする事が多いんです」

ナイス「防犯カメラは付けてますか?」

母親「それが防犯カメラの配線が切られていたんですよ」

ナイス「何を盗まれたんですか?」

母親「現金と指輪です!ところで、ナイスさんは副業で探偵を御やりになっているとか?幾つも難事件を解決していると、聞き及びます!御力を貸して頂けないでしょうか?」

ナイス「もちろんですよ!仲良しの愛ちゃんの為なら…取り敢えず、2度入る泥棒もいるので、後でイミテーションの宝石箱を届けます!発信機付きで位置情報を追えます」


〜ミツバチドローン捜索開始

その日のうちにナイスは百匹のミツバチドローンを宙に放った

ナイスの指先から放たれた百匹のミツバチドローンが夕焼けの中を舞う 黄色と黒の翅音が金属的な調べを奏でながら、愛ちゃんの自宅や警察の捜査会議室に向かう

(犯人は現場に戻る可能性もあるので、自宅周辺を通る人物を夜間撮影可能なミツバチドローンで撮影していく 犯人よ、覚悟しなさい!)


〜愛ちゃんの自宅周辺

夜の帳が降りた住宅街にミツバチドローンの羽音が響く 無数の小さな探偵たちは光と影を縫うように飛び交い、愛ちゃんの自宅周辺を徹底的に調査していた


「おかしい……」


ナイスはスマートフォンのライブ映像をチェックしながら眉を寄せた

自宅前の防犯カメラは確かに切断されていたが、配線の切り口が妙に綺麗すぎる プロの仕業か?


「ママさん、被害品について詳しく教えてもらえる?」


ママさんマネージャーは資料を取り出した 「現金約30万円と宝石類……特に母の形見の猫のモチーフの指輪が……」


マネージャーの話を聴きながらスマホの映像をスクロールしていると、1匹のミツバチドローンが異常を検知した!自宅から少し離れた公園のベンチに座る男性…フードを目深に被り、時折周囲を警戒している


「この人は……」


ナイスは画像を拡大させた

「テレビ局のADさん!」

「高橋さん?」マネージャーが声を上げる 「よく娘の現場にも来てくださる方だけど……」


次の瞬間、別のドローンが衝撃的な映像を送信してきた!公園の茂みに隠されたバック!高橋は中身を確認している

ミツバチドローンを近づけると、その隙間から見える輝きは間違いなく宝石類!そして、猫のモチーフの指輪!


「これで確定ね」


ナイスはメモを取り終わり、小さく笑った

「犯人は現場に……」


〜公園

翌朝、品川ナイスは高橋ADを公園に呼び出した 早朝の霧がまだ濃く立ち込めている


「ナイスさん、こんな時間に一体……」


「おはようございます!高橋さん」彼女は微笑みながら一歩前に出た 「愛ちゃんの家の防犯カメラ…ずいぶん器用に切断されましたね?」


高橋の顔から血の気が引いた「な、何のことですか?」


「これはね」ナイスはミツバチドローンで撮影した映像を見せた

「探偵の頼もしい味方よ!昨夜、あなたが確認していた宝石を撮影したもの」


高橋は後ずさりした

「そんな……あれはただの荷物整理で……」


「祖母の形見の指輪」ナイスの声が冷たくなった

「前日の現場で愛ちゃんが話していましたよね?猫のモチーフの指輪、大事な指輪」


「……」高橋は目を逸らした


高橋は膝から崩れ落ちた

「スマホで出来るギャンブルが楽しくて、楽しくて!いつの間にか、借金だらけ…それなのに小学生が自分の何倍も収入が有るのが許せなかった」


ナイス「あなたは勘違いしている!あなたは何歳から働いているのか?」

高橋「大学出てから、ずっと働いていますよ」

ナイス「愛ちゃんはね!5歳から働いているのよ!それに周りの大人の分も稼いでくれているのよ!」

高橋の視線は上向き、虚空を見つめた


ナイスは近くで待機していた刑事若嶋津に、高橋を引渡した


数日後、愛ちゃんの家で指輪が返却された


「すごい……本当に帰ってきた!」愛ちゃんは涙ぐむ


ナイスは小さくウィンクした

「小指姫のように小さくなっても、諦めずに大切なものを守る勇気があれば……どんな災いも必ず厄払い出来るのよ」


その夜、ナイスのSNSに一言だけ投稿されていた

> 本日も小さな姫の冒険は続きます 次はどんな魔法を見せてくれるかな? #小指姫

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